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体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第6回 長夏の養生について  

長夏の養生について

 このお話を見ていただいている今は、じつは立秋(今年は8月8日)を過ぎていて秋の話をしなければならないのですが、今年は梅雨が長く、湿のため胃腸を痛めている方も多いのではと思われますので、土用のころの養生について考えましょう。
 長夏(ちょうか)(※1)を代表する言葉は湿(しつ)です。湿は六淫(ろくいん)(※2)の一つで陰邪(いんじゃ)に属します。その性質は重く濁っていて粘っこく、気の活動を阻害し、脾(※3)の運化(うんか)を邪魔します。常に体が重い、腰がだるい、四肢がだるい、関節や筋肉が痛いなどの症状となって現れますが痛みが移動しないのも特徴です。
湿が胃腸を阻害すると、胃の納まりが悪い、胸苦しく不快、小便が出ない、大便がゆるく、下痢するなどの症状となります。
 身体の水の流れを滞(とどこお)らないようにして、余分な水分を体外に出すことを利水(りすい)といいます。関節に水がたまるということもあり、胸水、腹水がたまるということもあります。梅雨の時期に腱鞘炎がひどい、生理の前に体が重い、乳房が張る、むくみが出る、また主婦湿疹なども水の滞りと考えられています。
湿をとりさり利水する食物としては、瓜類・小豆・はと麦・鯉がよいとされています。
 これまで紹介したトウモロコシ、ニガウリは効果が期待できます。
 夏も長く続くと夏独特の疲れが出てきます。その症状は脾と胃に現れやすいのです。食欲不振、下痢などで困っている方も多いと思います。
 脾胃を補うには、甘いものが良いのですが、砂糖ばかりではなく、豆類などの天然の甘味が体に優しいでしょう。インゲン豆、緑豆、はと麦は、暑さをとり、湿を除くので、今の時期たくさん食べましょう。
 また、山椒、ウイキョウ、紫蘇の葉は特に、停滞している脾胃の湿をとる働きがありますので、薬味としてたくさん使ってください。

五行表

※1 今回は五行表(上図参照)の土の列を横に見て、長夏の話をしています。
※2 六淫  風・寒・暑・湿・燥・火 の6種の病邪。
※3 脾の運化機能について。
 運とは伝導、輸送の意味で、化とは消化吸収を意味する。
 飲食物を消化し、全身に輸送する機能のことと理解できる。
 次回に話す肺の助けを借りて、全身に栄養物質と水分を運んでいる。
 脾の働きが充分でないと腹脹・便が柔らかい・食欲不振・倦怠感・痩せるなどの症状となる。
 また水液の運化も行うのでその機能が充分発揮されていれば、体内に異常に停滞する、湿・痰・飲などの生成を防ぐことが出来る。百病は皆脾胃の衰弱に由来していると「脾胃論」に述べられているほどである。

☆今回はレシピはお休みでした。次回は、山椒の話です。お楽しみに!

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