第12回 痰を切り、咳をとめる!銀杏
五味 甘・苦・渋
五性 平・小毒
帰経 肺
効能 降痰定喘・斂肺止咳・止帯除濁
<イチョウ科イチョウ> (写真は成熟果実)
●痰を切り、咳をとめる!銀杏
おいしく食べている緑色の部分は、胚乳です。生きる化石といわれ、生命力が強いものです。公孫樹といわれますが、公が植樹すると孫の代になってやっと実る樹木であるという意味です。
煮て食べると咳止め、炒って食べると膀胱の弾力を増し、尿を我慢できる効能が引き出され、夜尿症、頻尿に効果があります。
小毒ですので生では食せず、火をとおして、小児では1日5個以内、大人では10個くらいが良いでしょう。
夜尿症には、炒ったものを4~5歳で一回に1、2粒、5~6歳で3、4粒を1日2回、2~4週間続けます。
イチョウ葉はヨーロッパで研究され、記憶障害などの症状を改善する薬用が注目されています。その成分は水で煎じるだけでは抽出できません。皮膚炎、アレルギーを起こすギンコール酸を除いたエキスをドイツ、フランスでは医薬品として販売しています。副作用に関する情報が確定していませんので、使用には注意が必要です。
[レシピ] 木の実いっぱいの「おこわ」
- もち米
- 2.5合(400g)
- 栗
- 6~10個
- 銀杏
- 20個
- 松の実
- 30個
- クコ
- 60個
蓮の実10個などの木の実
- 白ゴマ
- 少々
- 塩
- 少々
1. もち米と蓮の実は洗って別々に一晩水につけておく。蓮の実(蓮子(れんし))の、緑色の芯(蓮芯(れんしん))は苦いので、嫌いな方は取りますが、精神安定に働く良薬です。
2. 栗と銀杏は皮を剥く。
3. 1と2を蒸し器で蒸す。2割減の水加減で普通に炊き上げることもできます。
4. クコはすぐに柔らかくなりますので、少量の水で洗って、蒸しあがった「おこわ」に混ぜ込みます。
5. 白ゴマと塩を別々に炒って混ぜ、「おこわ」にふりかけていただきます。
今回は、蓮の実、クコ、松の実など手に入りにくいものがあります。なければあるものだけで、手に入ったときにはぜひ試みてください。蓮の実、クコについても、追ってお話ししたいと思っています。
☆次回は咳を止めるものとしてもうひとつ、杏仁について紹介します。お楽しみに!
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