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たまに聞く「突然死」のニュース、どんな場合に突然死になるの?なる可能性は?冬は特に注意を

冬になると「突然死」のニュースが増えますよね。
原因はさまざまですが、高齢になればなるほど突然死のリスクは高くなります。

健康だった人が急に亡くなると、その悲しみは計り知れないもの。

一体なぜ突然死は起きてしまうのでしょうか?
予防方法はあるのでしょうか?

本日は突然死についてご紹介します。

突然死とは?

突然死とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

公益財団法人日本心臓財団は1999年に突然死にまつわる文章を発表しています。
この論文は日本循環器学会 教育研修委員会が企画し、慶應義塾大学医学部内科教授である小川聡さんが監修を行っています。

参考

突然死とは?(1999年発行)
https://www.jhf.or.jp/heartnews/hn21/hn21.pdf

この資料によると、突然死とは「予期していない突然の病死」と定義しています。
急死とも表現され、発祥から死亡まで24時間以内という医学的定義がされているそうです。

突然死の原因は急性心筋梗塞、狭心症、不整脈、心筋疾患、弁膜症、心不全などの心臓病を起因とするものが6割以上でもっとも多く、このほか脳血管障害や消化器疾患なども多いそうです。

突然死のなかでも特に心臓病に原因するものを「心臓突然死」といいます。
急性症状が起こってから1時間以内に死亡するため、突然死ではなく「瞬間死」と呼ぶことも。
心臓突然死は年間約5万人にものぼるといわれ、もっとも多いのが急性心筋梗塞です。

心臓が停止する直接の原因は、心室細動(不整脈)が大部分。
心筋梗塞を見てみると、心臓に栄養と酸素を送る冠動脈に動脈硬化が進行し、血管の内腔が狭くなり、そこに血栓ができて詰まると、先の血流が途絶え、心筋が壊死してしまいます。
こうした事態が発生してから30分から1時間で心室細動が起こるのです。

心室細動では、心室筋が協調した動きができなくなり、心臓はポンプとしての機能を失ってしまいます。
そのため、脳に血液を送ることができなくなり、死に至るのです。

こうしてみてみると、動脈硬化が主原因であることがわかりますよね。
たびたびSlownetでもご紹介してきていますが、動脈硬化は生活習慣病です。

食生活、運動不足、睡眠不足などが重なると起こってしまうもの。
動脈硬化の危険因子である高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、運動不足、喫煙、ストレスはどれだけ多くの危険因子を抱えているかが重要で、多くの因子を持っている人ほど発症する割合が高くなるのが特徴です。
定期的に健康診断を受けて、危険因子を常にチェックしておくことが動脈硬化、ひいては突然死を予防することにもつながります。
もしも異常が見つかったときは医師の指示を仰ぎ、病状が進行しないよう気をつけて生活を送りましょう。

運良く、狭心症の段階で見つかれば狭くなった血管を広げる治療を選択可能。
血管を広げておけば突然死のリスクはかなり低くなります。
とはいえ、痛みといった前兆がないタイプを発見することはなかなか困難で、こうしたタイプはストレスが原因になるといわれています。

阪神淡路大震災や湾岸戦争、ロサンゼルス地震では心臓突然死が急増したこともわかっています。
精神的なストレスにより、動脈硬化が急速に進み、突然死してしまうのです。
なるべくストレスを受けないような生活を心がけることが非常に重要だといえますね。

突然死はいつ起こる?

冬場は風呂場と脱衣所の温度差から突然死する「ヒートショック」が話題になりがちです。
突然死してしまうケースとしてもっとも多いのはどのようなシーンなのでしょうか?

平成6年度の厚生省の突然死に関する研究では、就寝中がもっとも多いことがわかっています。
次いで入浴中、休養中・休憩中、排便中となりました。
さらに時間帯もわかっており、心筋梗塞発作は朝方にピークがあることもわかっています。

心筋梗塞発作は通常、激しい痛みをともなうもの。
心筋梗塞の発症は前兆として狭心症の発作を繰り返すタイプと前兆なくいきなり発作を起こすタイプがあります。
心筋梗塞の多くは狭心症を起こさない程度の軽い動脈硬化がストレスなどが引き金となり、突然破裂したりすることで発症。
このほか、突然血管が裂けたり、傷ついた血管に血栓が詰まることも原因となります。

いずれの場合も原因は動脈硬化です。
まずは動脈硬化を防ぐ生活を心がけることが非常に重要といえるでしょう。

突然死は遺伝する?

若年〜中年に多い突然死の原因は「遺伝性不整脈」といわれています。

この場合は心臓の血管や心筋に異常はなく、本当にある日突然不整脈を起こし亡くなってしまうのです。

遺伝性不整脈には「先天性QT延長症候群」「ブルガダ症候群」「カテコラミン誘発多形性心室頻拍」などがあります。
いずれも、心筋細胞のイオンの流れに関係する遺伝子の変異によって発症します。

もしも不安な方は事前に調べておいた方が良さそうですね。

なぜ冬は突然死が起きやすい?

なぜ冬は突然死が起きやすい?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

さて、突然死の原因を見てきましたが、ここまで見てくると冬になぜ突然死が起こりやすいかわかってきますよね。

寒い冬はできるだけ熱が体外に逃げないよう、血管が収縮します。
これによって本来なら詰まらなかったはずの血管が詰まってしまうのです。
身体はしっかりと温めておくことが突然死を防ぐことにつながりそうです。

年間1万5000人以上が死亡する「風呂」

また、風呂はリスクの高い場所として知られています。

熱い風呂に浸かる習慣のある方は特に注意。
熱い風呂は血圧を急激に上げて、脳や心臓の障害を起こしやすくしてしまいます。
熱い風呂に長く浸かるのが好きだという方は、めまいや失神を引き起こしてしまうかもしれません。
溺れたり、転んだりする事故につながる恐れもあるので要注意です。

また、熱い風呂から寒い脱衣所に移動すると起こるのが「ヒートショック」。
大きな温度差は交感神経を強く刺激してしまうため、血圧が一気に上がり、脳や心臓の障害を招きやすくなるのです。
ヒートショックを防ぐためには脱衣所にヒーターを置く、浴室は風呂場に移動する前に少しシャワーを出して温めておく、といった工夫が有効。

また、入浴前には必ずかけ湯を行いましょう。
かけ湯は肩からいくのではなく、足からゆっくり身体の上に上がるような順番でかけていきましょう。
いきなりザブンと湯船に浸かるのではなく、身体を徐々に温め、血圧の急上昇を防ぎましょう。

もしも風呂に入るときは39度から40度くらいのぬるめのお湯がおすすめ。
長風呂派の方は身体に水圧のかかりにくい半身浴がオススメです。
肩までお湯に浸かり、長風呂すると水圧で身体が疲れてしまいます。
せっかく疲れが癒えるお風呂なので、入り方にも工夫しましょう。

突然死を予防するためには

突然死を予防するためには

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

突然死を防ぐには、心筋梗塞にならない生活を心がけましょう。

塩分はなるべく控え、動物性脂肪を避け、炭水化物の大量摂取をやめ、魚を多く食べると良いでしょう。
このほか、野菜もしっかりと食べて、海藻類からミネラル分も補給するとなおよし。

また、軽く息が上がるくらいの運動を生活のなかに取り入れたり、なるべく階段で上下の移動を行ったりするのもオススメ。
運動の習慣がないのにいきなり運動を始めるのは危険です。
まずは日常生活のなかに運動するポイントを取り入れるようにしましょう。

いずれにしてもバランスの良い食事と適度な運動が健康への近道です。
現在健康な方ももしかすると血栓があるかもしれません。
寒さで血管が収縮すると血管が詰まることも考えられます。
ぜひ健康的な生活に切り替えていきましょう。

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