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サークル句会

296.08月サークル句会②(08/11~08/25)

昇峰さん
トピック作成者:昇峰 さん
2020.8.23
八月後半のサークル句会の選句結果です。一席は、ワシモさんと苦瓜さんの8点句で「秋簾」と「残暑」の句でした。三席は、さんせんさんの6点句で「流れ星」の句でした。鑑評は、特選句それぞれに選者からコメントをいただいていますので、ご参照ください。

一席 8点句(◎◎◎○○○○○)
  29.川越の菓子屋横丁秋簾            ワシモ
  31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな         苦 瓜
三席 6点句(◎○○○○○)
  41.五箇山を闇に沈めて流れ星          さんせん

4点句(◎◎○○)
  40.孔版の句集を縁に曝しけり          利 明
3点句(◎◎○)
  83.南海の遺骨の声や敗戦忌            panapana
  91.晩節と言ふは何時より桐一葉         昇 峰
  106.町並みは昭和のなごり盆の月          山椒の香
   (◎○○)
  03.秋蟬のこゑは嗚咽か遊女墓          はぼたん
  32.級友は皆黄泉にあり天の川          翔 行
  82.なら町の辻を曲がれば風は秋         利 明
  120.ロザリオの覗く胸元藍浴衣          利 明
   (○○○)
  14.いろは音頭の輪歪みて地蔵盆         利 明
2点句(◎◎)
  04.秋蝉や幾度も休む男坂            はぼたん
  17.鵜篝の影の寄せ来る総がらみ         さんせん
  34.桐一葉落ちて引きずる山の音         昇 峰
  81.長椅子の真中を空けて夕涼み         利 明
  85.拭ひさるやうに雲ゆく野分あと        昇 峰
  89.芭蕉葉の見ゆる座敷に通さるる         苦 瓜
  116.林間の風独り占めハンモック         利 明
   (◎○)
  02.秋暑し錆びし錨の捨つるまま          山椒の香
  26.語りかけ追想重ね墓拝む            panapana
  66.炭坑節を十八番に盆の月            山椒の香
   (○○)
  06.秋の夜や妖しく燃ゆる星流る         翔 行
  21.大阪に一つの村や稲の花           苦 瓜
  69.追憶は母と曳きたる馬の市          ワシモ
  107.湖に小舟漕ぎ出す良夜かな          孤 山
  110.無住寺の鐘楼跡や虫しぐれ          panapana
1点句(◎)
  18.雲水の作務に駆けずる野分かな      
   panapana
  42.小魚の鱗煌めく秋の水            孤 山
  45.コロナ禍に日々を失ひ秋深む         方 舟
  47.紺少し残る夕空蕎麦の花           昇 峰
  53.出立の西日を残すワンルーム         ワシモ
  65.高空を我が物顔の赤蜻蛉           孤 山
  118.六叉路の長き信号秋暑かな          山椒の香
   (○)
  08.葦原を分けて舟入る水の秋          昇 峰
  12.一湾に凪の煌めく残暑かな           panapana
  24.廻廊を駈けて雲水秋の朝            panapana
  28.かなかなや傘寿の記念同窓会         山椒の香
  30.川舟の舫ひを解くや野分あと         孤 山
  48.雑音と混ざる玉音終戦日           しょうく
  52.三味の音のもるる路地裏酔芙蓉        山椒の香
  64.大戦の語り部逝きて露滂沱          はぼたん
  72.蹲いに小鳥の羽音龍安寺            panapana
  94.一突きで岸をはなるる水の秋         昇 峰
  95.人の世の儚さ知るや桐一葉          孤 山
  114.雷鳥を共に見た友今いづこ          麦 秋
無点句
  01.仰向けの蝉を拾ひし児等の声
  05.秋の夜にひとりスマホでメール打ち
  07.朝顔に偲ぶや唐の帰り船
  09.畔行ゆけばシオカラ蜻蛉先導す
  10.雨あがりいつか蜻蛉の空となる
  11.雨上がり線引き直す運動会
  13.稲の花甘き香も乗せ田水ゆく
  15.鰯雲待ち人遂に来らずに
  16.浮いてこいコップの背中指で打つ
  19.縁台で二千両舞う将棋打ち
  20.炎帝や我は襤褸のごときあり
  22.奥津城の花の萎みて秋暑し
  23.奥の手は救い求めて雷雨呼ぶ
  25.柿の実の青太りゆく逆光裡
  27.かなかなやけふのコロナの感染数
  33.切り取りて林檎の重さ甘さかな
  35.桐一葉木曽路の茶屋で飲むラムネ
  36.草茂る砲台跡の秋暑かな
  37.雲の峰北支の鍼師還らざる
  38.下校してまずは一皿氷菓子
  39.原爆忌黙す瓦礫と川の泥
  43.小魚の跳ねる落差や秋の水
  44.この疫禍長びく予感つくつくし
  46.コロナ2波襲ひくるらむ秋夕焼
  49.参道のこぼれし萩や常林寺
  50.山門を入り大師や萩揺れる
  51.信濃路の萩のゆたけし道祖神
  54.終戦のあの日あの刻母の膝
  55.新涼の風抜けゆくや大広間
  56.新涼の山々姿整へり
  57.新涼や心ゆくまで酒を酌む
  58.新涼や予後の杖置き歩み初む
  59.少しずつ満ちくる潮や島の盆
  60.蟬のこゑ堂塔に澄秋み透りけり
  61.背を向けてコインを抛る秋の水
  62.禅堂に牡丹臭木の隠れ咲き
  63.掃苔のあか桶に水まんまんと
  67.ちちははの面影淡し盆の月
  68.父母の思ひ出おぼろ盆踊り
  70.杖突きて父母の墓参りけり
  71.つくつくし今日も元気か元気かと
  73.聾に処暑のささやき足止まる
  74.テレワ-ク散歩の小径蟬時雨
  75.点滴の小さき雫や桐一葉
  76.ドクターイエロー走る鉄橋秋出水
  77.床の間に熊の置物良夜かな
  78.鶏小屋の狭道を塞ぐ葉鶏頭
  79.とろろ汁ならば一個のにぎりめし
  80.蜻蛉湧く雨の洗ひし空広げ
  84.入道雲センターポールを狙い撃ち
  86.合歓の花ここが人生曲がり角
  87.野仏の供花に張り付く銀やんま
  88.萩の風摩文仁の丘の鎮魂歌
  90.バス停の猫バス燃やす花カンナ
  92.蜩の声の重なる夕べかな
  93.飛行曇真っ直ぐ伸びる秋の空
  96.病院へ通ふ道筋稲の花
  97.昼餉にはハリハリと胡瓜食む
  98.不易流行原爆ドーム秋に入る
  99.赴任して蛙の池の坂昇る
  100.踏み荒らす靴に染み込む白露かな
  101.振り返る木曽路の峠紅の萩
  102.風呂窓に三日月仰ぎ疲れ取れ
  103.鬼灯の緑に点る屋敷神
  104.曲り枝に青柿撓わ子規の庭
  105.枡酒をちびりと舐むる良夜かな
  108.水を打つ少女の今朝のをんなめく
  109.麦藁帽目深に被り杖ついて
  111.闇に浮く城をいだきて鵜飼船 
  112.指先に銀河の触るる古潭かな
  113.夜もすがら小夜の中山野分して
  115.流星は暗黒宇宙の擦過傷
  117.瑠璃蜥蜴の瑠璃を残して失せにけり
  119.六道参り母に空似の人に遇ふ
  121.山葵田の二段三段秋の水
  122.渡り来る風の匂へる稲の花
  123.藁葺きに秋の草生ひ峠茶屋

なお、文字の欠落等がありましたら、お知らせください。

選者(敬称略)
麦 秋 はぼたん 孤 山 Tiger6 ワシモ 利 明 panapana 翔 行 苦 瓜 山椒の香 しょうく 冬 彦 方 舟 昇 峰 さんせん
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1
11ページ
15
さんせんさん
2020.8.29 14:26
さんせん選

 05.秋蝉や幾度も休む男坂
   急坂を一気に登のは辛い。どこかから励ますように秋蝉の声がする。体験に根ざした一句。
 26.語りかけ追想重ね墓拝む
   身近な人なら尚のこと・・・慈愛に満ちた一句。
 53.出立の西日を残すワンルーム
   旅立ちのワンシーンを上手く切り取った一句。
 81.長椅子の真中を空けて夕涼み
   夕涼みまでソーシャルデイスタンス滑稽味溢れた一句。
 85.拭いさるやうに雲ゆく野分あと
   台風一過の抜けるような青空、写生の行き届いた一句。
 106.町並みは昭和のなごり盆の月
   旧街道の町並みを照らす盆の月、幻想的な一句。
 118.六叉路の長き信号秋暑かな
   大都会の憂鬱の一こま。かなの配置の妙。
 120.ロザリオの覗く胸元藍浴衣
   浴衣の胸元のロザリオ、意味深な一句。
 
     
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14
昇峰さん
2020.8.29 10:47
29.川越の菓子屋横丁秋簾
こういう骨格の整った句は文句のつけようがない。季語の斡旋も良い。
31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな
切れ字「かな」を使った模範句。季語を変えただけの同じフレーズで作者が推測される。
40.孔版の句集を縁に曝しけり
孔版の句集、そんな時期があったことを思い出した。
41.五箇山を闇に沈めて流れ星
発想は平凡をまぬがれないが、きれいな句。
42.小魚の鱗煌めく秋の水
鱗の煌めくさまで、澄んだ秋の水を想像させる。
65.高空を我が物顔の赤蜻蛉
中七の措辞が良い。秋の空の高さも適っている。
89.芭蕉葉の見ゆる座敷に通さるる
芭蕉葉を植えてある庭。大きな夏座敷が見える。
116.林間の風独り占めハンモック
気持ちの良さそうな夏休み。
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13
方舟さん
2020.8.29 10:28
02・秋暑し錆びし錨の捨つるまま
  秋暑しの季語に似合う情景。
17・鵜篝の影の寄せ来る総がらみ
  観光鵜飼の最後の景観、参加している鵜飼舟が揃い押し出してくる圧巻の景色。
29・川越の菓子屋横丁秋簾
  狭い通りであるが、雰囲気を感じさせる。
31・生醤油の匂ふ通りの残暑かな
  生活感を感じさせられる醤油の匂い、残暑かなも合っている。
32・級友は皆黄泉にあり天の川
  来年は卒寿を迎える小生、まさにこのとおり感慨を覚えます。
40・孔版の句集を縁に曝しけり
  昔のガリ版刷りの句集でしょうか、懷かしみつゝの曝書。
47・紺少し残る夕空蕎麦の花
  茜空に少し紺色ののこる夕焼けに白い小さな蕎麦の花、情緒ある風景。
82・なら町の辻を曲がれば風は秋
  奈良の混雑な町通り、辻を曲がったときに感じた風は秋だった。
91・晩節と言ふは何時より桐一葉
  男子の平均寿命81歳と聞くが、まだまだと言う思いが感じられる。
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12
冬彦さん
2020.8.29 10:13
遅れてしまいました。間に合いましたらお願いします。冬彦

特選
03.秋蟬のこゑは嗚咽か遊女墓
「蕪村風の物語性が床しく感じられる」

14.いろは音頭の輪歪みて地蔵盆
29.川越の菓子屋横丁秋簾
31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな
40.孔版の句集を縁に曝しけり
120.ロザリオの覗く胸元藍浴衣
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11
しょうくさん
2020.8.29 8:13
しょうく選

   04.秋蝉や幾度も休む男坂
     今年の蝉は遅かった、男坂の急斜面、歩く人も休む、蝉も時々鳴き休む
   17.鵜篝の影の寄せ来る総がらみ
     鵜かいの最後を飾るそうからみ、篝がどんどん寄ってくる姿を描写。
   31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな
     残暑の醤油つくりの立ち並んだ街を活写
   34.桐一葉落ちて引きずる山の音
     ああそう云えば、山道で桐の葉がひらり落ち、かすかな音、アレは山の音か
   45.コロナ禍に日々を失ひ秋深む
     夏の日々がコロナに奪われた、秋の日々を奪われぬよう願うばかり
   66.炭坑節を十八番に盆の月
     盆の月、寄り添うような炭坑節、今年は聞こえなかった、幻の炭坑節
   91.晩節と言ふは何時より桐一葉
     晩節はいったいいつから、霧の葉がかすかに音をさせ落ちる時か
   106.町並みは昭和のなごり盆の月
     ふと見上げた軒先に引っかかったような盆の月、昭和の街並み。
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10
山椒の香さん
2020.8.28 21:41
特選
34.桐一葉落ちて引きずる山の音
   一葉の桐の葉の落ちる音とその後の余韻を詠まれた。そのころは山の静けさが一段
   と身にしむとき。山の音とはどのような?さらさら、ざわざわ。
入選
  21 24 31 40 41  
   
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9
苦瓜さん
2020.8.28 13:30
特撰。85拭ひさるやうに曇ゆく野分あと  野分あとの情景を「拭いさるやうに」とかるく言った事が面白い。
秀句。08.12.30.64.72
0人がいいねと言っています
8
翔行さん
2020.8.27 17:12
特選
林間の風独り占めハンモック
 夏の句になるが:発想が素晴らしい。特に中七が活きている。
入選
川越の菓子屋横丁秋簾
三味の音のもるる路地裏酔芙蓉
追憶は母と曳きたる馬の市
南海の遺骨の声や敗戦忌
晩節と言うは何時より桐一葉
0人がいいねと言っています
7
panapanaさん
2020.8.27 11:46
特選  69.追憶は母と曳きたる馬の市
     長年母上と愛馬を育成馬の市に
     別れる気持ち    

入選 06. 29. 48. 95. 114.
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6
利明さん
2020.8.27 10:43
特選
89.芭蕉葉の見ゆる座敷に通さるる
  広い商家の屋敷の庭だろうか、座敷からは芭蕉葉の少しく割けて
  戦ぐ声が聞こえる。初秋のほっと心安らぐ景が見えるようだ。
入選
21.大阪に一つの村や稲の花
29.川越の菓子屋横丁秋簾
32.級友は皆黄泉にあり天の川
106.町並みは昭和のなごり盆の月
107.湖に小舟漕ぎ出す良夜かな
0人がいいねと言っています
5
ワシモさん
2020.8.26 20:48
特選
18.雲水の作務に駆けずる野分かな
 禅宗の修行僧は台風が来ると作務の仕事が どっと増えるのですね。
 慌ただしさが生き生きと浮かんできます。
入選
03.秋蟬のこゑは嗚咽か遊女墓
14.いろは音頭の輪歪みて地蔵盆
31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな
41.五箇山を闇に沈めて流れ星
82.なら町の辻を曲がれば風は秋
0人がいいねと言っています
4
Tiger 6さん
2020.8.26 20:43
特撰
81.長椅子の真中を空けて夕涼み
  コロナウイルス感染最中では、何か、日常の光景に見えてきました。
入選
06.秋の夜や妖しく燃ゆる星流る
26.語りかけ追想重ね墓拝む
32.級友は皆黄泉にあり天の川
41.五箇山を闇に沈めて流れ星
110.無住寺の鐘楼跡や虫しぐれ
0人がいいねと言っています
3
孤山さん
2020.8.26 15:43
特選
29 川越の菓子屋横丁秋簾
  古き良き時代の面影が残っている街並みが目に浮かぶ。秋簾が効いている。

入選
02 秋暑し錆びし錨の捨つるまま
03 秋蝉のこゑは嗚咽か遊女墓
31 生醬油の匂ふ通りの残暑かな
41 五箇山を闇に沈めて流れ星
110 無住寺の鐘楼跡や虫しぐれ
0人がいいねと言っています
2
はぼたんさん
2020.8.26 11:37
特選
83.南海の遺骨の声や敗戦忌
未だに放置されている南溟の戦場に思いを馳せて
並選
31.生醤油の匂ふ通りの残暑かな
41.五箇山を闇に沈めて流れ星
94.一突きで岸をはなるる水の秋
107.湖に小舟漕ぎ出す良夜かな
120.ロザリオの覗く胸元藍浴衣
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1
麦秋さん
2020.8.26 9:31
特選 83.南海の遺骨の声や敗戦忌
敗戦の時期に育った私は心が傷みます。無抵抗の多くの方が亡くなられたに心を傷みます。
私は大阪で多くの老若男女、赤ちゃんまで生きたまま火に焼かれるのを見ました。
その為、終戦より敗戦こそふさわしいと思います。
入選
14 28 29 66 82
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