【裸】
裸子をひつさげ歩く温泉の廊下 　　　　　　高濱虚子
一群の裸子光り来たりけり 　　　　　　　　不破 博
ともに裸身ともに浪聴き父子なる 　　　　　大野林火
裸子をひとり得しのみ礼拝す 　　　　　　　石橋秀野
裸子や涙の顔をあげて這ふ 　　　　　　　　野見山朱鳥
道問へば露地に裸子充満す　　　　　　　　 加藤楸邨
伸びる肉ちぢまる肉や稼ぐ裸　　　　　　　 中村草田男
炎天の巖の裸子やはらかし 　　　　　　　　飯田龍太
裸子の尻らつきようのごと白く 　　　　　　本井 英
海の闇はねかへしゐる裸かな　　　　　　　 大木あまり
裸の子抱けば丸ごと命かな 　　　　　　　　仙田美津子
温泉の神に燈をたてまつる裸かな 　　　　　飯田蛇笏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

明日の兼題は、「夏の蝶」です。