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体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第14回 年齢にさからわずに

年齢にさからわずに ~未知の年齢を生きる喜びを~

 近頃、アンチエイギング(抗老化)という言葉が流行りですが、古来より不老長寿は全ての人々の願いでした。秦の始皇帝も不老不死の薬を徐福(じょふく)に探させていました。日本では、かぐや姫にもらった不老長寿の薬を、時の帝は、かぐや姫のいない世に生きていても……といって富士山の頂上で燃やしてしまいました。いったいどんな薬だったのでしょう。

○抵抗するのではなく

 中国の古典:『黄帝内経(こうていだいけい)』の「素門(そもん)」によると、女性は7歳ごとに、男性は8歳ごとに、主に腎精の機能の盛衰を考慮して身体的な変化が現れるとされています。
 したがって、
女性の場合は、

7歳 腎気の働きが盛んになり、歯が入れ替わり、髪も長くなる
14歳 月経が始まる。
21歳 体格が頂点に達する。永久歯がそろう。
28歳 骨格が充実し、引き締まり、毛髪は最も長く、豊かになる。
35歳 大腸、胃経の機能が衰え始め、顔やつれ、髪抜け始める。
42歳 白髪が進行する。
49歳 生殖機能が絶えて、閉経する。

男性の場合は、

8歳 腎の気が充実し、乳歯が生えかわる
16歳 腎気が盛んになり子を作る能力がそなわる
24歳 筋骨発達する
32歳 筋骨隆盛を極め、肌つやもよい
40歳 腎気衰え始め、髪抜け、歯が欠ける
48歳 陽気がなくなり、白髪が目立つ
56歳 肝気衰え、筋肉萎え、生殖能力が絶える
64歳 歯髪なくなる

 という具合ですが、いかがでしょうか……。
 経験的に覚えがあるように、この加齢の進み具合は、個人差がとても大きく、もって生まれた腎気の盛衰だけでは、説明できないものです。環境(暑さ、寒さなど)の違い、食生活、食習慣の違い、ストレスの強弱などにより違ってくると思われます。それでも平均的にみれば、2,000年前の人々とそれほど違いのない盛衰をたどっているようです。
 現在、私たちは『黄帝内経』に記された年齢以後を生きようとしています。こんなにも大勢の同士とともに未知の年齢を生きることに、わくわくするような悦びと挑戦者たらんとする意欲を感じています。
 ところで、年齢を感じるのはどんなときでしょう。

1)疲れやすい
2)風邪をひきやすい(抵抗力がおちたなと感じる)
3)冷える(以前より)
4)胃腸障害(たくさん食べられなくなった、下痢しやすくなった)

 私はこんなとき、抵抗するのではなく受け入れをしたいと思っています。
そして少しだけ腎を補って陰陽のバランスを調整し陰陽どちらかに偏り過ぎないことを目標にしたいと思います(陰陽の話は別の機会に)。

○腎と肝の機能が衰える更年期に

野菜

 更年期の養生について少しだけお話します。
 更年期は男女ともに、腎と肝の機能が衰えてくる時期です。肝の働きが不安定になると、情緒も不安定になります。鬱になりやすい、頭痛がする、どきどきする、のぼせる、イライラするなど、今までになかった症状が現われるので、戸惑ってしまいます。
 更年期をうまく通過するために、早めに肝の働きを調節し、腎を補うことができるとよいですね。肝の血を補うものとして、クコの実、ニンジン、ホウレンソウ、カボチャ、レバー。心を安定させるものとして、ハスの実、コムギ、ユリの根。また汗の出やすい時は、ナツメが効果的です。ナツメには、気と血を補い、汗を止める作用があります。ドキドキして、熱くなって汗をかく時は、百合の根、コムギがよいでしょう。
 老化と最も関係が深いと考えられる腎(腎の機能については冬の話のときに)を補う生活を心がけていただければ年齢を受け入れた元気な、未知の時代の開拓者になってゆけると思います。

 

☆次回からしばらくは腎を補う食材を紹介します。ナガイモ、ゴマ、菊花、エビなどです。お楽しみに。!

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