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冬は鬱になりやすい!寒さとともになんとなく落ち込んだ気分になる方は必読!

寒くなると、原因が分からず気分が沈んだり、とてつもなく眠かったり、甘いものが食べたくなったりしませんか?
冬だし、太陽があまり出ないから仕方ないかな? と思わなくもありませんが、実は原因があるのです。

冬に気分が落ち込むのは「季節性うつ」かもしれません。
本日は冬の鬱対策についてご紹介します。

寒くなる時期はなぜ、気分や憂鬱になる?

寒くなる時期はなぜ、気分や憂鬱になる?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

1984年、精神科医のローゼンタールらが「冬季うつ病」をはじめて報告しました。
秋から冬にかけてうつ病のような症状が発現し、春先によくなるというサイクルを繰り返すのが特徴です。
病気の発症時期と季節に関連があるというのが特徴で、直接の原因や生活の変化がないため、うつの原因を特定するのが難しいといわれています。

冬場にうつ症状が現れることについてはかなり研究が進められており、有病率は欧米で1パーセントから10パーセントといわれています。
日本で調査を行ったときは2.1パーセントが冬のうつ病が疑われると報告されました。

発症する年齢は20代前半が多く、特に女性が多いのが特徴です。
また、緯度、年齢、性別によって有病率に差があって、高緯度地方のほうが有病率が高いそう。
さらに気象条件にも影響されやすく、白夜が存在する高緯度地域では有病率が非常に高くなっています。

実際にアメリカ南部のフロリダ州の有病率は約1パーセントでしたが、アラスカ州ではなんと約10パーセントの人が季節性うつ病を抱えているのだとか。
関西医科大学の木下教授は、日本でも九州や近畿に少なく、東北や北陸の日本海側に多いとみられると話しています。
北海道や秋田では3パーセントからⅣパーセント台と高く、大阪・名古屋は1パーセント未満という結果が出ているので、北に住んでいる人ほど注意が必要です。

季節によってうつ症状が現れる季節性感情障害(SAD)は「再発性うつ病」と躁状態を間に挟む、増悪を繰り返す「双極性障害」の2種類があります。
双極性障害にはさらにうつ状態と躁状態が同じ程度の「双極Ⅰ型障害」と、躁状態が小さい「双極Ⅱ型障害」に分けられ、双極Ⅱ型障害の方が患者数が多いと考えられています。

冬になる時期は特に注意を!

冬になる時期は特に注意を!

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

季節性うつともいわれる「冬季うつ病」。
特定の季節だけ気分が落ち込んだり、疲れやすくなったり、やる気が起きなくなる病気というのはここまでお伝えしてきた通り。
夏場にこうした症状が起きる「夏季うつ病」はあまり症例が多くなく、冬場にうつ状態に陥る人が多いのが特徴です。

冬季うつ病は10月から12月に症状が出ますが、春になると症状が治まることからなかなか病気だと気がつきにくく、本人は非常にツラいのにも関わらず、我慢してしまったり、放置してしまい症状が悪化するパターンも多いようです。

冬季うつ病は、通常のうつ病とほぼ同じ症状ですが、うつ病で一般的に見られる不眠、食欲低下、体重減少とは反対に、過眠、過食、体重増加といった症状が現れるのが特徴です。

冬季うつ病チェック

  • 倦怠感が常にある
  • 気力が低下した
  • 1日10時間以上の過眠(寝ても寝ても眠い)
  • 炭水化物や甘いものを欲する過食
  • 体重増加

こうした症状が冬場に現れる方は「冬季うつ病」かもしれません。

冬になると体温を上げるため、炭水化物や甘いものを欲する人が増えます。
これ自体は生理的に起こるもので仕方の無いことです。
冬季うつ病の場合は、これらが異常に発生し、日常生活に支障をきたしてしまいます。

もしも冬季うつ病が疑われる場合は精神科、心療内科、神経科といった専門医院を受診しましょう。

日照不足が原因

冬のうつ病は日照不足が原因だと考えられています。
人間は明るい太陽光を浴びると体内時計をリセットするようにできています。
しかし、冬場は日照時間が短いため、なかなか太陽光を長時間浴びることができません。

それによってうつ病のような症状が発現してしまう、というのです。

季節性鬱を予防・対策・治療は?薬で治る?太陽光を浴びるのは大事?

季節性鬱を予防・対策・治療は?薬で治る?太陽光を浴びるのは大事?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

季節性うつ病の予防や治療に有効なのが日光を浴びること。
午前中にきちんと起床し、太陽の光を浴びるような規則正しい生活を送ることで改善します。
夜が長くなる秋から冬こそ日光を浴びることを意識しましょう。

日光を浴びるとセロトニンが作られます。
セロトニンは脳から分泌されるメラトニンの原料になります。
太陽光が少ない冬はセロトニンが減少し、メラトニンが充分生成されません。

メラトニンは季節のリズム、睡眠・覚醒のリズム、ホルモン分泌リズムといった体内時計を調整する作用があります。
メラトニンが不足すると体内時計が調整できなくなり、身体の調子が悪くなるのです。

季節性うつ病対策に有効な3つの方法

ひとつめは運動です。
ウォーキング程度の軽い運動でもいいので、身体を動かすことを習慣化すると心身ともに良い影響があります。
運動を行うとドーパミンが分泌されるので、気分が落ち込んでいたり、イライラしているときなど改善されるでしょう。
できれば日光の下で、軽く息が上がる程度のスピードで早歩きすると効果抜群で、活動的な気分にもなれます。
毎日決まった時間に運動するという習慣を身につけるだけでも、体内時計が整いやすくなるので、ぜひ取り入れてみましょう。

ふたつめは食事。
セロトニン不足は脳の働きに不調が起きてしまいます。
セロトニン分泌を助ける食事を摂ることで、セロトニンを生成しやすくできるでしょう。
セロトニン生成にはタンパク質、ビタミン、ミネラルが重要です。
肉、魚、大豆には必須アミノ酸「トリプトファン」が含まれているので、これらを積極的に摂取しましょう。

三つ目は部屋を明るくすること。
太陽光に多く当たると症状が改善される「季節性うつ」。
とはいえ、冬は日照時間が短くなるので、思いっきり太陽の下にいられる時間も限られています。
そこでオススメなのが、自宅の照明などを明るいものに切り替え、明るい場所にいられるよう工夫することです。
実際に季節性うつ病の治療には「高照度光療法」が用いられることが多いので、太陽の下にいるような環境を自宅内に作り出しましょう。

通院時の季節性うつ病の治療

冬季うつ病の治療には光療法が効果的ということがわかっています。
2,500ルクス以上の強い光を毎朝数時間浴びることで改善するといわれています。

一般的な住宅の室内は100ルクスから1,000ルクス程度。
メラトニンは150ルクス程度になると分泌が高まるので、光を浴びることで自然と目が覚めるようになるでしょう。

体内時計をリセットするためには2,500ルクス以上の光を浴びるとよいといわれています。
太陽光は一般的に50,000ルクスから100,000ルクスといわれ、曇りであっても屋外なら10,000ルクス程度の明るさがあるといわれています。
なので、朝起きたらすぐにカーテンを開けて、部屋に太陽光を取り込むことを習慣化するのがよいでしょう。

太陽光は植物はもちろん、人間にとっても非常に有効なもの。
なんとなく気分が優れないからカーテンを開けず、日光を浴びない生活を続けていると心身ともにすり減って行ってしまいます。
こうした生活を過ごしている人は、冬場で無くても冬季うつ病を引き起こすリスクを孕んでいるので、午前中に1度は外に出て思いっきり太陽の光を浴びましょう。

コメント
  1. 大変参考になりました。

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