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ついに配達すら人が不要!?すでに実装実験が行われているドローン配達とは?メリット・デメリットを比較

Amazonや楽天市場、Yahooショッピングなど、日本には数多くのECサイト(ショッピングサイト)があります。
とても便利で、ついつい買い物をしてしまいますが、買い物をすればするほど人手不足が問題になるのが「宅配業界」です。

時間指定などが細かくでき、過剰サービスともいえる宅配業界。
さらに人手不足や競争過多も相まって、なかなか大変だ、というのはワイドショーなどで報じられていますよね。

こうした課題を解決するために、ドローンで宅配を届ける実験をAmazonや楽天が実施し始めました。
今回の記事ではドローン配達をご紹介します。

宅配購買の増加による運送業の人で不足が進行中!

宅配購買の増加による運送業の人で不足が進行中!

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

運送業界は「宿泊」「飲食サービス」業界などと並び、人手不足(ドライバー不足)が深刻です。

国内輸送のほとんどを担っているトラック輸送はここ数年、30億トン前後で推移しています。
重量自体はほぼ変化がありません。
また、営業収入は14兆円から16兆円前後と大きく増加しているわけではないのです。

インターネット通販サイトが増加したことに伴い、個人向けの低価格輸送のニーズが高まりました。
そのため、収益は増えていないのに手間がかかる仕事が増えた状態である、といえます。
仕事量が増加しているのに収益が増えていないわけですから、人員の補充もうまくいっていません。

有効求人倍率でみてみると、平成30年4月時点で全職業平均は1.35なのに対し、トラックドライバーは2.68と他業種と比較し2倍近く不足しているのです。

なぜドライバーが不足しているのでしょうか?
その理由のひとつが待遇面などの労働環境です。

国土交通省の調査によると、トラックドライバーの年間所得は全産業平均と比較し、大型トラックドライバーで約1割低く、中小型トラックドライバーで約2割低い傾向にあるそう。
それなら、人手不足のこの時代、もっと給料の多い仕事に行ってしまいますよね。

また労働時間でも比較していきましょう。

トラックドライバーの労働時間は、全産業平均と比較して大型トラックドライバーで約1.22倍、中小型トラックドライバーで約1.16倍長いなど、長時間労働を強いられているのです。

これだけさまざまな企業が採用を積極的に行っている現代において、あえて給与が低く、労働時間が長いトラックドライバーとして働きたい、と考える人がどのくらいいるでしょうか?
このあたりの改善が求められるとこですよね。



とはいえ、一度サービスを開始し、もはや社会インフラともいえる個人向け配達を辞めたり、料金を一気に値上げするのはとても困難なモノ。
簡単に解決できないのが難しいところですよね。

人手不足による問題は、従業員の長時間労働だけではありません。

人手不足による企業の倒産もさまざまな産業で起こっています。
帝国データバンクの調査によると、2017年からは前年比40%以上のペースで人手不足倒産が増加して行っているそう。

負債規模別件数でみてみると、2018年は「負債規模1億円未満」の倒産が91件と前年比85.7%増加。
構成比でみてみると、前年から13.3ポイント上昇し、59.5%と過半数を占めているのです。
このことから、小規模な倒産が非常に増えている、ということがわかりますよね。

さらに業種細分類別の2013年から2018年までの累計件数でみると「道路貨物運送」が43件で最多。
2018年は21件と前年比2.3倍に急増しました。

トラック運送業界は配達需要が高まっているものの小規模事業者はドライバーを確保できず、仕事はあるのに受注できなくなり、資金繰りが悪化して倒産するケースが増えていると言うことがわかります。

運送業の人手不足が深刻化しているワケとは

ここまでさまざまなデータをご紹介してきましたが、まとめておきましょう。

まず挙げられるのがスマートフォンの普及により、インターネット通販の利用が増加したこと。
それによって宅配取り扱い個数が増加したため、物流ニーズが高まりました。
通販の宅配で問題となるのが「再配達」「時間帯指定」「温度帯」「返品」など。
配達サービスが以前よりも高度化しており、ドライバーの作業が繁雑になって人手不足が進行しています。



このほか、燃料費が高騰したことで採算が悪化していることも要因のひとつ。
運送業のコストでもっとも大きいのが人件費ですが、その次に大きいのが燃料費です。
トラック業界は中小事業者が多いため、燃料費が高騰しても配達料金に転嫁しにくいのが現状。
そのため、ドライバーの給与をなかなか上げられないというジレンマを抱えています。

また、労働時間が長いという労働環境やドライバーの高齢化も人手不足の深刻な問題。
これらをひとつずつクリアしていかなければ、日本のトラック物流が滞ることになるでしょう。

Amazonは数カ月以内にドローン配達を実現化!日本では?中国では?

Amazonは数カ月以内にドローン配達を実現化!日本では?中国では?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

こうしたトラック物流の解決策として考えられているのが、ドローン配達です。

ドローンはラジコンヘリコプターのように飛ばすことができるため、最近では大自然の撮影やドラマの撮影でも使われています。
大型のドローンならある程度の重さの荷物を積んでも飛ばせるため、配達にドローンを活用できないか? と考えられているのです。

実際にアメリカのAmazonでは、ドローン(小型無人機)を使った配送を数ヶ月以内に始めると2019年6月に発表。
注文から30分以内に発注者の自宅の庭などにドローンが商品を届けることを想定しているそうです。

また、楽天と西友は注文を受けた商品をドローンで配送するサービスの実証実験を始めると発表。
2019年7月4日から神奈川県内の西友店舗と無人島をドローンで行き来するそう。
交通インフラが弱い離島や山間部であってもドローンなら短時間で配達できるので、今後に期待したいところですね。

ドローン宅配のメリットやデメリットは?ドローンデリバリーの課題とは

ドローン宅配のメリットやデメリットは?ドローンデリバリーの課題とは

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ドローンで配達するようになると、物流業界が抱える人・コストの問題が解決しそうな気がします。
具体的なメリット・デメリットをみていきましょう。

まずもっとも大きなメリットは人件費の削減、人手不足の解消ができる点でしょう。
トラック物流でもっとも大きなコストの人件費を削減できれば、収益率も良くなりますよね。
浮いたお金をドライバーの人件費として計上することもできるでしょう。

そして配達の効率化。
ドローンは空を飛びます。
だからこそ、道が混んでいる、直線距離だと近いけど道がない、といった問題はありません。
常に最短距離で配達できるのです。

いいところがとても多いドローン配達ですが、デメリットも現状あります。

ひとつめは安全性。

ドローン配達を行う際は、生活圏をドローンが飛び回ることになります。
人が多くいるエリアをドローンが飛び回ると、墜落のリスクが伴ってしまいますよね。
ドローンを飛ばすときはどんなルートで飛ばすのか、どのくらいの高度で飛ばすのか、などさまざまなことを考えなければなりません。

次に保証。

墜落したり、配達中に荷物が盗難された場合、どのように対応すれば良いでしょうか?
無人で配達するため、損害補償などをどのようにするのか考えなければなりません。

最後は免許です。

大きいドローンをより遠くまで飛ばさなければ意味がありません。
そのためには強い電波を用いて操縦する必要があり、電波法上の免許も必要となります。
さらに航空法上の免許も必要となるかも知れない、など今後検討することは山積みです。



労働環境の改善は先進国たる日本が抱える問題といえるでしょう。
物流の改善にドローンが一般的になる日が、近い将来来るかも知れませんね。

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