クリスマス・シーズンなので、時期ピッタリのシティ・コメディをお勧めします。監督・脚本は、この手の映画を作らせると第一人者ナンシー・メイヤーズ。昔、観た時の感想を下記します。お代は観てのお帰り?。

House Exchangeというサイトで、見知らぬ他人同士が、お互いに一定期間住居を交換してクリスマス・ホリディを楽しむ。こんなサイトが本当にあるのか。見も知らぬ他人に、一定期間家を明け渡す。聞くからに、トラブルが多発しそうな試みだが、その心配がないとすれば、心惹かれるアイディアだ。「恋愛適齢期」で楽しませてくれた女流監督ナンシー・メイヤーズの作品。前半は非常に快調、後半少しくだれるのが惜しいが、もともと脚本家である監督自身の脚本、十分楽しませてくれる。二人の主演女優は、いずれもはつらつと演じており、持ち味100%発揮、気持ちがいい。この二人の四つ相撲を観るだけでも値打ちのある映画だ。キャメロン・ディアス扮するロスに住む映画予告編製作会社の経営者は、両親の離婚で三銃士のように仲がいいと思っていた家族が崩壊した少女時代のトラウマを持つ。ロンドン郊外に住むケイト・ウィンスレット扮する社交欄担当らしい女性新聞記者は、恋人に裏切られる原因は自分にあるという劣等感に悩んでいる。その二人が家を二週間交換して過ごすホリディの中で、新しい幸せをつかむまでを描く。ディアスは娘二人と三銃士のように仲良く暮らす妻と死別した男性(ジュード・ロウ)と恋に落ち、その家族との交流の中で、トラウマを克服する。ウィンスレットは、ロスで隣に住むかっては有名なオスカー受賞者らしい映画脚本家(これが「荒野の七人」やマカロニウエスタンの悪役俳優イーライ・ウォーラックというのも面白い)が推薦してくれる意志の強い女性を主人公にしたクラシック映画を何本か見る中で、自分に自信を持ち、不実な恋人から自由になり、新しい恋人(ジャック・ブラック)を得る。唐突に顔を出すダスティン・ホフマンのカメオ出演も演出がシャレていて、なかなか結構。思い出す毎に楽しさが増すような映画に仕上がっている。(2007.03.26)