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動脈硬化がわかる?両手両足の血圧を同時に測定する「ABI検査」とは?

動脈硬化の検査には「ABI検査」が用いられています。

「ABI検査」は両手(上腕)両足(足首)の血圧を同時に測る検査。

なぜ血圧を測定するだけで、動脈の状態がわかるのでしょうか?
また「ABI検査」では何を測定するのでしょうか?

今回は動脈硬化がわかる「ABI検査」について、詳しく解説していきます。

「ABI検査」はなぜ血圧を測る?何がわかるの?ABIとPWV

「ABI検査」はなぜ血圧を測る?何がわかるの?ABIとPWV

画像提供:imagenavi(イメージナビ

ABI検査で測定するのは「ABI」と「PWV」。

ABIとは血管のつまり具合のことで、PWVは血管の硬さのこと。
「ABI検査」では、このふたつを測定することで、動脈硬化を調べることが出来ます。

ABI(Ankle Brachial Index)とは

通常、血圧測定をするときは上腕や手首が一般的ですよね。

しかし、ABI検査では「上腕」と「足首」の血圧を同時に測定。

正常時は、足首の血圧のほうが上腕の血圧よりも高くなります。

ところが、動脈硬化が疑われる場合、動脈の内腔が狭くなっていたり、詰まっていたりするため、血流が悪くなりがちに。
すると、血流が悪くなり、足首血圧が上腕血圧よりも低くなるのです。

ABIは、次の式で求めます。

ABI=足首最高血圧÷上腕最高血圧(左右で高い方)

この結果によって、動脈が石灰化しているかどうか、閉塞しているかどうかがわかります。

ABI値の目安
0.9<ABI<1.3 … 正常
ABI<0.9   … 動脈閉塞の疑い有り
ABI<0.8   … 動脈閉塞の可能性が高い
1.3<ABI   … 動脈が石灰化している



PWV(Pulse Wave Velocity)とは

ABI検査でわかるもうひとつのPWVとはどのようなことを示しているのでしょうか?

心臓から押し出された血液の拍動(脈波)は、血管の壁、そして血液を通って末梢まで届きます。

拍動にはある性質があります。

それは血管の壁が硬いほど早く伝わるというもの。

PWVは脈波が動脈を通じて手足まで届く速度のことで、PWVの値が大きければ大きいほど、血管壁が固くなっていることがわかります。

正常な血管であれば、ゴムのように弾力がるため、脈波は血管の壁が吸収してくれます。
ところが、この血管が固くなってしまっていると、脈波が血管に吸収されることなく、ストレートに届くので、PWVを測定することで血管の状況がわかるのです。

一般的にPWVは、血管が正常な人でも年齢とともに増加するもの。
そのため、血管の硬さが年齢に合ったものであるかも重要な判断材料となります。
併せて血管年齢も測定するのが一般的です。

PWV値の目安
1400cm/s未満 … 正常
1400cm/s以上 … 値が高いほど動脈硬化の疑いが強い

値が低ければ低いほど良いのではなく、1200cm/sから1400cm/sの場合は要注意。

ABI検査の手順

ABI検査はたった10分ほどで終わる簡単なものです。

両上腕、両足首の計4ヶ所に血圧計を装着し、手首に心電図電極、そして胸には心音(心臓の音)を拾うマイクを乗せ、測定します。

これだけで動脈の様子がわかるので、定期的に測定したいですね。



自分自身の血管の状況を正しく理解することが動脈硬化予防にとても大切です。

次の項では動脈硬化は一体何が危険なのか? どんな生活習慣だとリスクが高まるのか? について見ていきます。

「動脈硬化」は何が危険? 心筋梗塞、脳梗塞など命に関わる病を招く

「動脈硬化」は何が危険? 心筋梗塞、脳梗塞など命に関わる病を招く

画像提供:imagenavi(イメージナビ

平成29年の死亡数を死因別に見てみると、最も多いのは悪性新生物(ガン)。
次いで2位は心疾患、3位は脳血管疾患、4位は老衰、5位は肺炎、6位は不慮の事故、7位は誤嚥性肺炎、8位は腎不全、9位は自殺、10位は血管性および詳細不明の認知症となっています。

心臓病(心疾患)は日本人の死亡率のなかでも上位である、ということがわかりますよね。

心臓病といってもさまざまありますが、心疾患の大部分を占めるのが虚血性心疾患です。
虚血性心疾患とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈の血流が悪くなり、心筋が酸素不足、そして栄養不足に陥るものを指します。

この虚血性心疾患は大きく分けて「狭心症」と「心筋梗塞」のふたつ。

狭心症は冠動脈が動脈硬化などを起因とし、狭くなり、一時的に心筋の血液が不足した状態を指します。
狭心症の発作が起きてしまうと、胸痛や息切れ、呼吸困難などを引き起こします。
しかし、多くは血流がすぐに回復し、1分から2分ほど、長くとも15分ほどで収まります。

対して心筋梗塞は冠動脈に血栓ができ、冠動脈が詰まってしまうことで心筋へ血液が行かなくなった状態のこと。
胸の激痛は狭心症のように収まることはありません。
心筋への血液が途絶えると、心筋は壊死してしまいます。
壊死の範囲が広がると、心臓の機能が著しく低下し、死に至ることも。
心筋梗塞の主な原因は冠動脈の動脈硬化で、狭くなった血管に血栓ができることで冠動脈を詰まらせてしまいます。



また、日本人の死亡原因3位の脳血管疾患。
脳血管疾患の多くは脳梗塞で、脳梗塞はいったん発病すると、治ったとしても麻痺などの後遺症が残るのが特徴。
脳梗塞は、脳に血液が行き渡らなくなり、血液を得られなかった部分の細胞が壊死してしまう病気。
脳の細胞はほとんど復活しないため、脳梗塞で一度失ってしまった機能を取り戻すのは困難です。
脳梗塞の原因は大きく分けてふたつ。
ひとつは脳血管に起こる動脈硬化、そしてもうひとつは不整脈(心房細動)。

そうです。

いずれも「動脈硬化」が引き起こす疾患なのです。

日本人の死因上位に来る、心疾患、脳血管疾患リスクを低減させるためにも動脈硬化は早めに予防し、防がなければなりません。

ABI検査をしっかりと受けて、早めに自分自身の血管の状況を把握しましょう。

生活習慣や食生活を改善!血糖値や中性脂肪を減らし、健康寿命を伸ばそう

動脈硬化の一番の原因は加齢。
これは避けられないものです。

しかし、生活習慣が動脈硬化を加速させています。

特に男性は要注意。
動脈硬化は女性よりも男性の方が発病率が高いのが特徴です。
また、女性であっても閉経後は男性と変わらず、動脈硬化を引き起こしやすいので注意。

動脈硬化を引き起こす生活習慣は以下のようなもの。

  • 喫煙
  • 肥満
  • メタボリックシンドローム
  • 脂質異常(高脂血症)
  • 糖尿病
  • 高血圧

これらの習慣や症状がある、という方は要注意です。

喫煙している場合は禁煙したほうがよく、肥満気味な場合は普段の食事を見直したり、運動をするなど減量したほうが良いでしょう。

食後の血糖値と血中中性脂肪の上昇を穏やかにする

食後の血糖値と血中中性脂肪の上昇を穏やかにする

画像提供:imagenavi(イメージナビ

もうすでに生活を習慣を見直し、油物の過度な摂取を控えていたり、運動を始めたりしていてもなかなか数値が下がらない、という方も多いはず。

50代の男女に限定すると、血糖値が要注意な人の割合は49.7%、血中中性脂肪値が要留意な人の割合は36.4%と、シニア世代の悩みのタネになっています。

血糖値と血中中性脂肪値には相関性があり、血糖値が上昇することで、体内でインスリンが分泌、結果としてインスリンが余分なブドウ糖を中性脂肪に変換するため、中性脂肪値が上昇するのです。

血糖値、血中中性脂肪値の改善には、血糖値に気をつけた食生活が欠かせません。

体内で糖の吸収を穏やかにするには、難消化性デキストリンが大切。
難消化性デキストリンとは、とうもろこし由来の食物繊維で、これを摂取することで食後の血糖値上昇をおだやかにしてくれます。

動脈硬化はシニア世代にとって悩みのタネ。
加齢によって引き起こしやすいので、自分ではどうしようもないのが特徴です。
しかし、生活習慣を見直すだけで、リスクを低減できるので、日頃の食事、運動などに気を使い、健康寿命を伸ばしましょう!



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