【青田】
山々を低く覚ゆる青田かな　　　　　　 蕪　村
朝起の顔ふきさます青田かな 　　　　　惟　然
一点の偽りもなく青田あり 　　　　　　山口誓子
耶蘇なりや青田の海を踏み来るは 　　　西東三鬼
虹の中人歩き来る青田かな 　　　　　　松本たかし
みちのくの青田に降りる山の雲 　　　　岸田稚魚
大佐渡や一気に海へ青田落つ 　　　　　河野南畦
日の落ちしあとのあかるき青田かな　　 久保田万太郎
青田出て色失へり余り水 　　　　　　　篠田悌二郎
ところどころ風吹いてゐる青田かな 　　山口いさを
傘さしてふかれに出でし青田かな　　　 加舎白雄
これぞ加賀百万石の青田かな　　　　　 渋沢渋亭

明日の兼題は、「蝉」です。