♠個性を表すスタンプ♦

アナログのスタンプに再注目

枠の中に表現する美学

「スタンプ」と聞いて思い浮かぶのは、通話・メッセージアプリで感情を表現したり、メッセージを伝えたりするイラストのスタンプだという人は多いことでしょう。ビジネスの現場でも、パソコンで作成した書類に押印できる「電子印鑑」の普及が進んでいます。デジタルのスタンプが主流になりつつあるなか、紙に押すアナログタイプのスタンプにも再び注目が集まっています。そもそも日本人は、古くから「はんこ」いわゆるスタンプに慣れ親しんできたといえます。紙の文書に押印することで、承認のしるしとするのが古くからの慣習になっており、に添えられた落款（らっかん）にはできるところが魅力のようです。

買って楽しむスタンプ

実用に使える職人の手彫り

印鑑の専門店でよく売れているのは、実用的に銀行印として使えるもの。名前の背景に花や動物などを透かし彫りで入れたものは、職人による手彫りで偽造に強いところがポイントです。結婚祝いや出産祝いの贈り物としてオーダーする人も増えています。犬や猫などの動物が写真そのままのイメージでスタンプになったものや、写真から書き起こした人物の似顔絵を彫り込んだはんこなど、アイデアを生かしたスタンプも登場しています。文具・雑貨店では、季節の花やスイーツ、ペンやめがねなどの雑貨をモチーフにした図案、モダンな幾何学文様に唐草やペーズリーといった流麗な装飾文様など、多彩な図案がそろっています。「ありがとう」や「お疲れさま」などメッセージが書かれたものは、社内メモとしても活用できます。

作って工夫するスタンプ

ビギナーでも意外に簡単

スタンプを自作する人も増えています。印材は石のほか、水牛の角や木材、ゴム版など。安価で扱いやすい印材を手軽に入手することもできます。ビギナーなら、消しゴムがおすすめ。消しゴムはんこ専用のものは印面が広く彫りやすく、彫刻刀やインク、図案などがセットになった便利なキットも市販されています。インクは紙や布、木、ガラス、プラスチック、皮革など、いろいろな素材に適したカラフルなものが数多くあります。紙用は普通紙のほか、あるものなど、さまざまな質感が表現できるインクもあるので、使い分けると楽しさもぐんと広がりそうです。必要な道具がそろったら、まずは三角や四角、丸、しずく型など簡単な形を彫ってみましょう。三角や丸に彫刻刀で模様をつけるだけでも、かわいいはんこができあがります。直線や曲線を彫るコツがつかめたら、ハートや星、三日月の形にステップアップしてみましょう。

押し方のバリエーション

色や配置にひと工夫して

自作のスタンプができあがったら、さっそくいろいろなものに押してみましょう。手紙やグリーティングカード、ラッピングペーパーなどに押すと、個性やセンス、相手への思いを温かく伝えられそうです。毎日使うメモ用紙や手帳、カレンダー用に、「会議」「ショッピング」「デート」など行動別のアイコンスタンプを作っておけば、見た目がかわいいだけでなく、文字だけで予定を書き込むよりも分かりやすくなるので機能的です。ハンカチや手ぬぐい、布製ポーチやバッグなどに、一つの図案をカラフルなグラデーションインクを使ってにぎやかに並べたり、大小サイズを変えてランダムに散りばめてみるのも素敵です。キッチンでは木製のサラダボウルやランチョンマットに、バスルームではプラスチックや陶器などのシャンプーボトルに、庭やベランダではテラコッタの鉢など、日常のさまざまなシーンを彩るものにスタンプを押すだけで、世界でたったひとつのオリジナルに早変わり。手作り感を存分に味わいましょう