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【紫陽花の季節に】運が開ける 京めぐり 御朱印旅のすすめ

臨済宗総本山 南禅寺
緑に抱かれた山門や白砂の庭も見どころ

地下鉄蹴上駅のほど近くにある洛東の名所、臨済宗南禅寺派大本山・南禅寺。
鎌倉時代、亀山法皇が無関不門禅師を開山に迎え、離宮を禅寺に改めたことに始まり、室町時代には京都五山・鎌倉五山の上に列せられた格式高い寺院です。
多くの塔頭を擁する広大な境内は季節ごとに味わいがあり、とりわけ約200本の木々が紅葉する秋は、大勢の参拝者で賑わいます。

中門をくぐり、緑豊かな参道を進むと現れるのが、高さ約22メートル、「天下竜門」の別名も持つ重要文化財の三門。日本三大門の一つに数えられるこの三門は、寛永5年(1628)の再建。歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と見得を切る場面でも知られていますが、実際は五右衛門の死後にできたものだそう。
有料で三門に登楼することもでき、秋には朱に染まった境内の「絶景」が楽しめます。

三門の先には、禅宗建築の白壁の庫裏や、天井に今尾景年画伯の播龍図が描かれた荘厳な法堂、国宝の方丈など、禅宗ならではの風格ある建物が並びます。
方丈は大方丈と小方丈からなり、天正年間に御所の建物の一部を移建したとされる大方丈の内部には、桃山前期の狩野派絵師による124面もの障壁画が見られます(※現在、124面中、84面は収蔵庫に保管され、代わりに江戸前期~中期の色合いに復元した新たな障壁画が飾られています)。
また、小方丈は伏見城の遺構とされ、内部に狩野探幽筆と伝わる『群虎図』40面があることから、「虎の間」とも呼ばれています。
大方丈の前面には、「虎の子渡しの庭」とも呼ばれる名勝庭園が。小堀遠州が手掛けたとされ、大方丈や借景となる大日山と美しく調和した、江戸初期の代表的な枯山水庭園として知られています。

こうした堂塔伽藍などの見どころに加えて、人気スポットとなっているのが、琵琶湖疏水の支線にあるアーチ状の水路橋「水路閣」です。
明治時代、京都では東京遷都で衰退したまちを復興させるために、産業振興を図るさまざまな近代化策が進められました。その代表的な事業が、京都市内へ琵琶湖の水を引く琵琶湖疏水の建設です。疏水の一部は南禅寺の横を通ることから、周囲の景観に配慮して設計されたのがこの水路閣でした。古代ローマの水道橋を思わせる近代建築のレトロな風情が境内の景色にしっくりなじみ、今や映画やドラマのロケ地としても有名になっています。疏水を流れる水音はじつに涼しげで、特に暑い盛りには癒されそうです。

境内が豊かな緑に包まれる7月は、青もみじがつくる葉陰に涼を感じながら、散策するのもいいもの。勅使門の西には、南禅寺十境の一つとしてその美観が讃えられたといわれる「拳龍池」という蓮池があり、今も夏にいくつもの蓮が花を咲かせています。
また、公開塔頭の一つ、天授庵では、桔梗や睡蓮が見ごろに。ここで美しい庭園を眺めながらのんびりくつろぐのもおすすめです。

御朱印のいただき方

南禅寺の御朱印は、あらかじめ紙に書かれたものを貼るタイプで、志納料は1件300円。
方丈庭園の拝観受付でいただくことができます(8時40分~16時40分)。
また、御朱印帳は無地1種(1300円)とオリジナル2種(1600円・1700円)の3種類で、こちらにはすでに御朱印が書かれています。
オリジナルの御朱印帳は、表紙に虎の絵が描かれたものと、水路閣が描かれた南禅院のものがあります。基本の御朱印の文字は「金剛王宝殿」ですが、南禅院の御朱印帳のみ「利益衆生」と書かれています。


疏水が流れる南禅寺境内は、歩いているだけで心地いい場所。寺奥の方丈庭園(500円)では、お抹茶(500円)をいただけます。また、南禅寺周辺は湯豆腐発祥の地といわれるだけあって、参道など近辺には豆腐料理の名店も。お昼ご飯に立ち寄るのもおすすめです。

南禅寺

京都市左京区南禅寺福地町 16
電話番号:075-771-0365
参拝時間:方丈庭園、三門 8時40分 ~ 17時( 12 ~ 2月は 16時30分) ※受付は終了の20分前
     境内自由
拝観料 :方丈庭園500円、 三門500円
http://nanzenji.com/

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コメント
  1. これまでの友は去り、残された我が身は寂しく日々を過ごす、人生の黄昏を迎えるには、未だ先にしたい。隠居の身なれど新しき友との出会いをsnsに求めたい。ようざん

  2. 京のアジサイと御朱印巡り・・・いいですね。
    シニアになってからの友達作りもいいかも!?

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