【干柿】
夜空より外しきたりぬ吊し柿 　　　　　　八木林之助
干柿の緞帳山に対しけり 　　　　　　　　百合山羽公
干柿の種のほつそり物思ひ　　　　　　　 鍵和田釉子
柿干してけふの独り居雲もなし 　　　　　水原秋櫻子
吊柿鳥に顎なき夕ベかな 　　　　　　　　飯島晴子
山国や星のなかなる吊し柿 　　　　　　　木内翔志
甘干に軒も余さず詩仙堂 　　　　　　　　松瀬青々
半日の陽を大切に吊し柿 　　　　　　　　甲斐遊糸
どの家も軒に柿干し札所道 　　　　　　　浅見さよ
縁側は母の仕事場吊し柿 　　　　　　　　高橋悦男
釣柿や障子にくるふ夕日影 　　　　　　　丈 草
吊し柿一夜に冷えし関ヶ原 　　　　　　　伊藤伊那男

明日の兼題は、「啄木鳥」です。