【秋の蛍】
たましひのたとへば秋の螢かな　　　　　 飯田蛇笏
瀬をのぼるうすきひかりの秋蛍　　　　　 石原八束
秋蛍草葉の闇のゆるびけり 　　　　　　　山口草堂
ゆら～と秋の螢の水に落つ 　　　　　　　寺田寅彦
沼の香の他界を見たる秋螢 　　　　　　　河野南畦
白光の湯冷めをそそる秋蛍　　　　　　　 殿村菟絲子
山の湯にたまたま秋の螢かな 　　　　　　加藤三七子
秋蛍放てば草に縋りけり　　　　　　　　 宮下翠舟
寂然と残る蛍となりて野に 　　　　　　　中村苑子
秋の蛍露より薄く光りけり 　　　　　　　麦 水
秋の螢女は夜を淋しがる 　　　　　　　　石井露月
月代にあがりて淡し秋螢 　　　　　　　　相生垣瓜人

明日は予備日です。