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消費のパターンが「モノ」から「コト」「トキ」消費へ移行?あなたはどっちにお金を払う?

80年代、90年代ぐらいまでは若者に一番欲しいものは何? と聞くと、車やテレビなど、「モノ」への消費でした。
しかし、最近の若者はモノより「コト・トキ」消費の傾向が強くなっているようです。

物質よりも「体験」などにお金を払い、消費するようになってきています。

このような若者の価値観の変容はどのような理由からなのでしょうか?

本日はモノ・コト消費に関してご紹介します。

2019・2020年の若者は「モノ」を持ちたがらない?

2019・2020年の若者は「モノ」を持ちたがらない?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

車を持たず、お酒もあまり飲まず。モノもあまり買わない若者が増えています。
少し前なら「若者の○○離れ」なんてメディアで盛んに言われていましたよね。

消費者庁が発表している若者の消費(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/pdf/2017_whitepaper_0004.pdf)によると、今の若者は日本経済の長期にわたる低成長や情報化の進展など、育ってきた社会的環境の変化かがあると考えられるとしています。

実際に現在の若者が生まれた1990年代はバブル崩壊以後、20年にもわたり経済の低成長期でした。
その間、日本のひとりあたりの実質GDPの伸び率は年平均1パーセント以下と低迷していたのです。
こんな経済状況では慢性的な需要不足が起こってしまいますよね。
需要不足が起こると、物価水準が低下してしまいます。
その結果、2000年代になると物価が持続的に下落する「デフレ」が長く続きました。

また、雇用については非正規雇用比率が上昇し、「長期雇用」「年功序列」といった従来の日本的な雇用慣行が弱まりつつあるなど不安定な状況となりました。

2017年時点で25歳の若者は、生まれたときから不景気、雇用不安、ディスインフレ、デフレを経験してきたのです。
そのため、かつてのように勤続年数が長くなると賃金が上昇する期待も持てず、将来の生活に不安を抱く人が増えました。
今、お金を使うと将来的なお金がなくなる不安から消費しなくなったのだろう、と消費者庁は見ています。

所得に占める消費の割合を見てみましょう。

総務省「全国消費実態調査」の可処分所得に占める消費支出の割合である「平均消費性向」を、1984年から2014年まで見てみましょう。
この推移を見てみると、2人以上世帯のうち、勤労世帯を世帯主の年齢別に見てみると、全体が長期的に低下傾向のなか、20歳代、30歳代前半は全体よりも低下幅が大きいことがわかります。
総務省が実施している「家計調査」によると、世帯人数が2人以上の勤労者世帯のうち、世帯主が39歳以下の世帯では可処分所得が緩やかに増加。
しかし、消費支出はほとんど増えておらず、節約志向が強いことがわかります。

こうしたデータからもわかる通り、今の若者はあまり支出をしないのです。
このほかに、生まれたときからモノが豊富で、そもそも物欲がない、背伸びしないといったことが理由だと考えられるでしょう。

車、音楽、アパレルもサブスクの時代

実際に車、音楽、アパレル(服)なども自己所有せず、リースであるサブスクリプションが普及しています。
毎月定額を払うだけで常に最新のものに触れられるようになってきている、というのも積極消費が伸びない理由だと考えられますね。

これらのサブスクリプションサービスはかなり普及が進んでおり、飲食店なんかも導入しはじめています。
決まったお金を支払うだけでサービスが使い放題、という考え方が今の若者には受けているのでしょう。

コト消費・トキ消費とは?

コト消費・トキ消費とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

しかし、若者は全く消費しないわけではありません。
価値観の転換が起こり、「モノ」よりも「コト」「トキ」に支出するようになりました。

例えば「女子会」などお付き合いへの出費。
女子会という言葉が登場したことで、気軽に集まるようになりました。
回数が多いことから細かな支出は昔よりも増えているといえるでしょう。

さらにSNSで話題になるような体験をするコトにお金を使っています。
富士山に登ってきた、みんなで思い出を作るための旅行といったモノの消費ではなく、コトの消費が増えているのです。

モノ消費・コト消費とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
経済産業省に良い資料があったので引用します。

モノ消費
個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費すること。価値の客観化(定量化)は原則可能。在庫や輸出により時間的・空間的に広範に提供できるため、生産機器や施設などへの投資が生産性を高める。

コト消費
製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のことである。

平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/000827.pdf

コト消費とは「商品・サービスで得られる体験・経験に価値を感じ、お金を使うこと」という意味になります。
モノ消費は「商品・サービスの機能に価値を感じて使うこと」と言い換えることもできますね。

最近のPR方法は商品にどんな機能が追加されているのか? というものよりも、「商品を購入したことでどんな生活を送れるのか?」ということに力を入れています。
iPhoneのCMは性能の話などほとんどなく、iPhoneを手にすることでどんな生活になるのか? ということをイメージさせていますよね。
つまり、今の若者には消費を促すよりも、体験をアピールした方が効果があるのです。

こうした背景には「生活に必要なもの・買いたい物はすでに揃っている」ということが考えられます。
エアコン、テレビ、洗濯機などはすでに当たり前にあり、都会は交通網が発達しているので車も必要ありません。
そんな時代だからこそ、モノよりもコトに価値を感じるようになってきた、といえるでしょう。

これからモノを売るのなら、単純に性能だけでなく、新たな価値を付加することが重要です。
デパートなども売り場の面積を減らし、エステ、美術展のようにコト消費を促すような売り場を増やしています。
すでにモノは充分揃っているのだから、これからはコト消費をしてみませんか?

シニア世代もモノ・コト消費の価値観が浸透しはじめている

シニア世代もモノ・コト消費の価値観が浸透しはじめている

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

コト消費はシニア世代にも広がりはじめています。
特にシニアの富裕層は「コト消費」に大きなお金を使うようになってきているのです。

クルーズトレインともいわれる「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」「TRAIN SUITE 四季島」「ななつ星 in九州」などはまさに「コト消費」の代表格。
シニア利用者も多いですよね。
飛行機や新幹線で移動した方が早いのに、わざわざ高級ホテルのような列車で移動することで車窓を楽しんだり、列車内の雰囲気を楽しんだり、といった「コト」にお金を支払っています。

さまざまな趣味があるでしょう。
そのなかには何かを蒐集する趣味もあるかと思います。

一方で旅行や英会話教室など、モノはないけれど思い出やスキルになる趣味もあります。
最近こうした趣味が人気なのは「コト消費」が浸透しはじめているためだといえるでしょう。

ぜひ皆さんもお金を使うところを改めて考えてみてはいかがでしょうか?

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