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東京シティガイド【最終回】ありがとうございました

お久しぶりです。東京シティガイドのネジ根塚です。
これまでに5回にわたって、お江戸東京のドタバタ・ガイドの顛末をご紹介させていただきました。諸般の事情により、残念ながら今回が最後とあいなりました。短い間でしたが、つたない読みものにお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

東京タワー

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

もうお別れではあるのですが、いまだ駆け出しであることに変わりはありません。浅草、銀座、小石川、後楽園などなど…自転車をこぎ回っては勉強の日々です。
でも、脳ミソの硬直化はいなめず、なかなか思うに任せません。「出たとこ勝負~」と開き直ってお客さまをお迎えするのですが、結局は“お笑い系”ガイドという、邪道に迷い込むばかりなのは悲しいところであります。

【ガイドの思い出】東京駅

【ガイドの思い出】東京駅
見事に復元された東京駅ですが、JRはその費用をかけずに工事をまかなったって、ご存じですか。という最高の振りを仕込んであります。というのも、JRはもっと高層ビルにしようと計画していたのですが、歴史的景観を大事にせよとなり、現在のような低層に。代わりに、空中を利用する権利である「空中権」を丸の内周辺のビルに売却して、およそ500億円の修復費用をひねりだしたそうです。

そんなドタバタでも、学びがないわけではありません。まったくの白紙からのスタートでしたから、学びばかりというのが実感でもあります。

最初の発見は「歴史って面白い」でした。私は『歴史苦手=嫌い』⇒『理科系』という単純なルートで還暦越えしてしまいました。自慢ではないのですが、歴史議論になるとまるで「ちんぷんかんぷん」でした。

リテラシーの髙いスローネット読者の皆様はご存知のことかもしれませんが、「ちんぷんかんぷん」の語源はチンプートン(听不懂)、カンプートン(看不懂)だそうです。听不懂=聞いても分からん、看不懂=見ても分からん…まさしく「わたし」! でした。そんな還暦オヤジが『分からんから調べる』と、少しだけ成長したのでした。すると面白いのなんのって! 調べるほどにネタが増えてくる楽しさが、歴史の醍醐味だと発見した次第でした。

しかし、一番の発見は『歴史って怖い』でした。楽しくなってどんどん調べたり、読んだりしていくうちに、心の中でイメージが膨らんでいきます。そのうちなんとなく、自分の中に固定観念みたいなものができてきます。自分のなかで勝手に膨らませているうちはよいのですが、これを誰かに話すとなると、ちょいとばかり厄介なことになりかねません。と言いますのも、歴史というのは真反対の解釈も可能な場合が多いんですね。そしてそちらを自説とされる人々もおられる。

【ガイドの思い出】麻布山善福寺

【ガイドの思い出】麻布山善福寺
江戸名所図会にも載っている名刹です。現在の港区元麻布にあります。麻布や六本木界隈のお寺やお屋敷のガイドでは欠かせません。近所には美味しい飲食店、著名人の家などがあり、脱線必至のエリア。

例えば…
元禄の冬…松の廊下の事件の怨恨を晴らさんと、四十七士は両国の屋敷へ向かい、見事主君の敵を討ち、泉岳寺へ…とか
幕末の江戸…しんしんと雪ふる未明、とある神社に集まる十数名の脱藩藩士たち…
大老はその朝、胸騒ぎしつつも白くなった道をいつもの「門」へ向かう
ご存知「忠臣蔵(赤穂事件)」や「桜田門外の変」の景色であります。これらの出来事は、えてして一方は悪者に、他方は美談のように描かれることが多いです。私もこれまでそのような観点でとらえてきました。でも、視点をかえて、吉良家や井伊家からみると、まったく違う世界が広がります。幕末のヒーローたちも同様の目線で見ると、武器商人だったり、テロリストに見えたり…
 60の手習いレベルの知識でやれ、「咸臨丸はすごい」とか「江戸無血開城を成し遂げたのはえらい」とか簡単に言っていたのですが…「咸臨丸なんて太平洋往復しただけでどおってことねえよ。おめえは同じ時期に世界一周した人たちを知らねえのか?」とか「誰が最初に無血開城の交渉をしたのか知ってるか?いいとこどりした奴じゃねえぞ!(怒)」みたいな話を聞いたとき、ジャイアント馬場の『空手チョップ』を食らったような気がしました。(もちろん食らったことなどないのですが、先日他界されたデストロイヤー…好きでした…で思い出してしまいました。) これまで思っていたことが覆された瞬間でした。歴史って怖い。だから面白い。

さて、その日のお客さまがどう思われているのか。楽しんでいただきたいのはヤマヤマなのですが、一方に偏った見方で話すことはできません。公正な立場を忘れちゃなんねえ、と学んだのでした。

でも! 難しいのは実はそこからなのでした。 
「変なことは言っちゃいけねえ。思い入れもし過ぎちゃならねえ。」
そう考えると…話すネタが「オモロクナイ」のです。史実を公平にお話ししても、お客様は「ふ~~~ん」程度のご反応。自分がゲストだったら、間違いなく「ふ~ん」だと思います。

【ガイドの思い出】WAKO 服部さん時計店

【ガイドの思い出】WAKO 服部さん時計店
初代ゴジラが時計台を壊した、あまりにリアルな映画のシーンに度肝を抜かれた人たちは、本当に壊されちゃったのか、銀座に確かめに来たそうな。服部時計店が東宝に抗議したところ、東宝は「うちのビルも壊されてますので」と苦しい釈明をしたとか。最近のシンゴジラ映画でも再度破壊され、やはり銀座の象徴はWAKOだよね、と再認識された。

 じゃあ、どうすんだ。考えついたのが、地理や食べ物など、たくさんの引出しを作って、お客さまを飽きさせないことです。オモロイガイド、デキルガイドはきっとそうなのに違いない。そう確信している今日このごろであります。

どこかの旅先でガイドさんの話を聞く機会がありましたら、悪戦苦闘しているオッサンガイドの話を思い出していただけましたら幸いです。

どこかでお会いできることを念じて。

ネジ根塚拝

根塚さんプロフィール


ネジ 根塚(ねじ ねづか)


還暦チョイ過ぎ「ちょい悪オヤジ」になれないちょいと残念!なオッチャンです。鉄道模型(Nゲージ)好きで新しいジオラマを画策中、が妄想の独り歩きで手が動かず…老人ホームや小児病棟の子たちにジオラマを持参して見せてあげるのが夢です。 家族の顰蹙をよそに、とうに卒業した娘の女子校で出会った父親仲間(通称:卒業できないオヤジ達)との交流を楽しんでおります。


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