【正しいお風呂の入り方】お風呂につかる人ほど“要介護リスク減”
お風呂に入る人は、健康長寿につながりやすいという研究がありました。
しかし、冬の入浴は、リスクが高くなります。
気を付けながら、楽しく入浴したいですね。
あなたのお風呂事情、教えてください。
お風呂につかる人ほど“要介護リスク減”

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千葉大学などの研究グループが、「入浴回数が多い人ほど、介護リスクが減少する」という調査結果を発表しました。
入浴が面倒でシャワーで済ませたり、そもそも入浴しなかったり、人によって入浴習慣はさまざまですが、湯船につかることは体にどのような効果があるのでしょうか?
千葉大学・国立長寿医療研究センターの近藤克則教授によると「3割ほど健康長寿につながりやすい」といいます。
全国65歳以上のシニア世代約1万4,000人を3年間追跡した調査によると、夏における入浴頻度が週7回以上の人は週2回以下の人と比べ、要介護認定されるリスクが28%低いことがわかりました。
千葉大学の研究グループはこの結果を受け、入浴する際に行う動作や、温熱刺激が一般的な運動と同様のトレーニング効果をもたらし、それが健康のために役立つ可能性を指摘しています。
前述の近藤教授は「血の巡りがよくなったり、リラックスしたり、いろいろなことがうつ病の予防につながったり、それらが認知機能の低下を防いだり、要介護状態になる確率を下げている」とも。
お風呂につかることで健康につながっているということがわかってきました。
入浴には認知機能の低下防止効果も

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入浴の直接的な効能としては、抱える疾病によって引き起こされる血行不良や関節の炎症など、高齢者が引き起こしやすい症状に対し、体を温めることで改善が見込めることご存知の方も多いはず。
参考過去記事
シニアに人気の「プチ湯治」プラン。関節痛や冷え性に
https://slownet.ne.jp/c/health/post-18314/
このほか、寝付きが悪くなってしまうなどの睡眠不足に対しても、入浴によって血行促進、発汗によって副交感神経が刺激され、安眠効果を得ることができるとされています。
また、食事やレクリエーションと同じように生活の中でお風呂の時間を楽しみにしている人も多いでしょう。
お風呂は生活の中でも貴重なリラックスタイム。
リラックスタイムがあることで、認知機能の低下やうつ病を予防するという側面もあります。
さらに衛生面でも見ていきましょう。
免疫力が低下する高齢者にとって、雑菌が繁殖する老廃物を入浴によって洗い流すことで、床ずれやかぶれなどの炎症を防ぐ効果もあります。
当たり前のように行ってきた入浴。
しかし、高齢者の身体的・精神的なケアとともに、生活の質を高めるという点でもとても重要な行為なのです。
『ウトウト』に要注意!正しいお風呂の入り方

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とはいえ、入浴に危険はつきものです。
金沢医科大学の調査によると、高齢者の入浴頻度は2日に1回以上であるとされていますが、介護の現場の入浴頻度は週2回程度。
本来高齢者にとってメリットの大きな入浴ですが、介護施設などでは入浴介助が介護職員の身体に大きな負担となるため、高い頻度で行えてはいません。
介護業界は人手不足なため、どの施設でも余裕を持った人員配置ができていないのが実情です。
また、毎日の入浴は高齢者の体力を削ってしまう、という側面もあります。
そのため、入浴頻度が下がらざるを得ないのです。
千葉大学の調査では、入浴の伴う転倒事故や急激な温度変化による脳卒中リスクなどもあるため、安易に入浴を勧めることは避けるべきだとしています。
寒いところからいきなり温かいお湯につかることで引き起こす「ヒートショック」や、入浴中についウトウトしてしまい溺死なんかも発生してしまうので、入浴は細心の注意を払わなければなりません。
入浴はメリットも大きいですが、反面事故も多いので注意が必要です。
正しいお風呂の入り方を知った上で、リスクの少ない入浴方法を知っておきましょう。
正しいお風呂の入り方1:時間
お風呂に入るタイミングも、入浴効果を高める上では重要です。
皆さんはいつ入浴していますか?
帰宅後、夕食前、就寝前など人によってタイミングはさまざまですが、オススメの入浴タイミングは就寝の1~2時間前。
夕食が消化され、血糖値が高まると一時的に脳が覚醒状態になります。
この状態ではリラックスできず、睡眠が阻害されてしまう恐れがあります。
そのため、就寝の1~2時間前の入浴がオススメ。
40℃のお湯につかることで、脳の覚醒を沈めてくれます。
正しいお風呂の入り方2:一番風呂は避ける
一番風呂は塩素消毒された水道水をそのまま身体に浴びることになってしまうので、肌の弱い人には向きません。
塩素を除去する必要があります。
塩素を除去するのに最適なのは備長炭。
100円ショップなどでも手に入るようになってきていますよね。
備長炭を1、2本、ネットに入れて湯船に入れることで塩素が除去されます。
備長炭は1本1ヶ月ほど使えるので、ある程度ストックしておいても良さそうです。
正しいお風呂の入り方3:保温系の入浴剤を活用
ドラッグストアなどを見てみても、数多くの種類の入浴剤が並んでいますよね。
さまざまな効果がある入浴剤ですが、オススメは岩塩系の入浴剤。
保温効果を高めてくれ、殺菌効果もあるためです。
ただし、浴槽によっては対応していない可能性もあるので事前にチェックしましょう。
入浴は身体にさまざまな効果をもたらしてくれます。
皆さんの入浴習慣をぜひブログで教えてくださいね。
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投稿は終了いたしました。沢山のご意見ありがとうございました。

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