メニュー
ゲストさん

体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第27回 新年を迎える

 あけましておめでとうございます。
 「薬食同源レシピ」を掲載してからちょうど半年になりました。このページを見ていただいている皆様ありがとうございます。
 本年も美味しい料理を創意工夫いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

●お屠蘇にこめられた意味

 お正月といえば、お節料理、お屠蘇が欠かせませんが、おいしくいただけましたか?
 お屠蘇とは、死霊がこの世に蘇って災いをもたらさぬように屠る(ほふる)という意味です。年少者から順に盃を回し、次第に数が増えていくようにという思いもこめていました。古代中国でもそうしていました。
 屠蘇散の内容は、白朮(びゃくじゅつ)、桔梗(ききょう)、山椒(さんしょ)、桂心(けいしん)、大黄(だいおう)、烏頭(うず)、山帰来(さんきらい)、防風(ぼうふう)の8種をきめられた分量ずつ細かく切って緋色の袋に入れ、大晦日の日中に井戸のなかに沈めておきます。このとき、底につかないように注意します。これを元旦にとり出し、酒の中に浸し、三が日のあいだ飲み、かすは、井戸に入れます。こうすると1年間、無病とされていたのです。
 さまざまな病気に対処できるように、からだを暖め、水分の代謝をよくするように工夫されています。

●病気になりにくい体をつくる

 今まで紹介した食物、そして今後紹介する食物を健康に役立てるために、私の考える薬膳というものを述べてみます。
 最終の目標は病気の治療です。高血圧、糖尿病、神経痛などを毎日の食事で治そうとするものです。このためには中医学の正しい診断、治療方針(弁証論治といいます)が必要です。一人一人違いますので、まさにオーダーメイドの食事が作られます。処方に近いものといえます。
 一つ前の段階は、少し体調が悪いときに考えられる食事です。
・風邪をひきそうだなと思う瞬間に作っていただきたい料理
  トウチとネギのスープ
  桂皮と棗と生姜のお茶
・冷え性を改善したい料理
  紅花のスープ   当帰のスープ   豆いっぱいご飯 ・イライラするときの料理
  セロリと百合根の炒め物   酢の物一般
 これらは、紹介した食材の五性、五味、帰経が参考になります。
2、3日または1週間くらい試みて効果が期待できるものです。健康雑誌で紹介される、むくみを取る料理、美しくなる料理、などはこの段階でしょう。
 もう一つ前の段階は季節を追って、旬のもの、土地のものを頭から尻尾まで全部いただく姿勢をもって料理をするというものです。この姿勢を貫いていただければ病気になりにくい体の基本ができていきます。スローフードといわれている食事の仕方はこの段階のイメージです。
 私たちは五性、五味、帰経を知って、自分の体に真摯に向き合い静かによく考えていけば、ひとつ前の段階まで確実にできると思います。
 今年の目標として一緒に学んでいきましょう。

☆次回は「トウチ」です。どうぞお楽しみに。

コメント

コメントを書く(クリックしてください)

関連記事
2018年1月3日

薬食同源レシピ

ご馳走で疲れた胃を休める「薬食同源レシピ」ご紹介

体に良い食品は多々ありますが、それらを食べるのって案外むずかしいもの。体にいいのはわかっていても、エグミが強い食品や、苦手な食材などはあまり手が伸びません。スローネットでは過去20...
2017年6月29日

薬食同源レシピ

風邪をひきそうになったら桂皮を - 体にあった食物を摂る「薬食同源レシピ」第31回 

五味 辛・甘 五性 大熱 帰経 肝・腎・心・脾・胃 効能 温中補陽・散寒止痛・温通経脈 →五性、五味、帰経について <クスノキ...
2017年6月24日

薬食同源レシピ

もっと大豆の力を! - 体にあった食物を摂る「薬食同源レシピ」第21回

五味 甘 五性 平 帰経 肝・腎 効能 滋陰補血・利水・解毒・祛風止痙 →五性、五味、帰経について <マメ科ダイズの種子。...
2016年8月12日

薬食同源レシピ

第52回 1年のまとめとして

●できる範囲で自分流に  夏至を過ぎて、いよいよ暑(しょ)と湿(しつ)の季節になりました。この時期は夏の養生(6回、44回)を参照してください。そして元気に汗をかいて暑い夏を乗り...
2016年8月11日

薬食同源レシピ

第51回 スイカで夏の暑さを乗り切る!

...
2016年8月9日

薬食同源レシピ

第50回 潤いを増す効果のある豆腐

...
人気記事

人気記事はありません