塩分の摂りすぎは身体に毒って本当なの?塩分が身体に及ぼす影響や適切な塩分の量などをご紹介
特にお酒をよく飲む人は塩辛いものをつまみにしているケースが多いのではないでしょうか?
塩辛いものとお酒はとても良く合いますよね。
しかし、塩辛いものは当然、塩分が豊富に含まれています。
こうした塩分は高血圧の原因になる、身体に良くない影響を与える、などとして病院では注意されるものの筆頭です。
実際にどのような影響を与えるのか。
また塩分はどのくらいまで摂取して良いのか?
今回はこれら塩分に関する情報をお伝え致します。
塩分を摂りすぎるとどうなる?健康への影響とは?
塩分を取り過ぎると、身体には悪影響。
ということをご存じの方も多いでしょう。
塩分を摂取しすぎると高血圧になるので、高血圧の方は塩分を制限されることも多いですよね。
しかし、健康な人であれば、常識の範囲内での塩分摂取は健康に影響がない、という話も聞きます。
実際、塩分を摂取しすぎるとどのよういな影響が身体にはあるのでしょうか?
そもそも塩とは
塩は食べ物を美味しくさせてくれる素晴らしい調味料です。
近年減塩食品なども数多く登場し、若干敵視されている傾向がありますが、塩は身体を正常に機能させる役割を担っています。
食塩にはナトリウムが含まれていますよね。
このナトリウムは血流と血圧を調整し、神経と筋繊維間のメッセージ伝達を助けてくれています。
さらに食塩には塩化物も含まれており、この塩化物は消化を促しているのです。
そのため、塩を食事で適切な量を摂取しなければなりません。
摂取しすぎるとどうなる?
しかし、塩分を摂取しすぎると身体には良くない影響があるよう。
最近多く販売される加工食品には塩分が大量に含まれていますし、レストランでは塩を大量に使って美味しいものを提供してくれます。
私たちの生活においても、知らぬ知らぬ間に思った以上に多くの塩を食べていることになるのです。
食事でナトリウムを摂取しすぎると、身体は水分をため込もうとします。
血液内の老廃物をフィルターにかける腎臓が電解質の濃度を一定に保とうとするためです。
ここでいう電解質の濃度とはカリウムや水分に対するナトリウムの比率のことですね。
食事に塩分が多く含まれていると、腎臓では体内でより多くの水分を維持しようとします。
その結果、むくみ(手、腕、足、足首など)などの症状が現れることも。
水分量が多いと静脈や動脈を流れる血液の量も増えるので、時間とともに血管が硬くなり、高血圧を引き起こす可能性が出てくるのです。
これが塩分を摂取しすぎると高血圧になる、といわれる原因ですね。
たとえばラーメンを食べて、スープまで飲み干すととても喉が渇きませんか?
これは塩分が多すぎるため、電解質の濃度を一定に保とうとする働きのためですが、ここで水分を取り過ぎるとむくみの原因になります。
むくみを避けようと喉が渇いていても水を飲まなければどうなるのか?
細胞から水分を奪ってしまうため、脱水症状を招いてしまうのです。
日頃ナトリウムを多く摂取している人は、喉の渇きから水分を過剰に求めがち。
水分を多く摂取すると、必然的にトイレも近くなりますよね。
トイレが近くなると排尿するたびにカルシウムが尿から出て行ってしまいます。
カルシウムは骨や歯などを作る重要なミネラル。
トイレに何度も行くとカルシウムが流れ出てしまい、骨が弱くなって骨粗しょう症になることも。
さらに研究段階ではありますが、胃潰瘍、胃の感染症、胃がんの進行を早める可能性も指摘されているそう。
さらに塩分は認知機能にもマイナスの影響を与えるという研究結果もあるそうです。
塩分の摂りすぎは健康を害する、というのは数々の研究で明らかになりつつありますね。
一日に適切な塩分の量とはどのくらい?梅干し、インスタント食品など食品にはどのくらいの量が含まれている?
世界保健機関(WHO)は世界中の人の食塩摂取目標を立てており、1日5グラムとしています。
アメリカでは心血管疾患予防のため、塩分の最大摂取量が1日3.8グラムから6.0グラムとしているそう。
日本は世界と比べても特に塩分摂取量が多いとされており、厚生労働省が2014年3月に発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書によると、18歳以上の男性は1日あたり8.0グラム未満、18歳以上の女性は1日あたり7.0グラム未満という目標量が定められています。
また、日本高血圧学会減塩委員会では高血圧予防のため、1日6グラム未満という制限を推奨しています。
では、実際に日本人はどのくらいの塩分を摂取しているのでしょうか?
2012年時点で日本の成人1日あたりの食塩平均摂取量は男性11.3グラム、女性9.6グラムと発表されています。
こうしてみてみるととても多いですよね。
平成26年国民健康・栄養調査報告 厚生労働省第91によると、年齢別1日の食塩摂取量は男女ともに60代が最多。
最も少ないのが30代となっており、50代以降はいずれも塩分摂取量が多い傾向にあります。
特に高齢者の場合、1日6.0グラムが目安だとされているので、65歳以上の方の場合、塩分摂取を見直してみた方が良いかも知れません。
実際に食塩を敵視しがちですが、先ほどもご紹介した通り、「ナトリウム」が悪さしがち。
ナトリウム量(ミリグラム)は以下の計算式で求められます。
ナトリウム量(ミリグラム)×2.54÷1000=食塩相当量(グラム)
念のため、この計算式は覚えておいた方が良さそうですね。
普段食べている食品にはどのくらい含まれている?
さて、では食品のパッケージを見てみると、栄養素がどのくらい含まれているのか記載されている場合が多いでしょう。
インスタントラーメンを見てみると、1食あたりナトリウム2.1グラム、食塩相当量5.3グラムという表示がある場合も。
インスタントカップスープにはナトリウムが638ミリグラム、食塩相当量1.6グラム。
海苔の佃煮10グラムにはナトリウム270ミリグラム、食塩相当量0.7グラム。
梅干し1粒にはナトリウム870ミリグラム、食塩相当量2.21グラムです。
こうしてみてみると、思いのほか多くのナトリウムが含まれていますよね。
厚生労働省が設定しているのは「食塩」の摂取目標量。
つまり、梅干し1粒食べるだけで、かなり目標量に近づく、ということですね。
一日の塩分量を計算する「塩分計」を使おう!
年始は意外と塩分多いものが多いです。健康管理に塩分計をおすすめします(=゚ω゚)ノhttps://t.co/vpg7pKVtrT pic.twitter.com/NIx0PT2fCf
— 株式会社タニタ (@TANITAofficial) January 1, 2016
とはいえ、食事のたびに計算するのはとても面倒。
すぐに自分の食事にどのくらいの塩分が使われているのかを知る方法はないのでしょうか?
もっとも手軽に知れるのが「塩分計」です。
体温計のような形状で、食事に差し込み、スイッチを押すだけでその食事に含まれている塩分を知ることができます。
正確に計るには全体重量を量ったりする必要がありますが、自分が食べている食品の塩分量を知る目安としてはとても便利に使うことが可能です。
価格は3,000円〜5,000円程度で購入可能なのでとても手頃ですよね。
これひとつあるだけで、特に自炊の塩分を見直すことができるので、ぜひキッチンにひとつ導入してみてはいかがでしょうか?
非常に安いものも販売されていますが、精度が甘いことも多いので、ある程度の価格のものから選ぶのが良さそうですね。
塩分があることで食事はとても美味しくなります。
しかし高齢者の場合、若い頃よりも腎臓が弱っているのでナトリウムを過剰摂取すると健康を害する可能性が高くなります。
今よりも塩分を少し控えた生活が、元気で長生きのポイントといえるかもしれないですね。
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