12月後半のサークル句会の選句結果です。今回の一席は、翔行さんの「山茶花」の6点句、二席は、方舟さんの「年の暮」の5点句、三席は、しょうくさんの「冬日」とTOTOROさんの「日向ぼこ」の4点句でした。一席は、羅漢の百態の山茶花との取合せ、二席は、年の瀬の点描です。本年は大変お世話になりました。来年もまたよろしくお願い申し上げます。

一席　６点句（◎◎◎◎◎○）
　　23.山茶花や微笑む羅漢泣く羅漢　　　　　　　　　　翔 行
二席　５点句（◎◎◎○○）
　　04.命綱つけて窓拭く年の暮　　　　　　　　　　　　方 舟
三席　４点句（◎◎◎○）
　　24.里山の木立突き抜け冬夕日　　　　　　　　　　　しょうく
　　53.平成も終りの話日向ぼこ　　　　　　　　　　　　TOTORO

４点句（◎◎○○）
　　34.ちちははの位牌を拭いて年惜しむ　　　　　　　　さんせん
　　　（◎○○○）
　　11.おほかたは池の日溜り浮寝鳥　　　　　　　　　　昇 峰
　　57.武蔵野の畑を平らに空つ風　　　　　　　　　　　方 舟
３点句（◎◎○）
　　48.野も山も静まり返る真夜の雪　　　　　　　　 　孤 山
　　60.夜神楽や岩戸五番の明け初むる　　　　　　　　　利 明
　　　（◎○○）
　　29.白粥に黄身盛りあがる寒卵　　　　　　　 　　　 孤 山
　　31.人生の短さ思ふ冬の星　　　　　　　　　　　　　麦 秋
　　33.声援を受けて湖岸の寒稽古　　　　　　　　　　　panapana
　　40.特養の明るき廊下寒見舞　　　　　　　　　　　　panapana
　　51.福寿草出窓に開く二つ三つ　　　　　　　　　　　麦 秋
　　54.箒目を立てて巫女掃く霜の朝　　　　　　　　　　方 舟
２点句（◎◎）
　　21.クリスマス独り暮らしに灯がふたつ　　　　　　　Tiger 6
　　　（◎○）
　　28.十二月八日米寿を過ぎて生く　　　　　　　　　　方 舟
　　30.新札に両替するも年用意　　　　　　　　　　　　さんせん
　　37.電飾に絡み縛られ冬並木　　　　　　　　　　　　しょうく
　　46.難解な文語文法寒卵　　　　　　　　 　　　　　 孤 山
１点句（◎）
　　03.凍星や電照菊の棟あかり　　　　　　　　　　　　さんせん
　　07.縁に曳く影も衰へ冬の蜂　　　　　　　　　　　　昇 峰
　　08.老いてなほ気力横溢寒卵　　　　　　　 　　　　 孤 山
　　12.隠れたる力ひそめて冬芽たつ　　　　　　　　　　しょうく
　　26.山頂の御霊に供ふ寒の水　　　　　　　　　　　　panapana
　　42.年の瀬や駆けねばならぬことも無し　　　　　　　TOTORO
　　　（○）
　　01.閼伽桶のよく乾く日や冬の蜂　　　　　　　　　　昇 峰
　　02.凍滝の一流水も許さざる　　　　　　　　　　　　昇 峰
　　05.薄氷を踏んで普請の猫車　　　　　　　　　　　　さんせん
　　06.産土の神鼓ひと打ち今朝の春　　　　　　　　　　利 明
　　09.お互ひに耳が遠くて寒見舞　　　　　　　　　　　麦 秋
　　14.数へ日やＡＴＭに長き列　　　　　　　　　　　　利 明
　　41.年の瀬の独りは自由赤ワイン　　　　　　　　　　TOTORO
　　58.行き先は酸ケ湯温泉霧氷林　　　　　　　　　　　苦 瓜
無点句
　　10.訪ふも応える人の無き寒さ
　　13.数へ日のひと日はピアノコンサート
　　15.数へ日や第九の調べ聴きながら
　　16.枯葉掃く腰の強さの八十翁
　　17.寒中の水に浸すや残り餅
　　18.寒見舞チョコを交して小半
　　19.クリスマス大家族なら賑やかに
　　20.クリスマス華やぐ街に老夫婦
　　22.ゴージャスに丸ビル街でクリスマス
　　25.山荘に雑事を避けて除夜の鐘
　　27.ジーパンの抜けはフアッション寒に入る
　　32.数百の鴨一塊の鴨の陣
　　35.散る姿見せず乾びて冬桜
　　36.妻逝きてポツンと歯ブラシ師走来る
　　38.峠越え霧氷まばゆき風の道
　　39.読経する托鉢僧や街師走
　　43.年の瀬やちょいと立読みしていこか
　　44.友去りてバス停傍の実万両
　　45.流されて流れ鴛鴦なに願う
　　47.賑わいのケーキ買ってクリスマス
　　49.初霞潮の香溢る厳島
　　50.初漁や玄界灘の波に乗り
　　52.冬晴やバス停ひとつ前で降り
　　55.豆うたれゐる園長のうら若き
　　56.三輪山を鈴音上るや初霞59.雪の夜は肩をすくめて独り酌む

評点につきまして間違いがありましたら、お早めにお申し出ください。

選者（敬称略）
利 明　孤 山　TOTORO　Tiger６　苦 瓜　翔 行　麦 秋　panapana　さんせん　しょうく　昇 峰　方 舟