【師走】
何にこの師走の市にゆく烏　　　　　 芭 蕉
病む師走わが道或はあやまつや　　　 石田波郷
うすうすと紺のぼりたる師走空　　　 飯田龍太
極月の山彦とゐる子供かな　　　　　 細川加賀
極月の水を讃へて山にをり 　　　　　茨木和生
建長寺さまの托鉢来て師走 　　　　　宮下翠舟
大空のあくなく晴れし師走かな 　　　久保田万太郎
極月やべたべた貼られ千社札 　　　　河野友人
止り木に離れて坐る師走かな 　　　　角川春樹
極月やかたむけすつる桝のちり 　　　飯田蛇笏
極月の観音洗ふ大たわし 　　　　　　五十嵐波津子
極月や犬にもひらく自動ドア 　　　　三田きえ子

金曜日の兼題は、「牡蠣」です。