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体に合った食物を摂る薬食同源レシピ チャイナハーブ研究家:向當充子 「自分の体に合った食事を自分で考える」ことができるよう、四季の食材・香辛料(ハーブ)を使ったレシピをご紹介していきます。

 

第45回 食欲がなく、便が柔らかい方にナツメ

なつめ

大棗 たいそう/なつめ

五味 甘
五性 微温
帰経 肝・心・脾・胃
効能 補脾和胃・養営安神・緩和薬性

→五性、五味、帰経について

<クロウメモドキ科ナツメの乾燥果実>

●食欲がなく、便が柔らかい方にナツメ

 夏に芽が出ることからナツメ(棗)と名づけられています。茶道で使われる“なつめ”はこの形からきています。日本の庭にも植えられていたそうです。生のものはちょっと渋い感じですが、ほのかに甘いものです。庭の実をしっかり乾燥するのが難しいようでしたら、お酒に漬けておくことができます。
 「補脾和胃(ほひわい)」は脾を補い、胃をおだやかにすることですから、脾と胃を養います。食欲がなく便が柔らかい方に向いています。
 「養営安神(えいようあんしん)」は営気(消化吸収された栄養分)を養い精神を安定させる意味ですから、病後などで心神不安の時に使われています。
 「緩和薬性(かんわやくせい)」は薬性を緩和するということで、強い薬ばかり組み合わせのときに、また味をよくする意味でも一緒に処方します。さらにいろいろな漢方薬に入れて、脾胃の損傷を予防しています。お手持ちの漢方処方がありましたら処方内容を見て確かめてください。
 百貨店などの中華材料コーナーに普通に売られているようになりましたので、使いやすくなりました。鍋物、スープなどにはじめから2、3個入れておくと味もよくなりますし、脾胃を丈夫にするという薬効も期待できます。

[レシピ] 粽(ちまき)

粽(ちまき)

材料

もち米
500g
竹の葉
8枚
ナツメ(棗)
4個
むき栗
4個
豚バラ3cm角
4個
干し椎茸(小)
4枚

醤油、砂糖、酒、味醂

作り方

1.豚バラは醤油、砂糖、酒、味醂で調味液を作り、この中に入れて一晩置く。もち米は研いで水に漬けておく。
2.もち米の水を切り、豚肉を取り出した調味液の中に漬ける。
3.干し椎茸は戻して甘辛く煮ておきます。
4.竹の葉を水につけて柔らかくする。生のものはそのまま使えます。
5.竹の葉を三角錐に形作り、もち米と乾燥ナツメ(棗)、栗、椎茸と豚バラを入れてテトラの形に包み、たこ糸で縛ります。
6.鍋に湯を沸かし、粽を茹でます。

  (残った調味液と醤油を足して茹でると、味がしっかりします)
  40分くらいかかります。
  圧力鍋で作ると早くできます(加熱10分、その後むらし)。
 5月5日にはちまきを食べますが、今年は6月19日が旧暦の5月5日に当たっています。その頃になると笹の葉も大きくなり、生のものを使うことができます。今年採れた笹は香りも抜群です。ぜひお試しください。
 実は私は、ナツメだけを入れ、お米は薄い塩味だけのものが気に入っています。
 大人の味です。

☆次回は、紫蘇の予定ですどうぞお楽しみに。

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