Vogelfrei さん
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倫理上の不滅の命題を扱った映画「イミテーション・ゲーム」
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Vogelfrei さんのブログ[カテゴリ:カウチMovie]2018.4.13 22:42
イギリス映画で、そのものずばり「エニグマ」2001という映画があった。ケイト・ウィンスレットが出ていた。ポーランドでエニグマを争奪するというスパイものだったが、まあまあというレベルの出来の映画だった。今回カウチMovieした映画「イミテーション・ゲーム」にでてくるエニグマの機械は、上述の「エニグマ」で、スパイの活躍により連合軍サイドが手に入れたエニグマなのだろうか。
この「イミテーション・ゲーム」も、「エニグマ」に類したスパイものかと思って観たが、まったく違っていた。多数を救うためにであれば、少数もしくは重要でない人間を殺していいのか。倫理上の不滅の命題が重要なポイントになっており、第二次大戦でイギリスは、その命題にイエスと回答したという事実が描かれる。なるほど、これではこの作戦は、最高機密とせざるをえなかった訳だ。そして、そこに主人公の悲劇が起因する。この主人公の数学者の思考回路は実に理論的そのもので、人間の思考の持つあいまいさがない。昼飯を食べに行こうかといった日常会話で、彼の応答に同僚達がとまどう。こうした思考回路の人間が、戦争の勝利のために、小の虫を犠牲にするのはやむをえないと考えるのは当然の帰結だろう。イギリス政府や軍部の上層部が同様の結論をもって行動するのがすごい。さすが現実主義のイギリス人と感嘆する。「人命は地球より重い」といった偽善的ヒューマニズムが大手を振る日本ではこうもいくまい。倫理上の問題があるため、主人公達の功績は、戦後も長期にわたって最高機密扱いとなっており、その功績にふさわしい処遇をうけていない。そこに同性愛問題がからみ、主人公の悲劇となる。思考の特異性から、主人公は必然的に孤独な人生を送っている。彼は、エニグマ解読のために作った原始的コンピューターを、終戦後もコツコツと改良しつつあり、その機械が彼の唯一の友人となっている。その友人を失わないために、自分の性的嗜好をまげようとする主人公の痛ましさは強い印象を残す。史実から倫理上の問題を抉り出し、映像化したこの映画を評価したい。

写真中央が主人公を演じるベネディクト・カンバーバッチ。個性的な風貌が役にはまっていた。
この「イミテーション・ゲーム」も、「エニグマ」に類したスパイものかと思って観たが、まったく違っていた。多数を救うためにであれば、少数もしくは重要でない人間を殺していいのか。倫理上の不滅の命題が重要なポイントになっており、第二次大戦でイギリスは、その命題にイエスと回答したという事実が描かれる。なるほど、これではこの作戦は、最高機密とせざるをえなかった訳だ。そして、そこに主人公の悲劇が起因する。この主人公の数学者の思考回路は実に理論的そのもので、人間の思考の持つあいまいさがない。昼飯を食べに行こうかといった日常会話で、彼の応答に同僚達がとまどう。こうした思考回路の人間が、戦争の勝利のために、小の虫を犠牲にするのはやむをえないと考えるのは当然の帰結だろう。イギリス政府や軍部の上層部が同様の結論をもって行動するのがすごい。さすが現実主義のイギリス人と感嘆する。「人命は地球より重い」といった偽善的ヒューマニズムが大手を振る日本ではこうもいくまい。倫理上の問題があるため、主人公達の功績は、戦後も長期にわたって最高機密扱いとなっており、その功績にふさわしい処遇をうけていない。そこに同性愛問題がからみ、主人公の悲劇となる。思考の特異性から、主人公は必然的に孤独な人生を送っている。彼は、エニグマ解読のために作った原始的コンピューターを、終戦後もコツコツと改良しつつあり、その機械が彼の唯一の友人となっている。その友人を失わないために、自分の性的嗜好をまげようとする主人公の痛ましさは強い印象を残す。史実から倫理上の問題を抉り出し、映像化したこの映画を評価したい。
写真中央が主人公を演じるベネディクト・カンバーバッチ。個性的な風貌が役にはまっていた。
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ブログ「カウチMovie」をさぼっており、申し訳ありません。歳でしょうかね・・・・。
「グレイテストショウマン」は見ていませんが、ヒュー・ジャックマンと可愛い+芸達者のミッシェル・ウイリアムズという顔ぶれなら、楽しめたでしょう。
「ラ・ラ・ランド」は観ています。前半は退屈でした。こんな映画がどうして評判だったのだろうと不審でしたが、ラストの締めくくりで息を吹き返しました。なつかしの1950年代のミュージカルそのものスタイルと色調と筋運びとで話を進めてきて、新味がないなと観ていると、ラストで人生で得たもの、失ったものへの想いをシッポリと描き、どう、ちょっと昔のミュージカルとは一味違うでしょう、ときました。なるほど、なるほどとうなづかざるを得ないというところでしょうか。
「錨を上げて」と「イースターパレード」の二本立てとは懐かしいですね。地区センターさん、なかなかやりますね。
上は、「錨を上げて」のワン・シーン。左からフランク・シナトラ、キャスリン・グレイソン、シーン・ケリーです。
こんにちわお久しぶりです
私はこの映画飛行機の中で見て半分以上理解できず 戻ってから字幕で見ました
ベネディクトがやはり上手いですね
映画館へは先月「グレイテストショウマン」を見ただけで「ペンタゴン・・」も行きたいと思いながら未だです これは「ラ・ラ・ランド」より見ごたえありました
地域のセンターで催される往年のミュウジカル映画が20日にあるので見に行きます
すっかり忘れている懐かしい「錨を上げて」「イースターパレード」の2本立てです
こちらも同様です。最近、家内の体調がすぐれず、小生の外出もままならないので、映画は、もっぱらカウチMovieです。
シネコンも嫌いではないのですが、ちょっと、囲いに追い込まれた羊の感はありますね。
エニグマは昔見ましたがこれは見ていません。シリアスな内容みたいですね。
見た方の評価はなかなかいいようです。
アマゾンプライムでみようかと思っていますが、PCで見ると疲れそうです。
それにしても最近映画館はいかなくなりました。シネコンは狭くて音も悪いので嫌いですが、劇場まで行くのは面倒だし!歳をとると色々あります。