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詐欺手口「アポ電強盗」って何?警察官や銀行職員を名乗り、玄関を開けさせる手口とは?

「オレオレ詐欺」のような特殊詐欺被害は平成21年には7,340件でしたが、平成30年には16,493件(いずれも認知件数)と、増加傾向にあります。

こうした特殊詐欺の手口で、最近話題となっているのが「アポ電強盗」。
電話口で振込を行わせるのではなく、直接自宅に出向き、強盗を働くというのがこれまでの特殊詐欺と大きな違いです。

そこで今回は、アポ電詐欺の手口や予防方法について、詳しく見ていきましょう。

強盗するのが「オレオレ詐欺」との違い! 高齢者の資産を狙うアポ電詐欺

強盗するのが「オレオレ詐欺」との違い! 高齢者の資産を狙うアポ電詐欺

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

今年2月に発生した東京都江東区のマンションで住民の加藤邦子さん(80歳)が強盗に襲われ、殺害されてしまった事件では、従来のオレオレ詐欺ではなく、「アポ電詐欺」と呼ばれる手法が用いられています。

アポ電強盗は、事前に「アポ電」(アポイントメント電話)をかけ、自宅に資産を持っているか、在宅しているかを確認したのち、強盗に押し入る手口。
これまでは特殊詐欺の手口とされてきましたが、今年1月、2月には東京都渋谷区でアポ電をきっかけとする強盗が2件発生しました。
近年では大阪府や神奈川県でも同様の手口が確認されており、2017年11月19日には神奈川県泰野市で80代女性が、2018年8月6日には大阪府門真市で70代男性と90代女性が、2019年1月11日には東京都渋谷区初台で90代と80代夫婦が、2月1日には東京都渋谷区笹塚で80代と70代の夫婦が被害に遭っています。

アポ電強盗は「強盗」と名前がつく通り、手足を縛り現金や宝飾品を奪うなど、あらっぽい方法が特徴です。
実際にどのような手口で行われるのでしょうか?
改めて見ていきましょう。

アポ電強盗は必ず事前に「アポイントメント電話」(=面会・会合などの約束の意)をかけます。
その際は親族、警察官、金融機関の職員などを装い、まずは健康状況などを聞いたりするそう。
さまざまな話をするなかで、資産状況なども訪ねてきます。

警視庁ではアポ電強盗を特殊詐欺の前に電話をかける手口から「犯行予兆電話」と呼んでおり、アポ電後に詐欺の実行役が訪問し、お金を盗む、だまし取るのが共通のパターンとなっています。

警視庁によると、2018年に都内であったアポ電は通報があっただけで3万4,658件。
これは2017年よりも8,747件多く、2016年の約2.3倍もの件数です。
2019年はさらに多いペースで通報されてきているようです。



オレオレ詐欺のように対面せずに済む詐欺ではなく、強盗という強硬手段を用いていることから、特殊詐欺は年々凶悪化していることが伺いしれます。

アポ電詐欺を防止する方法で最も良い方法はなんでしょうか?
最も効果的な方法は「電話に出ない」ことです。
電話に出て世間話でもしてしまったら、「高齢者しかいない家」「多額の現金がある家」「住所がわかってしまう」といったデメリットが考えられます。
仮に少しでも現金があって、高齢者しかいないのであれば「押し入ろう」と考える人がいないとも言えません。

だからこそ、番号が表示される電話機を使用し、知らない番号の電話には出ない、非通知の電話には出ない、といった対策が必要になってきます。

それではここからは実際の事件で行われた手口について、詳しく見ていきましょう。

アポ電詐欺の最新詐欺手口とは?実例でご紹介

アポ電詐欺の最新詐欺手口とは?実例でご紹介

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

東京都渋谷区で高齢夫婦が被害に遭ったアポ電強盗について見ていきましょう。

上でも少しご紹介していますが、この事件は2019年2月1日に発生しました。
1日午前9時前、男3人が住宅に押し入り、80代の夫と70代の妻を結束バンドで縛った上で、現金400万円を奪って逃げました。
その際、男たちは警察官を名乗ってインターホンを押したそう。
また、事前に息子を装った男から、自宅に現金が置いてあるかどうかを尋ねる電話もあったようで、まさにアポ電強盗の典型的な手口といえるでしょう。

この事件におけるポイントは「息子を騙り、自宅に現金があるか確認」「警察官を名乗りドアを開けさせる」「結束バンドで縛り、現金を奪う」の3点。
事前の電話で住所・現金の有無がわかったため、強盗に押し入られたと考えられます。

また、強盗とは異なりますが、2月14日には80代女性の自宅に「サイバー犯罪の班員を逮捕した。預金が危ない。下ろしたほうがいい」と警察官を名乗るアポ電があった例もあります。
実際にお金を下ろした後、「偽札が混じっている。確認したい」と連絡があり、610万円を騙し取られる被害もありました。

ここまでは警察官を名乗ってのアポでんでしたが、金融機関職員(銀行員)を名乗ってのアポ電もありまうs。

東京都葛飾区の70代男性の自宅に、息子を装った人物から電話があり、600万円を騙し取られる被害が発生しました。
事前に「みかんを送る」といった旨の電話があり、その電話のなかで息子の名前を聞き出し、改めて詐欺の電話をかけていたよう。
この電話は男性の妻が受けており、その後運送会社を名乗り、届け先を尋ねる電話があり、その際は男性が応対しましたが、妻から「みかんが届く」と聞いていたため、住所を伝えてしまったそうです。

特殊詐欺(アポ電強盗)の手口はどんどん多様化しており、詐欺とは直接関係ない事柄から巧みに個人情報を聞き出し詐欺を行う、といったパターンが急増中。
なかにはこんな変わった手口もあるようです。

アポ電詐欺は遠回りな手口?最新の手口とは

アポ電詐欺は遠回りな手口?最新の手口とは

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

今年に入ってから特にアポ電強盗が注目されたため、新しい詐欺手口なのかな? と思いがちですが、実は以前から行われていた詐欺方法です。
しかし、これには理由があるそう。

オレオレ詐欺のような手口は警察や金融機関が注意を呼びかけたことで、実施、成功が難しくなってきているようです。
そのため、犯行グループ間の競争から、強盗をしてでも詐欺を行う、ということから、アポ電詐欺のような強硬な手段に出るパターンもあるそう。

なかには不審な電話から2日後、「家の前に猫の死骸があるので確認してもらえませんか?」と警察官を名乗る男がやってきて、被害に遭ったケースもあるそうです。
安易にドアを開けない、というのはもちろんですが、こうした手口をきちんと知っておくことも大切。

アポ電強盗のような手口は、オレオレ詐欺と比べると一歩進んだ印象のある手口。
従来の対応方法ではだめなこととと、手口が凶悪化していることが特に厄介です。

こうした詐欺に狙われやすいのは55歳以上だと言われています。
他の世代に比べると比較的お金(資産)を持っている場合が多いからなのだとか。
出身学校の住所録などから住所が割れていることも多いので、すでに詐欺グループの名簿に自分は載っていると考えて行動したほうが良さそうです。



詐欺被害に合わないためには自宅に現金や資産などをあまり置いておかない、というのはもちろんですが、詐欺の起点となる「電話」に出ない、というのも大切です。
最近ではどの番号から電話がかかってきたかわかる「ナンバーディスプレイ」搭載の電話機やプランなどもあるので、一度見直してみたほうが良いでしょう。
また、録音機能がある電話機もあるので、せっかくなら録音機能付き電話機を導入したほうが安全。
近年こうした電話機のなかには相手に「この電話は詐欺被害防止の為、録音させていただきます」と事前に通知が行くものもあるそう。
こうした通知はとても効果的だと言われています。

また、自分は詐欺に絶対遭わないと思っていてもつい騙されてしまうのが詐欺。
自分だけは大丈夫、という意識ではなく、いつ自分が被害に遭うかわからない、と想い対策していくことが大切だと言えます。

コメント
  1. 我が家では交際・交流のある電話番号はできるだけ電話番号登録をしておきます。それ以外の場合は、すぐ出ません。電話番号ディスプレー表示契約して番号が表示されるので、ネットで確認して怪しいのは着信拒否設定しておきます。
    会話は自動録音をしてあります、怪しい電話が増えるようなら電話をつないだ時に、その旨告知する設定にすることを考えています。
    問題は携帯電話の着信を自動録音出来るが、次の課題です。ソフトとキャリアの関係はだいたい把握しています。

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