【安楽死】「渡る世間は鬼ばかり」橋田壽賀子さんが安楽死撤回
「終活をしてみて、自分の人生の閉じ方について考え始めた」
終活をすると、必ず向き合わなければならないのが「死」について。
人生の結末はどのようなものが良いでしょうか?
ドラマチックな死、安楽死、老衰、事故死…など死因はさまざまありますよね。
ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」などの脚本を手がけた脚本家・橋田壽賀子(はしだ すがこ)さん(92)は「認知症になったり、体が動かなくなったりしたら、安楽死したい」と兼ねてから発言をしていましたが、先日これを撤回しました。
一体どのような心境の変化があったのでしょうか?
安楽死が幸せ? 安楽死宣言した橋田壽賀子さん
橋田さんが安楽死したい、と公表したのは2016年のこと。
すでにTBSのプロデューサーであった夫と死別し、「家族も心を残した人もいないので、寝たきりや重度の認知症になったりして、人に迷惑をかけてまで生きたくない」と話していました。
「無駄な延命はやめてください。お葬式はいりません。偲ぶ会もやめてください。マスコミには黙っていてください」と周囲に遺言状を渡した、というほどの徹底ぶり。
しかし、そんな橋田さんが最近「安楽死宣言」を撤回した、というのです。
「本当は諦めてはいないけど。安楽死について発言をすると、うるさく言われることが本当に多い。『安楽死なんてとんでもない。もっとちゃんと生きる希望を持ちなさい。一生懸命生きなさい』と叱られたり、『他人にまで死を強制することになりかねない』と言われたり」と橋田さんは話します。
1時間後の、今夜7時から「おじゃMAP!!」放送です!!
92歳で現役脚本家!!
橋田壽賀子先生のご自宅におじゃまして、元気と若さの秘訣を徹底調査!!!橋田先生が人生初のSNSに挑戦!!!
そこで、先生から思わぬ一言が…!?#おじゃMAP #おじゃマップ #フジテレビ pic.twitter.com/r3UFRIiv7E— おじゃMAP!!【公式】 (@oja_map) 2017年11月15日
たしかに「安楽死」というと、かなり強烈な言葉に聞こえてしまいますよね。
まだ生きられるのに死を望むとは何事か、と怒ってしまう気持ちも理解できます。
「安楽死を短絡的に『役に立たなくなった人は死ねということか』という議論に結びつけるのは違うと思う」と橋田さんは話します。
こういった経緯があり、現在では専門の在宅医に頼み、「何かあったら『安楽死に近い尊厳死』」を望んでいるそうです。
尊厳死と安楽死の違いとは?
尊厳死と安楽死、どちらも似たような印象を受ける方もおられるかと思います。
尊厳死と安楽死は具体的に何が異なるのでしょうか?
尊厳死は、その人が人間としての尊厳を保って死ぬこと。
安楽死は、死ぬときに苦しまずに死ぬこと。
両者にはこうした違いがあります。
尊厳死
自分は延命治療を行わなくていい、と意思表示をしていた場合、本人の意思通り、延命治療を行わず、自然に死ぬことができれば、その人の尊厳を守ったことになるので、「尊厳死」といえます。
尊厳死の反対は、戦争や大量虐殺など、本人の意志にそぐわない死のことですね。
安楽死
どのような治療を施しても助かる見込みがない場合、延命治療を続けることは本人がつらいだけでなく、支える家族もとてもつらいものです。
不要な延命治療をなくし、あえて死を選択することで、苦痛を取り除くのが「安楽死」です。
安楽死は方法によって4つに分けることができます。
- 純粋安楽死
生命の短縮が起こらなかった安楽死のこと。
苦痛を取り除きつつ、本来の寿命を全うできた安楽死。 - 消極的安楽死
延命治療や投薬などを行わずに自然に死を迎える安楽死。
尊厳死に似ている。 - 間接的安楽死
苦痛を取り除く処置を行った結果、寿命の短縮が起こった安楽死。
苦痛を取り除いたため、死期が早く訪れてしまった場合。 - 積極的安楽死
意図的に死に至らしめる安楽死。
このように安楽死も様々です。
ちなみに「尊厳死」「安楽死」ともに現代日本ではまだ認められてはいません。
生を受けた以上、最後まで全うあがき、全うしなければならないのです。
というのも、医師の立場に立つと少し間違えれば「殺人」になってしまうため。
法整備や倫理観がもう少し発達すると、尊厳死や安楽死が認められるかもしれませんね。
尊厳死・安楽死は海外では行われはじめている
日本では尊厳死・安楽死ともに認められてはいませんが、海外では行われているケースもあるそう。
条件はいろいろあるようですが、主に末期がんで助かる見込みのない人が、「積極的安楽死」を選択するケースがあるそうです。
最近では痛みなく、苦しくなく死ねる安楽死の装置が開発されたりと、これまでの倫理観とは乖離したような機器の開発も進んでいます。
自分の最期の瞬間。
あなたはどんな死を望みますか?
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