”水中の絵画”の不思議な魅力…。水草アクアリウムに癒やされる

手軽に自宅が癒しの空間になるアクアリウムは、コロナ禍の自粛期間を経てますます注目を集めています。「水中で揺れる緑」「静かに輝く気泡」などを、インテリア感覚で楽しむ人が増えているようです。

水草水槽、すばらしき自然美

最近、静かなブームを呼んでいる水草水槽。水槽にさまざまな水草を植え、流木や石などを利用して自然の風景など自分のイメージを水槽の中に作り出して楽しみます。熱帯魚や金魚を同時に楽しむ方法もありますが、水槽の中のメインは水草です。
水草水槽の魅力は、なんといっても自然の美しさを部屋にいながら楽しめること。鮮やかなグリーン、出ては消える気泡の美しさから「生きている絵画」とも形容されます。東京スカイツリーにある、すみだ水族館には世界最大級の水草水槽があり、その幻想的な世界が人気を呼んでいるそうです。また、水槽や飼育道具などもまるでオブジェのようにデザイン豊かになり、インテリア感覚で楽しめるようになったことも人気上昇の理由とか。
キャンバスの上に絵を描くように、イメージを膨らませ、レイアウトを考え、水草を植え、石や流木を置いていく…。色とりどりの水草で紅葉を再現したり、アニメの世界観を表現したり、日本庭園風に作り上げたり。「世界水草レイアウトコンテスト」なども行われ、驚くような水草水槽の世界が展開されています。

お手入れは大変？

水草水槽は忙しい方、あまり手間をかけられない方でも比較的簡単に始められます。ガーデニングのように、気温に左右されることが少なく、毎日の水やりがいらないのがメリット。また、水槽は汚れると洗うのが大変と思われますが、魚を飼っていて生態系ができている場合、手入れは、45㎝の水槽なら週に1度、4分の1ほどの水替え程度で充分。水槽の中の小さな生態系で、自然の仕組みを実感できるところも魅力のようです。

どうやって作るの？

水草水槽を始めるために、まず基本的に必要なものは「水槽」「水草」「底砂」。それに、「流木」「石」「ライト」「二酸化炭素添加器具」があればさらに楽しめます。必要なものが一通りそろった初心者用キットなども市販されています。

水槽

初心者には60㎝程度の水槽がおすすめ。材質はガラス製とアクリル製があります。ガラス製は透明度が高く、傷つきにくいのがメリットですが、重く割れやすいという面も。アクリル製は、丈夫で軽量ですが、傷がつきやすいという特徴があります。

水草

水草にはさまざまな種類があります。大きく分けて、茎と葉を持つ「有茎水草」、株から周囲に葉を広げる「ロゼット状水草」、その他、さまざまな形をしたものがあります。初心者でも育てやすいといわれるのが、「アナカリス」「ミクロソリウム」「アヌビナス・ナナ」などです。植えるとき、専用のピンセットがあると便利です。

底砂

水草を育てるために必要なのが「底砂」で、どんな水草を育てたいかによって変わってきます。底砂の種類は「ソイル」「砂・砂利」「セラミック素材」などがあります。水草水槽でよく用いられているのが、「ソイル」。土を成分としていて、ミネラル分を含み、自然ろ過効果もあるので、水草の育成に向いています。
「ライト」や「二酸化炭素添加器具」はなくても水草は育ちますが、あったほうが、枯れにくく、美しく育ちます。「石」「流木」は水槽の大きさ、自分の作りたいレイアウトなどに添って購入しましょう。

おすすめ！　ボトルアクアリウム

簡単に水草水槽を作ってみたいときは、まずはグラスやガラス瓶で試してみることもできます。作り方は水槽と同じように、底にソイルをいれてから、水を入れ、水草を植えます。日光が当たるところにおくと、光合成して気泡を出す姿が見られるそうです。