【蓮】
手にもてば手の蓮に来る夕かな 　　　河原枇杷男
遠き世の如く遠くに蓮の華 　　　　　山口誓子
蓮の花開かんとして茎動く 　　　　　滝沢伊代次
白う咲きてきのふ今日なき蓮かな 　　渡辺水巴
蓮の香や水をはなるる茎二寸 　　　　蕪 村
利根川の古きみなとの蓮かな 　　　　水原秋桜子
古代蓮開くや紅のほの暗し 　　　　　久保田月鈴子
城攻めの騒ぎよ蓮の葉も花も 　　　　鷹羽狩行
揺らぎては刻あをあをと古代蓮　　 　鍵和田釉子
白蓮を映し彼の世の水となる 　　　　満田春日
蓮散華美しきものまた壊る 　　　　　橋本多佳子
水中に夕日爛熟花蓮 　　　　　　　　野澤節子

明日の兼題は、「虹」です。