【団栗】
団栗の己が落葉に埋れけり 　　　　　　　　渡辺水巴
子の帯を解けば団栗落ちにけり 　　　　　　矢部金柑子
団栗や倶利伽羅峠ころげつゝ　　　　　　　 東洋城千句
抽斗にどんぐり転る机はこぶ 　　　　　　　田川飛旅子
団栗の葎に落ちてくゞる音 　　　　　　　　鈴木花蓑
どんぐりの坂をまろべる風の中 　　　　　　甲田鐘一路
どんぐりの山に声澄む小家族 　　　　　　　福永耕二
落城の碑を団栗の打ちにけり 　　　　　　　加藤三七子
どんぐりの落ちて来さうな露天風呂 　　　　滝 佳枚
団栗を混へし木々ぞ城を隠す 　　　　　　　石田波郷
団栗の二つであふれ吾子の手は 　　　　　　今瀬剛一
団栗を掃きこぼし行く箒かな 　　　　　　　高浜虚子

明日の兼題は、「草の花」です。