【冬耕】
冬耕の牛と一日吹きさらし 　　　　　　　松本たかし
冬耕の一人となりて金色に 　　　　　　　西東三鬼
冬耕の顔に大きく没日来る　　　　　　　 秋山幹生
冬耕の暮れてときどきものを言う 　　　　鈴木六林男
冬耕の畝長くしてつひに曲る 　　　　　　山口青邨
島裏に畑いちまい冬耕す 　　　　　　　　角川照子
冬耕の兄がうしろの山通る 　　　　　　　飯田龍太
冬耕の鍬音よどみなき日和 　　　　　　　大西荘水
冬耕やかたち無き日が雲の中 　　　　　　相馬遷子
冬耕の今日も鴉の羽拾う 　　　　　　　　加藤佳彦
冬耕の人いつまでもひとりなり 　　　　　伊藤政美
冬耕の憩ひて土に紛れぬる 　　　　　　　馬場移公子

明日の兼題は、「鷲」です。