【猫柳】
来てみればほゝけちらして猫柳 　　　細見綾子
ぎんねずに朱ヶのさばしる猫柳　　　 飯田蛇笏
猫柳四五歩離れて暮れてをり 　　　　高野素十
猫柳信濃の春は道沿ひに　　　　　　 大屋達治
ときをりの水のささやき猫柳　　　　 中村汀女
猫柳湖畔の春はととのはず 　　　　　五十嵐播水
猫柳日輪にふれ膨らめる 　　　　　　山口青邨
一つづつ光輪まとひ猫柳 　　　　　　伊藤柏翠
耳掻をつかふ恍惚猫やなぎ　　　　　 稲垣きくの
風やみて日のやさしさよ猫やなぎ 　　成瀬櫻桃子
星の出て真の青空ねこやなぎ 　　　　櫻井博道
ひもすがら日は枯草に猫柳　　　　　 松村蒼石

次の兼題は、「立春」です。