【秋麗】
仏掌の上の虚空や秋麗ら　　　　　　　　 町田しげき
天上の声の聞かるゝ秋うらら 　　　　　　野田別天楼
秋麗の魞舟が揚ぐ小蝦跳ね 　　　　　　　山口草堂
秋麗ガラスの如く村ありぬ　　　　　　　 大橋敦子
田の中に赤き鳥居や秋うらら 　　　　　　邊見京子
秋麗やわが影塀につきあたる 　　　　　　木下子龍
学僧のふどしが干され秋麗 　　　　　　　石川桂郎
捨猫を見しまでは野の秋うらら　　　　　 林 翔
伎芸天をろがみ出でて秋麗ら 　　　　　　鈴鹿野風呂
秋麗の禅苑人語つゝしみつ　　　　　　　 滝 峻石
秋うららガイドの私語の土地訛り　　　　 篠田悦子
秋うらら色の出る間のポラロイド 　　　　こしだまほ

明日の兼題は、「冷まじ」です。