自分自身を客観的に見る「メタ認知」はとても重要!ストレスから解放されるその理由とは?
みなさんは「メタ認知」という言葉を聞いたことがありますか?
最近、社会に出て仕事をするうえでとても重要な項目だ、ということで話題になっています。
このメタ認知は社会人だけでなく、すでに定年退職したシニア世代にとっても重要な認知機能。
どのような機能なのでしょうか?
本日は「メタ認知」についてご紹介します。
メタ認知とは?意味や機能って?
奈良教育大学のホームページにメタ認知の概要が書かれています。
メタ認知の「メタ」とは「高次の」という意味です。つまり、認知(知覚、記憶、学習、言語、思考など)することを、より高い視点から認知するということです。メタ認知は、何かを実行している自分に頭の中で働く「もう一人の自分」と言われたり、認知についての認知といわれることがあります。
メタ認知機能とは簡単にいうと自分を客観視する能力のことです。
メタ認知能力が高い人は、コミュニケーションをとるのが得意だったり、仕事の進行や目標を定めたりする能力に優れていることがわかっています。
子どもの例で見てみると、子どもの学力不振には2種類あるといわれています。
「認知的原因」と「メタ認知的原因」があるのです。
算数や数学で見てみると、「認知的原因」は図が書けなかったり、式が書けなかったり、計算ができなかったりといった問題解決が直接的にうまくできない場合。
「メタ認知的原因」は計算はできても問題が解決できなかったりする間接的な頭の働きが影響している場合です。
メタ認知的原因を抱えている場合は、メタ認知的な支援が非常に重要になるといわれています。
メタ認知が弱い人は、うっかりミスを繰り返してしまう傾向にあります。
これは年齢を問わずそういった傾向にあるようです。
うっかりミスを防ぐためには、自分自身で気をつけたり、ミスをしていないかを意識することが重要です。
肯定的メタ認知と否定的メタ認知
メタ認知の「メタ」は「高次の」という意味。
知覚、記憶、学習、言語、思考などをすることをより高いところから認知する、という意味になります。
メタ認知は何を実行している自分を俯瞰してみている「もうひとりの自分」といわれたり、認知についての認知なんていわれたりします。
メタ認知には2種類あり、それが「肯定的メタ認知」と「否定的メタ認知」です。
「肯定的メタ認知」はもうひとりの自分の働きを考えるとき、そのメタ認知が問題解決や学習に有効に働きます。
一方で「否定的メタ認知」はメタ認知的知識が学習することを阻害してしまい、「勉強嫌い」になってしまうのです。
こうした働きがあることから、うっかりミスを防いだり、効率的に学習するには「肯定的なメタ認知」をうまく働かせなければなりません。
メタ認知能力が高い人・低い人
かなり難しい話になってしまいましたが、メタ認知能力の高い人、低い人の特徴を見て、実際に自分はメタ認知能力が高いのか、低いのかを知っておきましょう。
メタ認知能力が高い人は前述の通り、コミュニケーション能力に秀でているのが特徴。
たとえば夫婦げんかをしたとき、互いに腹を立て、相手のマイナス面ばかりに目が行ってしまうものです。
しかし、メタ認知能力が高い人は、腹を立てるだけでなく、なぜ相手が怒ったのか、自分に非はなかったのか、ということを考えます。
これは自分を客観的に見られている、という証拠でもありますよね。
どんな状況であっても、自分だけでなく、全体の状況を把握することで、同じ失敗を繰り返さないようにする思考回路が出来上がっています。
こうした思考回路を持っている人は、人間関係の構築がうまい人や仕事ができる人に多いのです。
一方でメタ認知能力が低い人は、相手の状況を鑑みず、自分の希望を通そうとしてしまいます。
例えば家族で食事に行ったとき、ほかの家族が食べたいものを聞かずに自分が食べたいからと食べたい店に行ってしまう、という感じに。
自分のしたいことをついつい優先してしまうのが「メタ認知能力の低い人」です。
始終こんな様子で、こういったことを繰り返してしまうため、周りからは「空気を読めない人」と思われがち。
それぞれ分野によっては得意不得意があるでしょう。
しかし、メタ認知能力を伸ばしておくことで、無用な争いを避けることができます。
ぜひメタ認知能力トレーニングを行い、うっかりミスを防ぐだけでなく、トラブルを予防しましょう。
メタ認知でストレスから解消でき、ものごとを落ち着いて考えることが出来る!能力を高めるメタ認知
前述の通り、メタ認知能力が高い人はトラブルが起こったとき、腹を立てるより前になぜそういった自体が起きてしまったのかを考えられます。
たとえば仕事をしているとき、苦手な人のひとりやふたり必ずいますよね。
苦手な人がいない、という人はよっぽどの聖人でない限り、多かれ少なかれいるものです。
人間の悩みはさまざまありますが、人間関係の悩みというのは多くの人が抱えた経験があるのではないでしょうか?
たとえば職場に一言嫌みを言わないと話し始められない人がいたとします。
嫌みを言われると、「イラッ」としますよね。
しかし、社会を俯瞰したとき、「必ずこういう人がいる」ということが理解できれば自然と怒りは引いていくものです。
感情は主観でしかありません。
そこに他人が加わることで怒りが生まれます。
自分と相手の2軸でしか考えられないと、ついつい怒りが湧いてしまいますが、社会という軸を足すとより俯瞰的に全体を見ることができ、不思議なことに怒りが引いていくのです。
たとえば夫婦げんかをしたとします。
その愚痴を友人に話すと、「そんなのよくあること」といわれたりしたことはありませんか?
自分にとっては今、自分に起きている問題ですが他人から見るとどこにでもある問題だったりするのです。
人間は自分だけが特殊だと思いがちな生き物。
しかし、社会という大きなフィールドで考えると、同じ悩みを抱え、同じように考えている人は大勢いるのです。
こういう構造を理解できるとメタ認知はかなり進みます。
このように一歩引いた目線で自分を見てあげると、無用なストレスからも解放されます。
ぜひ、一度立ち止まって自分を俯瞰してみる癖をつけてみましょう。
メタ認知を鍛えるトレーニング方法とは?
では、こうしたメタ認知能力を鍛えるにはどのような方法があるのでしょうか?
ひとつめは「メンタライゼーション」。
メタ認知が低く、自分がどのように考えているか、どのように感じているのか、というのを今まで意識したことがない人はこちらから試しましょう。
1990年代にイギリスの精神分析家・フォーナギーが提唱した概念です。
「自分はなにがしないのか」「自分に最適な仕事とは」「自分はどんなときに充実感を感じるのか」といった自分について深く考えることが基本。
メタ認知を鍛える上で非常に重要な概念なので、ふと思いついたときに考えてみましょう。
ふたつめはマインドフルネス療法です。
マインドフルネスは現在の事象に対し、好き・嫌いなどの判断はせず、観察して放っておくこと。
「流れに漂う葉っぱのエクササイズ」が有名ですね。
自分の思考が浮かんでは消えることを観察するエクササイズです。
自分にどのような考えが浮かんでいるかに意識を向け、流れて消えていくのを感じることでメタ認知が活性化されていきます。
川の流れをイメージして、葉っぱに思考や絵を載せます、その後流れをイメージし続けるというエクササイズになります。
参考
メタ認知能力トレーニング!「マインドフルネス療法」③
https://www.direct-commu.com/chie/mental/%ef%bd%8detacognition03/
三つ目はメタ認知をアップする方法。
メタ認知ができないことが原因でイライラしてしまいがちな人は、他責にしがち。
つまり、すべて他人が悪いと思いがちなのです。
うまくいかないことも生きていれば多いですよね。
すべて他人が原因でしょうか?
メタ認知能力が低い人は原因を他人に求めてしまいます。
他責思考は自覚しにくい思考なので、自分はそうでないと思っていても実は他責思考になっているかもしれません。
しかし、メタ認知を鍛えることで改善が期待できます。
こうした極端な思考を柔軟にするときに活用できるのが「認知療法」となります。
認知療法は自分の受け止め方の癖や信念などにスポットをあてて、根本を変えることで対処能力を上げていく療法のこと。
他責思考になってしまいがち、という人は認知療法を学ぶとメタ認知をトレーニングできます。
今回は非常に難しい精神の話題でした。
メタ認知は近年非常に注目されています。
常に俯瞰して自分自分を見るクセをつけていくことで、メタ認知は大きく向上します。
ぜひ日頃から意識してトレーニングしてみてくださいね。
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