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認知能力を高めるのに良い「コグニサイズ」は聞いたことありますか?コツコツ続けることで認知症予防になるかも!

認知症を予防するためには結局なにが有効なのでしょうか?

認知症に関しては日夜研究が進められており、現在のところ「これをやっておけばならない」というものはありません。
「これをしておいた方が認知症リスクを低減できる、できそうだ」といったものばかりです。

とはいえ、ある程度わかってはきており、「運動」「食事」「社会」という3つのポイントを押さえておくことが認知症予防には良さそうだ、ということはわかってきています。

今回は認知症予防に有効なエクササイズをご紹介いたします。

アルツハイマー型認知症予防に効果的なのは脳トレだけではない!

アルツハイマー型認知症予防に効果的なのは脳トレだけではない!

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

認知症はメタボ(=メタボリックシンドローム)との関わりが深いことはご存じですか?
高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病といったメタボリックシンドロームは、脳血管性認知症発症の原因となるのはもちろん、アルツハイマー型認知症の原因にもなりうると考えられています。

実際に65歳以上のアメリカ一般住民1,138人を対象とした研究(Luchsinger JA,et al: Aggregation of vascular risk factors and risk of incident Alzheimer disease. Neurology,2005; 65: 545-551)によると、高血圧・糖尿病・心疾患・喫煙という4つの要素とアルツハイマー型認知症の関係を調査。
結果、これらの習慣が多い人ほどアルツハイマー型認知症の発症数は増加し、3つ満たしている場合、どの要素も持っていない人と比較すると3倍以上アルツハイマー型認知症のリスクが高いそうです。

このなかで簡単に辞められるのは喫煙なので、これに関しては禁煙すればクリアできますが、あとの要素はメタボリックシンドロームと深い関わりがあります。
つまり、メタボリックシンドロームを解消することは認知症発症リスク低減に有効である、ということがわかりますよね。

実際に運動とメタボリックシンドロームとの関わりを調べた研究は多く、多くの論文で運動は認知機能低下および認知症発症に対し、有効な防御手段であることがわかっています。

運動と認知症

1990年代から大規模な認知症研究が多く進められました。
その結果、運動と認知症との関わりがより明らかになったのです。

1日に歩く距離別に7年間の認知症発症率を比較した研究では、「400メートル」歩く人、「3.2キロメートル」歩く人を比較すると、1日に400メートル歩く人は認知症発症リスクが2倍も高かったそうです。

このほか、日本人を対象とした研究も行われています。
九州大学は福岡県糟屋郡久山町をモデル地域として、1960年代から高齢者の健康を調査。
800人以上の高齢者を17年間調査しました。
運動習慣がなく週1回未満の人の認知症発症率を1とすると、「週1回以上」の運動を行う人は40パーセントほどアルツハイマー型認知症発症のリスクが低減することがわかりました。

このほか、ジョギングや体操を「運動」として意識して取り組むのはもちろん、家事やちょっとした移動も「運動」と捉えた「一日の総活動量」が多い人と少ない人の認知症発症率を調査した研究もあります。
この研究では5年間追跡。
活動量が多い人・少ない人の認知症発症率の差は年々大きくなっていき、5年後には2.3倍もの開きがあるそうです。

「運動」というとスポーツを思い浮かべがちですが、ウォーキング、ジョギング、家事だって立派な運動。
駅でエスカレーターを使わず階段を使うのも運動です。
少々面倒に感じるかもしれませんが、一日のなかで細かく動くことを習慣化することが認知症リスクを低減させるポイントだといえそうですね。

アミロイドβ・τたんぱく

認知症発症の原因となるのは「アミロイドβ」や「τたんぱく」。
これらの物質は毒で、脳に溜まることで認知症が発症します。

アミロイドβ・τたんぱく共に誰の脳にも発生するものですが、アミロイドβは通常脳には留まらず、τたんぱくも必要以上に発生することはありません。

運動習慣がない人の脳はアミロイドβが排出されにくかったり、τたんぱくが必要以上に発生していることがわかっています。
運動習慣がある人はなぜこれらが排出されたり、発生しにくかったりするのかということはわかっていませんが、運動によって血流が促進され、老廃物が排出されやすい身体になるのではないか? と考える学者もいるよう。

いずれにしても運動を取り入れることで認知症の発症リスクを低減できるので、ぜひ日常に「運動」を取り入れていきましょう。

簡単にできる「コグニサイズ」とは?

簡単にできる「コグニサイズ」とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

とはいえ、現在運動習慣がない人にとって、新たに運動を生活に取り入れるのはとてもしんどいもの。
そこでおすすめなのが簡単にできる「コグニサイズ」です。

コグニサイズは認知症予防運動プログラム。
国立長寿医療研究センターが開発した運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせたもので、英語の「Cognition(=認知)」と「Exercise(=運動)」を組み合わせた造語です。

Cognitionは脳に負担をかける認知課題、Exerciseは運動が該当します。
運動の種類によってコグニステップ、コグニダンス、コグニウォーキング、コグニバイクといった類似語があるそうで、これらを総称してコグニサイズと呼んでいます。

と、なかなか難しそうな運動ですが、簡単に言うと「身体を動かしながら計算やしりとりを行う」というものになります。
これならできそうな気がしませんか?

コグニステップ

さまざまな運動があるコグニサイズですが、もっともベーシックなのがコグニステップです。
ここからはコグニステップをご紹介します。

まずは認知トレーニングから。

両足で立って1から順に数を数え、3の倍数で手を叩きます。

次にエクササイズ課題は両足で立った状態でスタート。
「右足右へ→右足戻す→左足左へ→左足戻す」という動作をリズム良く繰り返していきます。

1動作につき1を数えるイメージで行っていきます。

右足右へ(1)→右足戻す(2)…
といった具合ですね。
文字で見ると簡単そうですが、動作は4なのに対して手を叩くのは3というのが難しいところ。
手と足を決まったパターンで動かせないため、意外と混乱してしまいます。

はじめはぎこちなく、難しく感じますがこのサイクルを1日10分程度行ってみましょう。
次第に慣れてくると次は5の倍数で手を叩く、3の倍数と3がつく数字で手を叩くなどいろいろ工夫してみると飽きません。

「きくち体操」も認知症予防でおすすめ!

このほか、認知症予防に有効な運動としては「きくち体操」が挙げられます。
2019年12月10日、「徹子の部屋」(テレビ朝日)に出演したことで再び話題になりましたよね。

きくち体操は非常にシンプルな運動。
脳と密接に関わる手を意識しながら動かすと、思いのほかさまざまな筋肉を使っていることに気がつきます。
これらは背中、おしりといった部位とも接続されています。
そのため、お尻を意識して指を動かすと、同時に多くの筋肉が動くことになり、脳に大きな刺激を与えられるというのです。

きくち体操に関しては実際の映像などを見ながら同じ動作をさせた方がわかりやすいです。
さまざまな書籍が販売されているので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?

参考

きくち体操
https://kikuchi-taisou.com/

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