【藁塚】
藁塚に一つの強き捧挿され 　　　　　　　　　　平畑静塔
藁塚をのこしてすでに何もなし　　　　　　　　 谷野予志
藁塚の同じ姿に傾ける　　　　　　　　　　　　 軽部烏頭子
うづくまるあまたの藁塚の一つかな 　　　　　　富安風生
藁塚の中棒突き抜けて湖晴るる 　　　　　　　　猿橋統流子
藁塚の始めの束の据ゑらるる　　　　　　　　　 井上弘美
けふ寒き藁塚に手をさし入れぬ 　　　　　　　　中村草田男
日の出待つ霜の藁塚地に充てり 　　　　　　　　沢木欣一
藁塚が濡れしままにて夜に入る 　　　　　　　　鈴木六林男
藁塚まで畦曲りゆく見事さよ 　　　　　　　　　水原秋櫻子
藁塚や志賀に二つの都阯 　　　　　　　　　　　中山碧城
藁塚の傾いてゐて倒れざる　　　　　　　　　　 杉阪大和

明日は予備日です。