【雪柳】
いつの間に月光なりし雪柳 　　　　　　　多田裕計
月うるむ地にただようて雪柳 　　　　　　石原八束
雪柳老の二人に一と間足り 　　　　　　　富安風生
雪柳花みちて影やはらかき 　　　　　　　沢木欣一
雪柳吹かれもつれて花こぼす　　　　　　 岡田虚風
雪柳花にも重さありにけり　　　　　　　 落合水尾
雪やなぎ白濃き午前海が見たし　　　　　 大野林火
鉄橋のとゞろきてやむ雪柳　　　　　　　 山口誓子
花屋の荷花をこぼすは雪柳 　　　　　　　大谷碧雲居
雪柳一ト朝露を綴りけり 　　　　　　　　松本たかし
雪やなぎ海竜王寺風もなし　　　　　　　 百合山羽公
たえず風やり過しをり雪柳　　　　　　　 高木晴子

明日の兼題は、「春愁」です。