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もし、病気になって死ぬかもしれないとしたら、最期はどこにいたいですか?

もし、あなたが医者から死の宣告を受けたとしたら、最期はどこで迎えたいと思いますか?

多くの人が自宅で最期を向かいたいと思うかもしれません。
ところが、多くの人は病院で最期を迎えますよね。

みなさんにとって理想的な最期の場所はあるでしょうか?
旅行で訪れた素晴らしい場所、実家のあった場所など人によってさまざまでしょう。
本日は最期の場所について考えていきましょう。

人生最期の場所は「病院」が多数派

人生最期の場所は「病院」が多数派

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

超高齢社会を迎えるにつれて、関心が高まってきたのが「人生最期の場所」。

厚生労働省が2018年2月23日、終末期の医療に関する2017年度の意識調査結果を公表しました。

参考

厚生労働省:平成29年度 人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000200749.pdf

この結果は以下の目的で実施されたものです。

平成4年以降5年おき5回にわたって、一般国民及び医療介護従事者の人生の最終段階における医療に対する意識やその変化を把握するための調査を実施し、我が国の人生の最終段階における医療を考える際の資料として広く活用してきた。この度、最終調査から5年の月日を経て、昨今の一般国民の認識及びニーズの変化、医療提供状況の変化などに鑑み、再度、国民、医療従事者、介護施設職員における意識を調査し、その変化を把握することで、患者の意思を尊重した望ましい人生の最終段階における医療のあり方の検討に活用する。

平成29年度 人生の最終段階における医療に関する意識調査 結果より)

人生最期の場所だけで亡く、人生の最終段階における医療についても、多くの人の気持ちが表れている調査となりました。

まず、人生の最終段階のおける医療・療養についてこれまで考えたことがあるか? と訪ねたところ、一般国民(医療従事者以外)は「ある」と59.3パーセントの人が回答。
家族や医療介護関係者と話したことがあるか? という質問に対しては「詳しく話し合っている」「一応話し合っている」が39.5パーセントという結果になりました。

前回行われた平成25年度の結果と比較しても大きな差はありません。

末期がんともしも診断されたら

「Ⅰ-8 さまざまな人生の最終段階の状況において過ごす場所に関する希望 (2)最期を迎えたい場所 【ケース1】」という設問において、69.2パーセントの人が自宅と答えています。
これは、末期がんと診断され、状態は悪化し、今は食事がとりにくく、呼吸が苦しいが、痛みはなく、意識や判断力は健康なときと同様に保たれている場合で、回復の見込みはなく、およそ1年以内に徐々にあるいは急に死に至る場合、という前提がありますが、多くの人は自宅で過ごしたいと考えていることがわかるかと思います。


自宅を選んだ人に「なぜ自宅を選んだのか」を回答してもらったところ、トップは「住み慣れた場所で最期を迎えたい」の71.9パーセント。
7割の人が住み慣れた場所が良いと回答しています。
次いで多いのが「最期まで自分らしく暮らしたい」(62.5パーセント)、「家族等との時間を多くしたい」(50.7パーセント)、「家族等に看取られて最期を迎えたい」(35.8パーセント)、「経済的負担が大きい」(31.2パーセント)となりました。

実際に皆さんはどう考えていますか?
自宅で最期を迎えたい、と考えている理由はこのなかにあるでしょうか?

手助けが必要な場合なら

では、以下のケースの場合を見てみましょう。

【ケース2】慢性の重い心臓病が進行して悪化し、今は食事や着替え、トイレなど身の回りのことに手助けが必要だが、意識や判断力は健康な時と同様に保たれている場合
※回復の見込みはなく、およそ1年以内に徐々にあるいは急に死に至る。

この場合でも自宅で過ごしたいと思うのでしょうか?

自宅で過ごしたいと回答した人の割合は29.3パーセントと大幅減少し、医療機関と回答した人が48.0パーセントと増加しました。

自宅を選んだ人の理由としては「住み慣れた場所で最期を迎えたい」がこちらも82.1パーセントで1位。
「次いで最期まで自分らしく好きなように過ごしたい」(63.0パーセント)、「家族等との時間を多くしたい」(49.4パーセント)、「家族等に看取られて最期を迎えたい」(43.8パーセント)と割合こそ違えどランキングに変動はありませんでした。

やはり多くの人はこれらの理由で、自宅での最期を希望しているのだ、ということがわかりますね。

認知症なら

それでは認知症を発症した場合を見ていきましょう。

自宅で過ごしたいと回答した人の割合は14.8パーセントで、かなり少ないことがわかります。
対してこの場合多くなるのが、「介護施設」の51.0パーセントですね。

こちらも理由に関しては大きな変動はありませんが、家族等に看取られたいが、家族等との時間を多くしたいを上回っているのが特徴です。
実際に認知症にならないとつらさ、苦しみはわかりませんが、多くの人は自宅が良い、と考えていることがわかりますね。

ターミナルケアで事前に考えておく「最期」の過ごし方

ターミナルケアで事前に考えておく「最期」の過ごし方

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ターミナルケアとは、死を目前にした人のQOL(Quality Of Life=生活の質)向上を目指すケアのこと。
治療目的ではなく、残された時間をどのように有意義に過ごすのか、過ごしやすくするのかを目標としたもので、1960年代にイギリスのホスピスから欧米に波及していきました。
日本においても1980年代以降、緩和ケアの発展も手伝って、ターミナルケアが重要視されてきています。
日本だと「終末期医療」なんて言われたりしますよね。

ターミナルケアを開始する時期は本人や家族に任されていますが、「延命を諦める」ということなので、なかなかつらい決断を迫られることになるでしょう。
がんなどの病気の場合、余命宣告を受けたり、余命が見えてきたり、あるいは寝たきりになり介助がなければなにも食事などもできない状態になったときにはじめる人が多いそうです。

ターミナルケアでは、痛みなどの症状を軽くする「身体的ケア」。
それからリラックスできる環境を整える「精神的ケア」。
医療費負担をソーシャルワーカーなどと話す「社会的ケア」。
などを行っていきます。


病気によって死を宣告された人の多くは、否認、怒り、取引、抑うつ、受容という5つのプロセスを踏むといわれています。
否認から抑うつまでの間には、「どうして自分だけなんだ」という怒りだったり、死への恐怖・抵抗感・不安などが行動だけでなく、言動として表れてきます。
本人はもちろん、家族にとってもつらい時期ですが、ターミナルケアを行う上で、外せないプロセスになります。

このように最期をどのように迎えるのか、しっかりと向き合えるのがターミナルケアの良いところ。
自宅、介護施設、病院などさまざまな場所で行っていけるので、ぜひターミナルケアのことを頭の片隅に置いておいてくださいね。

死生観を生前に伝えるメリットと方法

死生観を生前に伝えるメリットと方法

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自分が生きること、死ぬことをどのように考えているのか、という「死生観」は事前に家族と共有しておいた方が良いでしょう。
日本において、死はタブーとされがちですが、最近では「終活」ブームも手伝い、後ろ向きな意味ではなく、これからどう生きるか、という意味に捉えられはじめています。

おすすめは終活でエンディングノートをきちんとつけること。
自分が死に向かうとき、どのようなことをして欲しいのか、死後どのようなことをしてほしいのか、をしっかりと書き記しておきましょう。

「葬式は死んだ人のためじゃなく生きている人のためのもの」なんていいますが、生きている人が後悔しないよう、「本人の遺志を尊重しているのだ」と家族に思わせてあげるのも大切です。
ぜひエンディングノートに自分の死生観、死後の希望を綴ってみましょう。

コメント
  1. 卒寿を目前にして、自分史「私の歩んだ道」を起稿した。
    先ず誕生後の国内・海外の年代別出来事に、自身の生活変遷を併記しての年表を作ることから始めた。
    新聞社などが発行した年代史に、社会人になってからの日記が大いに役立っている。脱稿できないかもしれないが、ボチボチ気ままに書き進めたいと思う。
    この世に生を受けて以来、喜怒哀楽に包まれた人生だが、自分が生きた証として書き残しておきたい、私のロマンである。

  2. 先日NHKで認知症の権威の先生が認知症になった番組がありました。その中で、若い時、先生は認知症患者は週に1回でも施設で過ごし、気分転換を図ったり、その間家族もゆっくりしたりするのが良いとおっしゃってました。でも、そんな施設に入るようになった先生は言いました「こんなところに来たくない」と・・・。高齢者は我が強くわがままですし、性格の違いもあり、先生は其の施設に行ったら、帰るまで殆ど一人でボーとしていました。年を取れば自宅が良いのは当然です。デーケアーに行きたい人が本当に要るのか疑問に思いました。

  3. ターミナルケア、終活とは言ったものの家族の居ない方はどうするの?私は献体登録しております。
    其の為には病院で死ねることが一番です。ケアとかホームで亡くなると事故死となり、訪問医、警察官が関わってきます。又病院で死ぬ時にも、必要以上の治療をせずに済むために意思表示をして置くべきです。それ以前に生産性の無くなった高齢者は、次世代の担い手に報いるべく、百歳は目出度いなど言わずに早めの心の準備が必要かと思われます。

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