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今話題の「フレイル」とは。ふくらはぎ細い高齢者はご用心 

「フレイル」という言葉をご存じでしょうか?

健康と要介護の中間の状態を指し、国内で少なくとも250万人があてはまるとも言われています。

なんとなく不調のフレイル(未病)を、漢方で改善しようという動きも。
病院に行くほどではないけど、なんとなく調子が良くない。

そんな時、あなたはどうしていますか?

放っておくと怖い「フレイル」こんな症状は要注意

中学生

画像提供:imagenavi(イメージナビ

冒頭でもお伝えしましたが、健康と要介護状態の中間を「フレイル」と呼びます。

最近では自分自身がフレイルかどうかを確認する「フレイルチェック」が全国に拡大中。
健康イベントやショッピングモールなどで見かけたことがある、という方もいるのではないでしょうか?

フレイルは身体の状態だけでなく、社会との関わりを含む日常生活全般を見つめ直すことで改善することができます。

フレイルは厚生労働省研究班の報告書によると、「加齢とともに心身活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」だと定められています。

そんなフレイルの基準は次の5つ。

  1. 体重減少(ダイエットなどではなく、年間4.5kgまたは5%以上)
  2. 疲れやすい(何をするにも面倒だと週に3、4日感じる)
  3. 歩行速度の低下
  4. 握力の低下
  5. 身体活動量の低下

フレイルは体重減少や筋力低下といった身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的な変化も含まれます。
フレイルになってしまうと、死亡率の上昇身体能力の低下も併発。
老人性うつと誤認されやすいこともあり、とても気をつけなければならない病気なのです。



フレイル状態に陥ってしまうと風邪をひいただけでこじらせ肺炎を発症してしまったり、怠さのために転倒し打撲や骨折をしてしまうことも。

また、入院によって発症することもあります。

入院という環境の変化に対応できず、一時的に認知症状(自分がどこにいるのかわからなくなる)が発言したり、自分の感情をコントロールできなくなる、といった症状も報告されています。

転倒や打撲、骨折といった症状で入院することで、寝たきりになってしまうこともあるので、周囲が注意深く様子を見ておく必要のある病気です。

そんなフレイルを見つけようと全国各地でイベントが開催されています。
このイベントではフレイルの簡易テストが行われるなど、フレイルかも? と少しでも疑問をお持ちの方はぜひ参加されてみてはいかがでしょうか?

簡単フレイルチェック
両手の親指と人差し指でひとつの輪を作り、ふくらはぎを囲む。
このとき、隙間ができてしまう場合は要注意です。

このフレイルチェックを作った東京大学高齢社会総合研究機構の飯島教授は、ふくらはぎが細い人ほどフレイルの度合いが進んでいるといいます。
実際に千葉県柏市で約2000人を対象に実施した調査では隙間ができる人の総死亡リスクが、輪っかでふくらはぎがつかめない人の3.2倍だった、という結果も出ているそう。

これはあくまで簡易テストですが、ふくらはぎが細い人は要注意かもしれません。

筋力や意欲の低下を緩和する「漢方薬」

漢方薬のイメージ

画像提供:imagenavi(イメージナビ

フレイルは研究が進んでおり、漢方薬で改善する例もあるそう。

クラシエホールディングス参加のクラシエ製薬はフレイルの高齢者に漢方薬を処方するための取り組みを進めています。

漢方薬は筋力や意欲の低下を完全には止められません。
しかし、進行を抑制したり、健康状態に戻す効果は期待できるものです。
フレイルに有効な西洋薬は現時点では存在しないため、漢方で進行を遅らせることを提唱。

人参養栄湯はフレイル治療を行う際に最適だとされる漢方薬。
同社が2016年に立ち上げたフレイル漢方薬理研究会で、漢方を専門としない医師にも活用を勧められるよう研究を重ね、成果を広めています。
同時に患者本人にも啓蒙するため、リーフレットやポスターなどで高齢者フレイルの症状についての周知も進めています。

フレイル研究はこれまであまり進んでいませんでしたが、漢方の分野で徐々に効果のある薬が登場し始めています。

もし家族にフレイルを疑う症状が見られた際は、すぐに病院に行くのが良いと言えるでしょう。

気分がふさぎ込む「抑うつ」に効果のある香りも

バラ

画像提供:imagenavi(イメージナビ

バラの主要な香り成分である「フェニルエタノール」に抗うつ効果があることが近年明らかになりました。
フェニルエタノールを吸わせたマウスはストレス環境下でうつのような状態になりにくいことを実験で確認。
このことで精神疾患の新しい薬や治療法の開発につながることが期待されています。

ふさぎ込み、うつのように気分が落ち込みがちなフレイル。

もしかするとバラの香りが落ち込む気分を改善する鍵となるかもしれませんね。

年齢を重ねると平時でもどこかしら調子が悪いところがあるものです。
重くはないけれど、「なんとなく不調」。そんなとき皆さんはどのように対処してらっしゃいますか?
ぜひお教えください。

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