四月前半のサークル句会の選句結果です。今回の一席は、panapanaさんの「菜の花」句の６点句、二席、三席は、昇峰の「春灯」と「清明」句の５点句でした。一席の鉄道は、一日一往復だけ運航されるJR東金線でしょうか。１４ｋｍ弱の区間に５駅しかない単線ですが、その田園風景のようですね。来会もよろしくお願い申し上げます。

一席　６点句（◎◎◎○○○）
　　34.単線路揺れて菜の花九十九里　　　　　　　　　panapana
二席　５点句（◎◎◎○○）
　　50.春灯し硯に慣らす筆の先　　　　　　　　　　　昇 峰
三席　５点句（◎◎○○○）
　　30.清明や水ほとばしる龍の口　　　　　　　　　　昇 峰

４点句（◎◎◎○）
　　40.道祖神仲良く濡るる春の雨　　　　　　　　　　翔 行
　　　（◎◎○○）　
　　05.戦なき日々を祝ひて鯉のぼり　　　　　　　　　麦 秋
　　　（◎○○○）　
　　04.飛鳥路のほのかに匂ふ山ざくら　　　　　　　　苦 瓜
　　22.ゴンドラの一搖れありて花の上　　　　　　　　方 舟
３点句（◎◎◎）
　　15.お遍路の杖浮かせ行く沈下橋　　　　　　　　　利 明
　　44.花ぐもり舟が舟曳く隅田川　　　　　　　　　　昇 峰
　　　（◎◎○）
　　66.連山の動き出しそな芽吹きかな　　　　　　　　さんせん
　　　（◎○○）
　　65.「令和」てふ新元号や花万朶　　　　　　　　　さんせん
　　　（○○○）
　　09.卯の花や峠の口の賽の神　　　　　　　　　　　昇 峰
２点句（◎◎）
　　08.卯の花や花頭窓あく巫女だまり　　　　　　　　昇 峰
　　21.黒土の艶を均して畑を打つ　　　　　　　　　　方 舟
　　35.たんぽぽの絮吹かれゆく川面かな　　　　　　　孤 山
　　　（◎○）　
　　11.裏富士を望む山小屋鯉のぼり　　　　　　　　　麦 秋
　　17.亀石の蹲りゐて春は遅々　　　　　　　　　　　利 明
　　31.送別の盃に散込む桜かな　　　　　　　　　　　昭 子　
　　46.花冷や手に懐かしき吉野葛　　　　　　　　　　昭 子
　　52.独り居の母の安否や草の餅　　　　　　　　　　さんせん
　　68.勿忘草出で湯の里の古き宿　　　　　　　　　　panapana
　　　（○○）
　　19.木曽の宿水車ごとりと風光る　　　　　　　　　昭 子
　　47.花見より屋台の匂ひ溢れけり　　　　　　　　　panapana
　　53.平成の残り日埋めて桜散る　　　　　　　　　　しょうく
　　54.平成の御代を惜しみて百千鳥　　　　　　　　　翔 行
　　61.病む身にも明日の風あり山笑う　　　　　　　　昭 子
１点句（◎）
　　24.さくら散る重力加速か宙に舞ふ　　　　　　　　Tiger 6
　　45.花万朶インクラインの鉄路錆び　　　　　　　　利 明
　　59.屋根に石のせて整ふ花見茶屋　　　　　　　　　方 舟
　　60.山焼の台地に残る火の臭ひ　　　　　　　　　　さんせん
　　62.雪解や大音声に黒部ダム　　　　　　　　　　　利 明
　　　（○）
　　23.桜咲くホ－ルインワンに笑顔咲く　　　　　　　panapana
　　27.春泥を撒きつつ帰る耕耘機　　　　　　　　　　利 明
　　29.春風や歩調も軽き試歩の道　　　　　　　　　　さんせん
　　41.菜の花や撮り鉄数多無人駅　　　　　　　　　　panapana
　　55.水温む舟歌高き川下り　　　　　　　　　　　　さんせん
　　57.迎へ待つ児に春灯す保育園　　　　　　　　　　方 舟
無点句
　　01.青き空海抜ゼロの花街道
　　02.青木の花見るひとなくて艶やかに
　　03.朝寝して夢幻の目覚めか
　　06いわし焼く黒くなりつつジーと鳴る
　　07.鶯に背中を押されて大多喜城
　　10.乳母車わきに土筆のうすみどり
　　12.うららかや稲村ケ崎の波しぶき
　　13.絵ハガキに停まるコーヒー八重桜
　　14.絵ハガキの富士と桜に切手貼る
　　16.思ふれば我も蒲公君も蒲公英
　　18.聞き返し忘れを忘れ四月馬鹿　
　　20.草萌えて土手に持ち込む段ボール
　　25.桜愛で酒とだんごにゆがむ顔
　　26.郷の荷の草餅なべていびつなり
　　28.春灯やカットグラスの琥珀いろ
　　32.対岸は隣の村や夏近し
　　33.啄木忌日々繰り返す水仕かな
　　36.築山へ八橋渡るうららかや
　　37.チマチョゴリどこまで続く花の冷え
　　38.手に余る花鳥諷詠虚子忌かな
　　39.天空を路線バスゆく花吹雪
　　42.パステルのアート楽しむ麗かや
　　43.パソコンの画面の向こう春の闇
　　48.浜唄を聞きつつ妹待つ月おぼろ
　　49.春風や故郷遥か鳥の歌
　　51.春はやて航空先達花と散る
　　56.見送るや転勤の駅に八重桜　
　　58.目借時揺れる電車の静けさよ
　　63.揺り覚ます単身赴任の春の雪
　　64.瑠璃越の眺むる里や朝桜
　　67.ワゴン車に園児等乗りて花見かな

評点につきまして間違いがありましたら、お早めにお申し出ください。

選者（敬称略）
麦 秋　翔 行　苦 瓜　TOTORO　昭 子　Tiger６　孤 山　利 明　panapana　さんせん　
方 舟　しょうく　昇 峰