「新語・流行語大賞」2019年間大賞は「ONE TEAM」。「タピる」「闇営業」「令和」なども選出された
毎年発表される「流行語大賞」。
大賞に選ばれたのは「ONE TEAM(ワンチーム)」でした。
このほか、トップ10には「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」など、今年よく耳にした言葉がいずれもランクイン。
ノミネートされた言葉はラグビー関係のものが多い印象でしたね。
さて、この新語・流行語大賞いつから、どんな目的で行われ、過去はどんな言葉がノミネートされてきたがご存じですか?
今回は新語・流行語大賞についてご紹介いたします。
なぜ毎年流行語大賞が行われるの?いつから始まった?選び方は?
年の瀬の風物詩、「第36回 2019年 ユーキャン新語・流行語大賞」。
2019年も12月2日に大賞が発表されました。
新語流行語大賞は毎年12月1日ごろに発表される「現代用語の基礎知識」。
読者のアンケートによって選出されています。
公式ホームページには以下のように書かれています。
この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
1984年に創始。毎年12月初めに発表。『現代用語の基礎知識』収録の用語をベースに、自由国民社および大賞事務局がノミネート語を選出。選考委員会によってトップテン、年間大賞語が選ばれる。
選考委員会は、姜尚中(東京大学名誉教授)、金田一秀穂(杏林大学教授)、辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、大塚陽子(『現代用語の基礎知識』編集長)で構成される。
※授賞が「トップテン=大賞」の方式になったのは第11回から。それ以前は、【新語部門】【流行語部門】【表現部門】等を設け、それぞれに授賞語を選定した。
「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞(https://www.jiyu.co.jp/singo/?eid=00096)より
いつから始まった?
そもそも新語・流行語大賞は1984年から始まりました。
「現代用語の基礎知識」を刊行する自由国民社が授与しています。
賞が始まった頃は今ほど話題にもなりませんでした。
しかし、回を重ねるごとに話題・関心を集めるようになり、2004年からは通信教育のユーキャンがスポンサーとなったことで、一気に知名度が拡大。
近年ではニュースやワイドショーなどで受賞語が大きく取り上げられることもあって、年間大賞にどんな言葉が輝いたのかくらいはご存じの方も多いでしょう。
年の瀬の人気イベント、日本漢字能力検定協会が12月中旬あたりに発表する「今年の漢字」と並び年の瀬の人気イベントとなっていったのです。
「この語を見ればその年何が流行ったかわかる」というコンセプトですが、マスコミしか使っていない言葉が選出されていたり、初めて聞くような言葉が選出されていたりとインターネットが発展した近年では、選出方法に対して不満の声もあがるようになりました。
例えば、2008年に注目を集めたのは「食品偽装問題」。
次々食品偽装する会社が見つかったことから、国民の関心が高かった事件です。
しかし、この年の新語・流行語大賞には食品偽装関連の言葉はひとつも選出されませんでした。
また、毎年必ず「プロ野球」「政治」「オリンピック(開催年に限る)」関連の言葉がノミネートされるのも特徴で、「どんな選出方法をしているんだろう?」「どんな基準で選んでいるんだろう?」と疑問に思う人も増え始めています。
2003年からは、ノミネートだけで50語から70語も登録されることになり、なんだかピントがずれはじめた印象です。
50語から70語も登録されるなら、5日〜7日程度で1つ流行語候補が生まれる計算になってしまいますよね。
こうした批判を受けてなのか2016年からは30単語までしか登録されていません。
ただ、「マスコミが流行らせたい言葉がランクインする」という批判も多く、2007年には「ネット流行語大賞」が始動。
実際にインターネット上で流行った言葉などが正確にランキング化されるため、ユーザーの納得度は高いものになっています。
過去の流行語を振り返ってみよう!
では、過去にはどのような言葉がノミネートされてきたのでしょうか?
10年分を振り返って懐かしい気分に浸ってみませんか?
2009年
この年、年間大賞に選ばれたのは「政権交代」。
8月30日に行われた第45回衆院総選挙で、自民党が大きく議席を減らし、民主党が政権を握りました。
このほか、トップテン入りしたのは「こども店長」「事業仕分け」「新型インフルエンザ」「草食男子」「脱官僚」「派遣切り」「ファストファッション」「ぼやき」「歴女」でした。
どうでしょう?
意外と覚えていませんか?
2010年
続いて2010年は「ゲゲゲの~」が年間大賞。
この年放送されたNHK麻の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」から「ゲゲゲの」部分だけが選ばれました。
初回視聴率こそ歴代最低だったゲゲゲの女房ですが、回を追うごとに人気が高まり、最終週の平均視聴率は23.6パーセントと奇跡的なV字回復を見せたのです。
同作品は漫画「墓場の鬼太郎」を「ゲゲゲの鬼太郎」と改題したことからサクセスストーリーに転じていく様子がとても面白かったですよね。
このほかトップテンには「いい質問ですねぇ」「イクメン」「AKB48」「女子会」「脱小沢」「食べるラー油」「ととのいました」「〜なう」「無縁社会」がランクイン。
いずれの言葉も、今も使っているものが多いのが特徴ですね。
2011年
この年はサッカー日本女子代表がワールドカップで優勝した年。
年間大賞は「なでしこジャパン」でした。
トップテンには「絆」「スマホ」「どじょう内閣」「どや顔」「帰宅難民」「こだまでしょうか」「3.11」「風評被害」「ラブ注入」がランクイン。
東日本大震災があったことから、それらに関連するワードが多く選出されました。
2012年
この年は久しぶりにお笑い芸人のフレーズが年間大賞。
デニムのノースリーブと短パン姿の芸人・スギちゃんの「ワイルドだろぉ」が選ばれました。
このほか「iPS細胞」「維新」「LCC」「終活」「第3極」「近いうちに…」「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」「東京ソラマチ」「爆弾低気圧」がトップテンに選出。
いずれの言葉も印象に残っている方が多いのではないでしょうか?
2013年
未だテレビで活躍を続ける林修先生の「今でしょ!」がこの年の年間大賞。
このほかにも「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」が年間大賞として選ばれました。
トップテンは「アベノミクス」「ご当地キャラ」「特定秘密保護法」「PM2.5」「ブラック企業」「ヘイトスピーチ」がランクイン。
いずれの言葉も、今も使う機会が多い印象ですね。
2014年
この年は「ダメよ~ダメダメ」「集団的自衛権」のふたつが年間大賞。
トップテンには「ありのままで」「カープ女子」「壁ドン」「危険ドラッグ」「ごきげんよう」「マタハラ」「妖怪ウォッチ」「レジェンド」がランクイン。
2015年
この年の年間大賞は増え続ける中国人観光客らによる「爆買い」。
そして野球関連の用語として「トリプルスリー」が年間大賞に。
トップテンには「アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「エンブレム」「五郎丸(ポーズ)」「SEALDs」「ドローン」「まいにち、修造!」がランクイン。
2016年
この年は野球関連の用語「神ってる」が年間大賞。
25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島カープの鈴木誠也選手が受賞しました。
トップテンには「聖地巡礼」「トランプ現象」「ゲス不倫」「マイナス金利」「盛り土」「保育園落ちた日本死ね」「ポケモンGO」「(僕の)アモーレ」「PPAP」がランクイン。
2017年
この年は今もなお流行が続く「インスタ映え」が年間大賞。
また、「忖度(そんたく)」も年間大賞に選ばれました。
トップテンには「35億」「Jアラート」「睡眠負債」「ひふみん」「フェイクニュース」「プレミアムフライデー」「魔の2回生」「○○ファースト」がランクイン。
2018年
この年はオリンピックの年。
カーリング女子で話題になった「そだねー」が年間大賞に。
トップテンには「eスポーツ」「(大迫)半端ないって」「おっさんずラブ」「ご飯論法」「災害級の暑さ」「スーパーボランティア」「奈良判定」「ボーっと生きてんじゃねーよ!」「#MeToo」が選ばれました。
いずれも見るとその年をなんとなく思い出せる言葉が多いですよね。
では2019年はどのような言葉が選ばれたのでしょうか?
2019年ノミネートされた流行語は?
冒頭でもお伝えしていますが、「ONE TEAM」が年間大賞。
「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」というインパクトのある公式キャッチフレーズで開催されたラグビーワールドカップ。
日本代表チーム活躍に心動かされた人が多く、この言葉が年間大賞になりました。
トップテンには「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#KuToo」「○○ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」がランクイン。
どうでしょう?
実際に日常のなかで使っている言葉はありますか?
今年はタピオカが流行したり、ラグビーがブームになったり、消費増税があったりとさまざまなことがありました。
こうした言葉を見ながら、その年何があったのか、家族と友人と話すのも面白いかもしれませんね。
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