今後増えていく無人店舗、定年退職後のビジネスとして検討してみるものあり?
少子高齢化社会が進み、人手不足や人件費の値上がりなどにより、無人店舗が増えています。無人店舗が注目されているなか、新型コロナウイルス感染症が流行し、無人店舗への関心が非常に高まっているのです。
無人店舗はアパレルをはじめさまざまな業態で展開されていっています。
本日は無人店舗のシステムや定年後のビジネスとしてどうなのか解説していきます。
最近増えている無人店舗とは?
無人店舗経営は今後さらに広がっていくとみられている経営スタイルのひとつ。人件費を大きく減らすことができますし、機械的な会計システムを導入することで、会計業務をより効率化できます。このように無人店舗経営にはたくさんのメリットがあるのです。
まずは無人経営とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
無人経営とはそもそも店舗に従業員は置かず、代わりに機械が接客〜会計までを行ってくれるという経営スタイルのこと。
具体的にはコインランドリーなんかが無人経営の代表格でしょう。ユーザーは洗濯機や乾燥機といった機械にお金を入れて、自ら洗濯機をかけて、乾燥機をかけるといった動作を行いますよね。コインランドリーに行ったことがある方なら、すでに無人店舗を体験しているのです。
このほか、最近では店舗に人がひとりもいないアパレルショップや、従業員が極端に少ないコンビニエンスストアなども展開され始めています。ただし、小売店の場合、まだ完全に無人化するのは難しいそうです。アパレルショップのなかにはすでに完全無人の店舗も存在します。立地が多少悪くても店舗維持費はかなり安く抑えられるので、もしかするとお住まいの地域の近くにもあるかもしれません。
とはいえ、品出しや返品といった作業は従業員が行わなければなりません。そのため、小売店に関しては完全無人ではなく、従業員がひとりいるというケースが多いようです。
小売店の場合、商品ひとつひとつにICカードが取り付けられており、このICカードを読み取ることで自動的に会計処理が可能なものもあるようです。
Amazon Go
無人コンビニ「Amazon Go」が有名な小売店でしょう。2016(平成28)年12月5日、Amazon社は完全無人店舗「Amazon Go」を始めました。日本でも同様のスタイルのコンビニエンスストアは、都内を中心に広がり始めています。
Amazon GOは無人コンビニであるだけでなく、レジに人がまったくいないコンビニでもあります。車の自動運転技術でも活用されているコンピューター・ビジョンとディープラーニング、センサー技術を組み合わせて、無人技術を実現しているそうです。利用する際はスマートフォンを持って店舗に入るだけで、スムーズに商品の決済を行うことができます。
AmazonGOはまず入店時に、専用のアプリが必要です。アプリで入店用バーコードを表示させ、入口のゲートにかざすことで入店することができます。
あとは普通の買い物と一緒。ほしい商品を手に取ると、アプリのカートに自動的に商品が追加されます。購入をやめるときは棚に戻すだけで、アプリのカートからは自動的に削除されるのです。
購入するモノが決まったら、買いたい商品を持って店を出るだけでOK。会計処理は一切不要です。というのもAmazonのアカウントから購入した分が自動で決済されるため。購入した証である領収書はアプリ内に届く仕組みになっています。
会計という一手間を省くだけで、とても快適な買い物体験を提供してくれるAmazon GO。人手不足が叫ばれる現代ですから、こうした新しいスタイルの店舗が日本でも増えていきそうですね。
無人経営が可能な業種とは?
無人経営について戻って、より詳しく見ていきましょう。
前述の通り、無人経営は日本だとコインランドリーが代表的ですよね。特に近年はコインランドリーの店舗数が急増しており、生活圏に何件もコインランドリーがある、という方も少なくないのではないでしょうか。無人経営という視点だと、コインランドリーはすっかりと日本の生活に定着した無人店舗だといえるでしょう。
このほか、最近ではコンビニエンスストアやスーパーもセルフレジを導入していますよね。というのも2021年の東京都の最低賃金は1,041円。1989年は601円だったことを考えると、2倍近く最低賃金が上昇しています。しかし日本のインフレ率はこの30年間大きく変わってはいません。また、厚生労働省が発表している大卒初任給で見てみると、1992年は18万6,900円で、2021年は21万3,003円と、こちらは3万円ほど伸びてはいますが、日本人の平均年収で見てみると、1992年は455万円、2021年は436万円(いずれも国税庁の調査)となっており、下がっていることが分かります。
つまり、物価は変わっていないのに、時給だけがどんどん上がっているということですね。また、年収が減少しているということは、消費するお金も減っているということです。売上は以前よりも上がりにくいのに、給料は高くなっている。こんな状況を打破するために、できるだけ労働する人数を減らす、というのは当然の流れでしょう。小売店で進むセルフレジ導入の背景にはこうした事情が大きく絡んでいます。
だからこそ、無人経営がより注目を集めているのです。
無人経営のメリット
無人経営のメリットから見てみましょう。
まずは人手不足を解消できるという点ですね。
従業員は不要で、基本的に機械が労働する無人経営は人材確保という面で非常に優れています。従来型の店舗ビジネスの場合、どうしても人に依存してしまいます。無人経営であれば、こうした人の悩みとは無縁なのです。
次にレジの混雑を回避できる、という点ですね。コンビニエンスストアやアパレルなどの小売店では、レジがどうしても混雑する瞬間があります。無人経営であれば、レジ業務を無人化することで、結果的に会計スピードが上がり、混雑を回避する効果が期待できます。
UNIQLOを利用されたことがある方ならわかるかと思いますが、最近のUNIQLOはタグにICチップが埋め込まれており、台に置くだけで即座に会計金額が表示されますよね。このように会計スピードがかなり向上するのです。
また、人に依存しないため、人が起こす問題、トラブルとは無縁です。たとえば商品のスキャン漏れ、お金の数え間違えなど、特に小売りビジネスにおいては致命的なミスも、機械であればほとんどありません。
無人経営のデメリット
一方で無人経営に関してはデメリットも存在します。
まずは導入コストがかさむということですね。
どんなビジネスを展開するかにもよりますが、たとえばコインランドリーなら、20坪ほどの店舗で2,000万円〜3,000万円ほどの出店費用がかかるようです。
小売店などでレジを無人化する場合、機械を購入したり、リースしたりなど、ここでも初期投資が必要になりますよね。人件費を削減できる分、機械への投資がとても大切になってくるのです。
このほか、セキュリティ面においても無人店舗は不安が残ります。特に小売りビジネスの場合、万引き被害に遭う可能性が高くなるでしょう。無人のトレーニングジムなどでは機材の盗難なども考えられますよね。コインランドリーでも衣類が盗まれた、なんて話はよく聞くもの。どれだけ監視カメラを設けていても、こうしたセキュリティ面での不安は完全に解消することは難しそうです。
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