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癌になる確率はどれくらい?男性62%・女性47% 最新統計でわかる癌

厚生労働省は今年1月16日、2016年に新たにガンと診断された患者が99万5,132人だったことを発表。
大腸、胃、肺の順で罹患率が高いことも合わせて発表されました。

今回発表されたのは2016年に施行されたがん登録推進法に基づき、がん患者を診察したすべての病院と都道府県指定の診療所に報告を義務付けた「全国がん登録」に基づいた初の公表データ。

この統計によって生涯でガンに罹患する確率が男性62%、女性47%だということもわかりました。

二人に一人がガンに罹り、ガン患者の三人に一人がガンで死亡する 患者数、年齢など厚生労働省発表のデータを読み解く

二人に一人がガンに罹り、ガン患者の三人に一人がガンで死亡する 患者数、年齢など厚生労働省発表のデータを読み解

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

厚生労働省が公表したデータによると、2016年に新たにガンと診断されたのは99万5,132人(内、男性約56万6,000人、女性約42万8,000人)で、100万人近くもいることがわかりました。

またガンは日本人の死因第1位で、2016年にガンで死亡した人は37万2,986人(内、男性21万9,785人、女性15万3,201人)にものぼるそう。
2016年に日本で死亡した人の数は129万6,000人なので、全死亡者の30%近くがガンによって死亡しています。
このほか、心疾患での死亡は19万3,000人、肺炎が11万4,000人、脳血管疾患10万7,000人なので、ガンでの死亡者がいかに多いかがわかるかと思います。

ガン罹患の部位別で見てみると、大腸、胃、肺、乳房、前立腺の順に多く、男性は「胃、前立腺、大腸、肺、肝臓」の順。
女性は「乳房、大腸、胃、肺、子宮」の順でガン罹患が多くなっています。

近年では男女問わず急増しているのが大腸ガン。
増加の背景に食文化の欧米化が考えられており、今後増々増加することが予想されています。
40歳以降から大腸がんを患う人が増え始め、高齢になるほどリスクが高まるという特徴があります。

一体なぜガンを患ってしまうのでしょうか?
まずはメカニズムを見ていきましょう。

ガン発生のメカニズム

ガンは大腸、肺、肝臓など人体のありとあらゆる部分に発生します。
ガンが発生しない場所はほぼなく、血液や骨、皮膚などにできるガンもあるのです。

ガンの名前は一般的に最初にできた部位の名前をとって、「肝臓がん」「肺がん」「胃がん」「舌がん」とつけられますが、「脳腫瘍」「白血病」のように異なる病名がつけられるものも。
「脳腫瘍」は脳にできるガンのことで、「白血病」は血液のガンを指すのが一般的。
これらはいずれもガンなのです。

ガンが発生するメカニズムは細胞が分裂するときのコピーミス。

人間の身体は60兆個の細胞でできていると言われており、細胞は絶えず分裂することでどんどん新しいものに生まれ変わっていきます。



細胞が分裂する「細胞分裂」は新しいものになっても基本的には前のものを引き継いでコピーされていきます。
細胞の設計図である遺伝子を元にコピーしていくためです。

しかし、発ガン性物質などの影響を受けた場合、遺伝子が突然変異してしまい、「コピーミス」が発生してしまうことがあります。
このコピーミスがガンの「始まり」なのです。

コピーミスをしてしまっても、60兆個ある他の細胞が正常であれば、すぐにガンになるわけではありません。

健康な人でもさまざまな要因で1日5,000個のコピーミスが起きているといわれており、コピーミスをしてしまっても、コピーミスされた細胞は免疫機能によって排除される仕組みとなっています。

しかし、免疫細胞からの攻撃を逃れ、生き残ってしまう細胞も存在。
これが「ガン細胞」なのです。
がん細胞も通常の細胞のように分裂を繰り返すので、次第に増殖し、10年から20年という長い時間をかけ、「ガン」を発症してしまうのです。

がん死亡確率が高い日本 アメリカにおけるがんの特徴とは?

がん死亡確率が高い日本 アメリカにおけるがんの特徴とは?

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現代ではガンを患っても、早期発見さえできれば95%治ると言われていますが、日本はアメリカの1.6倍もの割合でガンで亡くなっています。

この違いは一体どこにあるのでしょうか?

ひとつの大きなポイントは「がんリテラシー」の違いだと言われています。

リテラシーとは「適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」という意味で、日本語の「識字率」と同じ意味で用いられる言葉。
ガンを適切に理解・解釈・分析できる能力・知識のことをさします。

日本人は「がんリテラシー」が低いため、効果の怪しい代替療法や民間療法に走る人が多いのだとか。
早期発見し、早期に標準治療を行えば寛解する可能性も高いガンですが、日本では効果が定かでない民間療法に頼り、悪化し、命を落とす人が多いのだそう。

標準療法とは手術や抗がん剤・放射線治療のことで、いずれも科学低根拠のある治療方法のこと。
代替療法はこれ以外のすべてを指します。

有名人で例を挙げると、すい臓がんで亡くなったアメリカ・アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは、ガン罹患時にいくつか手術を受けたものの、現代医療を拒否し、菜食主義を貫きながら、鍼灸治療、ハーブ療法、光療法などを行ってきたと言われています。
スティーブ・ジョブズのすい臓がんは神経内分泌腫瘍と呼ばれるもので、すい臓がんのなかでは良性に近いもの。
早期に手術さえ受けていれば生きることができたと言われています。

痛みや苦痛からは逃げたくなりますよね。
そんな精神状態の時に「飲むだけでガンが良くなる」「マッサージでガンが良くなる」「塗るだけでガンが消える」のような怪しげな民間療法を勧められたら試してみたくもなります。
しかし、ガンリテラシーが高ければ、こうした治療に意味がないことがわかるでしょう。
痛みから脱げたくなっても、逃げず、きちんとした現代医療を受けるのがガン寛解への近道なのです。

がんの治療

ガンの治療は「手術」「抗がん剤」「放射線治療」が基本。

欧米ではガン患者の6割以上が放射線治療を受けているそうですが、日本では3割以下だそう。
放射線治療は95%が通院による治療で、肺がんなら4回、前立腺がんなら5回の通院でOK。
1回あたりの治療時間は2分程度で、痛みを感じることなく、寝ているだけでよい治療法です。



がんが見つかる部位によって治療法は異なり、白血病や悪性リンパ腫、精巣がんなどは抗がん剤中心で行われます。
抗癌剤治療というとツラいイメージがありますよね。
実際に生きた心地がしない、というほどツラいよう。
しかし、これら不定形のガンは抗癌剤治療が最も効果的なようです。

胃がんや大腸がんといった固形のガンは薬だけでは治らないケースが多いよう。
そのため、手術か放射線治療を行うことになります。

もちろん、がんの大きさや部位によって、治療法はさまざまですが、ひとつの目安として知っておくと良いでしょう。

癌を早期発見するには?定期検診が一番

癌を早期発見するには?定期検診が一番

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ガンは早期発見なら95%治る病気。
だからこそ、早期発見したいものです。

早期発見するには定期的な健診が一番。

大腸や肺は40歳から、胃は50歳からがん検診を受けると良いでしょう。

大腸がんの健診は40歳以上で年に1回程度、便に血液が付着していないかを確認する「便潜血検査」を行います。
大腸にできたガンやポリープは出血しやすく、便が通過する時に粘膜がこすれて血液が付着します。
便潜血検査では、便の血液付着の有無を確認する検査です。

肺がんの検査は40歳以上は年に1回、胸部X線検査を受けましょう。
たばこを吸う人はレントゲン検査に喀痰(かくたん)検査を追加すると良いでしょう。
喀痰検査とはタンを採取して調べる検査。
タバコが原因でなりやすい肺門部のガンの場合、タンにがん細胞が混ざることがあります。
タバコを吸う人は忘れず追加するようにしましょう。

胃がんの検査は50歳以上から2年に1回のバリウム検査または胃内視鏡検査が基本。
バリウム検査だけでも良いのですが、バリウム検査で要精密検査担った場合は内視鏡検査を受けることになるので、あらかじめ内視鏡検査を受けてもOKです。
最近では胃がんの原因となるピロリ菌の感染の有無を調べる胃がんリスク検診(ABC検診)を実施している自治体も増えてきました。
こちらも合わせて受け、感染が見つかった場合は除菌しておくと、胃がんリスクを低減することができるでしょう。



どれだけ気をつけていてもガンになるときはなってしまうもの。
なってしまってから適切な行動ができるよう、最適な手段を常に知っておく必要がありそうですね。

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