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体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第25回 産前産後・生理痛には当帰がおすすめ

当帰

当帰 とうき

五味 甘・辛・苦
五性 温
帰経 心・肝・脾
効能 補血調経・活血行気・止痛・潤腸通便

→五性、五味、帰経について

<日本産はセリ科ニホントウキの根>

●産前産後・生理痛には当帰がおすすめ

 日本では薬局にしかありませんが、中国では、乾物をあつかっているお店に普通に売られていました。写真は塊ですが、スライスしたものも売られていて、そのほうが扱いやすいです。スープなどによく使われています。中国の昔話に、なかなか子どもができないために実家に帰らざるをえなくなった妻が、この薬草を服用したところめでたく妊娠し、婚家にもどることができたという話があり、まさに(当に)帰ると名づけられたそうです。
 さまざまな漢方薬に処方されていますので、ご存知の方も多いと思います。なかでも当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は有名です。血を補い、月経を調整する働きがありますので、月経痛、月経不順、更年期障害などに使われています。実母散の名前をご存知の方もいらっしゃるでしょう。
 出産前後には、骨付き鶏肉に、当帰、クリ、枸杞(クコ)、ナツメなどを入れたスープを頻繁に食べます。産後の体力回復が早く、母子ともに健康に過せます。冷えて生理痛になる方もこの冬ぜひ試してください。

[レシピ] 薬膳スープ

薬膳スープ

材料

骨付き鶏肉
500g~700g
生姜
適量
ネギ
適量
当帰
10g
桂皮
10g
クコ
10g
10個

塩、油、酒、醤油

作り方

1. 鶏肉はぶつ切りにして塩を振ります。
2. フライパンに油大さじ1を入れて熱し、鶏肉を炒めます。
  狐色になったら深鍋に移し、1000ccくらいの水を加え、
  生姜、ネギ、当帰、桂皮、クコ、栗を入れ、強火にかけます。
3. 沸騰したら弱火にして、あくをとりながら肉が柔らかくなる
  まで煮ます。
4. 塩、酒など好みの調味料で味を整えます。

 これまでの中で、一番薬の匂いがする料理ですが、産前産後、生理中の体力回復にぜひ日本でも流行させたい料理です。骨付きであることが必要です。
 韓国料理の参鶏湯(さむげたん)は、鶏のお腹に朝鮮人参、栗、棗、ニンニクなどを入れて同じように2~3時間煮たものですね。朝鮮人参は気を補う作用が大変強く、参鶏湯は夏バテ予防に食べられています。

☆次回は「当帰」のお話です。どうぞお楽しみに。

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