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桃花國さん
桃花國 さんのブログ[カテゴリ:その日ぐらし
2023.3.19 21:12
『昨夜の夢』
 
朝廊下を歩きながら歯をみがいてると ガラス窓に小鳥がぶつかってきた
すこし大きな鳥に追われたらしい めずらしい事もあるものだ
私は昨夜の夢をたどっていた
 
その武士は額に深い皺をつけ 家に帰ってきた
妻はただならぬ様子に気がついたが 平静をよそおい夕方の用意をしていた
夕餉が終わろうとしたとき「明日仲間の介錯するように仰せつかった」
藩の機密を持ちだし脱藩の企てがあり関所でとらわれたのだ
旧知の友を斬ることになった
しかしいままで人を斬ったことがない
仕損じた苦悩のほうが友を自らの手でたつことよりも怖れた
しばらく重い空気につつまれた
妻は黙って自分を斬ってみよと体を差し出した
ややあって ためらいなく妻の首を斬った
あくる朝 武士は何事もなかったように城に出仕した
巳の刻 友の介錯をした
立派に仕事を果たした 眉間の皺が一瞬ゆるんだようにみえた
すれちがいざま 再び深い皺がみてとれた
家に帰り 妻の亡がらに手をあわせ 自らも妻の許に逝った
ひととき城中の噂になったが 秋風が吹く頃になると誰の口にもあがらなくなった
西の空に二すじの雲が紅く輝いていた
 
こんなにハッキリ覚えていた夢もめずらしい
やるせない思いだけが残った
姨捨山人@スズジイ@ジャムおかしビッグパパ一の糸天天松露ぬる湯nabetoshi 10人がいいねと言っています
コメント
松露さん
松露 さんのコメント
2023.3.20 7:13
映画「たそがれ清兵衛」の残酷編ですね。
それと昔見た映画「切腹」にも通じるところがあります。
やるせない夢ですね。つらい夢です。
1人がいいねと言っています
桃花國さん
桃花國 さんの返信コメント
2023.3.20 19:14
左足の小指のところに印があります
嫁の父親にも同じところにありました
前世 武士で 刀を左手で持ち 小指に置いたのです
残された印は血判状の間柄ということでした
義父が最後に風呂に入りたいとの希望で入浴させました
入浴中に最後になりました
その時「おい しっかりしろ」と言った時 時を超えて思い出しました
親に使う言葉でなく 同士に叫んだ言葉でした
私は見合い結婚です
仲人さんは 靴下を脱がせてみることなく 印を見抜いてました
そういう人を「神」というのでしょう
新婚旅行もそうだったように 会津に縁があります
血判状は「戊辰戦争」時だったのかなあと思ってます
もう武士になりたくない 腹も切りたくない  今世は焼き芋屋を全うしたいです
1人がいいねと言っています
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