【露霜】
露霜に卵掴みて歩きをり 　　　　　　　　石田波郷
露霜や死ぬまで黒髪大切に 　　　　　　　橋本多佳子
水霜と思ふ深息したりけり 　　　　　　　草間時彦
水霜を浴びて白菜緊まりけり 　　　　　　阿波野青畝
つゆじもの烏がありく流離かな 　　　　　加藤楸邨
露霜やわけても美濃の刀鍛冶　　　　　　 金子青銅
水霜をたもちて菊の重さかな 　　　　　　宮沢賢治
痩せし身の眼の生きるのみ秋の霜　　　　 飯田蛇笏
秋霜の降らむばかりの衾かな 　　　　　　原 石鼎
つゆじもや清瀬に波郷の女弟子 　　　　　角川源義
百年の柱の木めや秋の霜 　　　　　　　　野 坡
露霜の結ばむとする微塵かな 　　　　　　空 華

明日の兼題は、「落鮎」です。