あなたももしかしてモンスタークレーマー?正しくクレームを入れる方法とは?
商品を購入したり、サービスを利用したとき、満足できなかった場面に直面したとき、みなさんはどうされますか?
しかたないなと思って静かに諦める方、声をあげて不満を提供者にぶつける方もいるのではないでしょうか。
しかし、クレームを受け取る人もあなたと同じ人間。
クレームの方法、仕方、言い方によって理不尽に人を傷つけることになるかもしれません。
本日は「クレーム」について考えていきます。
「カスタマーハラスメント」が問題に
日本最大の産業別労働組合UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)が2017年10月に発行した「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果 速報版~サービスする側、受ける側が 共に尊重される社会をめざして~」が話題になりました。
参考
悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査結果 速報版
https://uazensen.jp/wp-content/uploads/2017/11/%EF%BC%88%E9%80%9F%E5%A0%B1%E7%89%88%EF%BC%89%E6%82%AA%E8%B3%AA%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C-2017.10_Part1.pdf
この調査結果にはクレームによって、サービス提供者がどのように感じているのか、といった情報が掲載されています。
クレームの本来の意味
同調査結果にはこのように書かれています。
クレームとは、商品・サービスに関して消費者から不満がおこり、会社(店舗)に責任ある対応を求め
られることです。クレームは消費者の意見がわかるアンテナでもあり、サービスを向上させるためには有
益な情報であるため、誠意ある対応をしていく事が基本的な姿勢として求められます。しかしながら、近年、報道等で謝罪している場面を数多く見かけるようになり、日常的に消費者から店
舗で謝罪要求を受けるようになっています。また、消費者の不当な要求を受け日常の仕事に支障が生じ、
流通・サービス業に従事する労働者に大きなストレスを与える事例が後を絶ちません。消費者からの不当
な要求は、ハラスメントの新しい領域としても社会的な問題となっています。また、私たちの産業は、顧客第一主義を大原則に掲げ、消費者の行動は常に正しいとの認識が強く、消
費者からの意見に対しては不当なものであっても耐えなくてはいけない風潮があります。そして、そのこ
とが社会的にもモンスター化する消費者を助長させ、接客応対の難しさから退職者の増加や働く仕事とし
て敬遠される傾向にあると言えます。
日本で「クレーム」というと、「ケチをつける」「文句を言う」のような意味で捉えられがちです。
ちなみに英語の「クレーム」の意味は「損害賠償を請求する」というようなさらに強い意味だそうです。
本来的には何かを要求する、という意味合いで使われることが多いようですね。
日本においては「苦情」という意味合いが強いでしょうか?
上の引用部分にも書かれていますが、本来、商品・サービスに対し、消費者から不満が起こり、会社などに責任ある対応を求めることがクレームなはず。
良いクレームは消費者の意見がわかりますし、サービスを向上させていくためには欠かせない情報です。
そのため、「お客様は神様」という意識を持ち、誠心誠意対応してきたのが日本でしたよね。
ところが、近年は「いちゃもん」をつける消費者が増えてきました。
こうした「クレーム」は誠心誠意対応してしまうと助長することになりますし、ないがしろにすると粘着されてしまうこともあります。
また、客側である消費者が「神様」の意識を持っていることが非常に厄介。
本来は提供者が「お客様は神様」という意識を持て、という話だったはずが、いつからか客が「神様」と勘違いしてしまっている状況が起こっています。
就業中に7割以上の人が迷惑行為に遭遇
同調査では、73.9パーセントの人が迷惑行為に遭遇したことがあるそうです。
迷惑行為の内容は「暴言」「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」「説教」「威嚇・脅迫」「長時間拘束」「セクハラ行為」「金品の要求」など。
人と関わる仕事をしている多くの人がこういった事態に直面しています。
迷惑行為を受けた人の90パーセント弱がストレスを感じており、なかには精神病を患ってしまう人もいるそうえす。
こうした消費者による嫌がらせは「カスタマーハラスメント」と呼んでおり、最近取り上げられる機会が増えてきました。
悪質クレーマーに対して最近は企業も毅然とした態度
今までは悪質なクレーマーに対しても、「神様だから」と穏便な対応をしてきた企業。
それに気を良くして、悪質クレーマーはさまざまな場所でいちゃもんをつけていました。
しかし、人不足の時代。
悪質クレームによって人が辞めてしまったり、企業に損害が出ることも少なくありません。
そこで最近では毅然とした態度でクレーマーに対応する企業も増えてきています。
実際に店員に土下座強要をして逮捕された例も少なくありません。
こうしたクレーマーに対し、弁護士を立てる企業も増えてきており、企業と消費者との力関係が均衡になりはじめています。
こうなると、本当のクレームも企業に言いにくくなってしまいます。
それは消費者にとっても、企業にとっても損失。
どうしてもクレームを入れなければならない場面、どのような言い方、伝え方があるのでしょうか?
どうしてもクレームを入れなければならないときに守るべきルールは?
まず大切なのは「怒らない」こと。
怒りの感情のまま、まくしたてるように苦情を伝えたとしても、それはただの「クレーマー」になってしまいます。
そのため、きちんと話を整理し、理路整然と伝えることが有効です。
どんな事象があって、それによりどのような問題があり、(どうして欲しいのか)、という3点を正確に伝えましょう。
また、その際は事象の証拠をきちんと保全しておくことも重要です。
たとえばレストランで食事にビニール片が混入していた場合。
どのようなクレームを入れますか?
多分クレーマーなら、「どうしてくれるんだ」「謝れ」「どうしてくれるんだ」と金品は要求せずとも、しつこく謝罪を迫ることでしょう。
上のルールに当てはめてみましょう。
まず「食べていた食事にビニール片が混入していた」「これによってもう食べられない」のように伝えてみましょう。
いきすぎた金品要求は脅迫になってしまいます。
きちんと事象を説明し、それによってどのような問題があったのかを冷静に、はっきりとした声で伝えましょう。
このほか、企業の製品などに不備があった場合、コールセンターに電話しても解決しないことがあります。
コールセンターには何の権限もないため、どうしようもないケースですね。
そんな場合、製品を販売している本社に問合せを行うのもよいでしょう。
このときも冷静に、怒らず、を心がけてみてくださいね。
普段からクレームを言わない人は、クレームを言うだけでドキドキしてしまいますし、自分が諦めればそれで良い、と考える方もいるかもしれません。
しかし、クレームは企業にとって非常にありがたいものなのです。
まっとうな不満であれば、ぜひ企業に問合せを行ってみてくださいね。
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