監督/マーティン・マクドナー

キャスト
フランシス・マクドーマンド
ウディ・ハレルソン
サム・ロックウェル

先日、発表されたアメリカアカデミー賞で主演女優賞、助演男優賞をとった映画。

殺された娘の犯人を捕まえられないでいる警察署に対し
デッカイ看板に、その不満の文面を掲げて
大きく告発する母親の話しです。

スリーというだけに
話しの中心に三人の人物が現われます。

それぞれの人物像はしっかりしていると思いました。

特に母親（フランシス・マクドーマンド）の表情なんかは
微妙な感情を表して繊細な感情表現は凄いです。

この映画、とっても評価が高いのです。

でも、私としては何かが足りない感じがするんです。

例えば母親は、それほどまでにして
何に対し怒っているのか伝わってこない…
どうしてかというと
告発している警察署長（ウディ・ハレルソン ）とは仲が良いのです。
じゃあ、なんで告発するのか？
犯人についてか…
自分の娘への至らなさからか…
そこがうまく伝わってこないので、こちらの心が動かない…

署長（ウディ・ハレルソン）の
部下（サム・ロックウェル ）にしてもそうなんです。

ロックウェルは、
この母親（マクドーマンド）に対しブチぎれます。
ましてや母親の依頼をうけた看板の会社にも…
なんで、そんなに怒るのか…
署長に惚れているのか、と思ってしまいました？？？
暴れているシーンが多いので、この警官、仕事してるの？
とさえ思いました．

署長（ハレルソン）にしても、そうです。
信頼の厚い部下（ロックウエル）に対して、
文面ではなく、本人に面と向かってなんで諭さないのか？
母親を支援すると言っていながら
誤解を呼ぶような手段を、何故あえて選ぶのか？
どうして自分の思いを発表しなかったのか？

その原因は
三人の関係を整理しておかなかったからではないでしょうか？？？

だから、見ていて、ちっとも深まらないんです…
話しに入ってけないんです…
私だけでしょうね…

あの看板に火をつけたのは誰か？

追いかけていった後、二人はどうするのか？
（その結果が思い描けないのです）

この映画、疑問ばかりが浮かんできます…



これは私の勝手な憶測ですが…
看板に告発文を出すといったアイデアがまず浮かび、
その後に人物像を作り出したと思おもわれます。
看板と人物のつながりは納得がいきます。
告発するような強い感情が芽生えるのは
親の情念以上のものは考えられません。
親が向かう矛先は警察組織がいい、と思ったのでしょう。
個人に向けるとなると、また違った問題が生じます。
でも国家権力が本気で向かってきたら、一人の人間なんかあっという間にねじ伏せられます。
だから、お互いに心は繋がっているとしたかったのでしょう…
それで物語の構成については
これで出来上がった、と安心してまったのでは…
だから、
それで人物同士の関係をおざなりにしていまったのでは
ないでしょうか…
その為でしょうかテーマが見えないんです…
何が言いたかったのだろうか…

私だけの感想だとは思うのですが………