【蜻蛉】
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 　　中村汀女
蜻蛉やとりつきかねし草の上　　　　　 芭 蕉
大利根の水を見にゆく銀やんま 　　　　火村卓造
蜻蛉のさらさら流れ止まらず 　　　　　高浜虚子
蜻蛉や村なつかしき壁の色 　　　　　　蕪 村
夕空のひとときの色蜻蛉湧く 　　　　　青木重行
鬼やんま湿原の水たたきけり 　　　　　酒井 京
夕月も蜻蛉も天にとどまれり 　　　　　岡田日郎
大仏にとまらんとする蜻蛉かな 　　　　河野南畦
高原の蜻蛉は空を従へり 　　　　　　　角川春樹
まつすぐに噛みつきさうに鬼やんま 　　松沢満里子
山風や棚田のやんま見えて消ゆ 　　　　飯田蛇笏
白壁に蜻蛉過る日影かな 　　　　　　　黒柳召波

木曜日の兼題は、「鰯雲」です。