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体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第37回 なぜ病気になるのか

●病気の原因は六つ

 ここまでの話で、季節の変化に合わせて食物を選び調理することは、今の季節に対応するだけではなく、次の季節を乗り切ることにつながっていることが理解できたことと思います。
 次のステップでは、自分の体をよく知って、その日の体調に合わせて、食事をとり、または薬を選ぶというところへ進みます。そのためには、正しい知識とそれを応用する能力、またそれらの知識を更新していく柔軟性など、さまざまな知力、体力が必要です。
 まずは毎日の食事を美味しく、楽しくいただきたいものです。
 今回は病気の原因について、中医学ではどのように考えているか紹介しましょう。
 以下の六つの要因を考えてみてください。

1.六淫(ろくいん)
過度の風、寒、暑、湿、燥、火
2.病原菌
 
3.七情
過度に喜、怒、憂、思、悲、恐、驚
4.飲食
飢餓、過食、偏食、不衛生
5.労働
過労、暇すぎる、運動不足
6.外傷
 

 

●バランスと身土不二

 人間は、大きな宇宙の中に暮らす、小さな宇宙と考えられています。宇宙は、四季おりおり、バランスを保って移ろっていますが、人間はその宇宙の中で、生まれ、成長し、歳をとっていきます。その時々に、心と体のバランス、体の中の水分・血液のバランスなど、さまざまな種類のバランスを自ら絶妙に調節して生きています。
 そのバランスの崩れた状態が、病気ということになるです。
 バランスの崩れる原因として、まず一番に六淫を考えています。さらに七情です。
 病いというものを、人間の日常生活全体のバランスが崩れることと見ていることは、生きているものとして自然で納得できるものです。現在盛んに言われているストレスというものがまさにここに表されています。
 また、食物連鎖に思いを馳せると、私たちは宇宙の大いなるエネルギーを取り入れて、それを自らのエネルギーとして生きているとも言えます。日本の豊かな四季の恵みをいただいて、自分と同じ空気を吸い、自分と同じ水を飲んで育った地元の植物、動物のエネルギーは、自分に一番優しいはずです。体に無理なく吸収されるはずです。これが、身土不二(しんどふじ)という考え方です。
 少し前の日本で、普通に行われていた食生活です。この食生活が崩れ始めたころから、現代社会のストレスも大きくなり、健康にとってよくない環境が増えてきたように思います。
 六つの病因をよく理解していただけるとうれしいです。

☆次回はチンピ(陳皮)の予定です。どうぞお楽しみに。

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