遠くから君が見えると、安心するんだ。
君は今夜も僕を受け入れてくれるんだね。
僕は近づいてそっと君に触れる。
柔らかいな、そしてあたたかい気がするよ。
汚れていてもいい、だってそれは君が色んな男たちを受け入れて、
そして悦ばせてきた証なんだから。
僕もその中の一人さ。

君の中をいつものようにすり抜けてしまうと、
僕は君から顔を背けて暫し酒に浸る。
洒落たカクテルなんて必要ない。
おでんに熱燗、最高の季節だ。
あぁ、忘れてはいないよ、君の存在は。
でもこの酒の間だけは忘れさせてくれ・・・。

至福の時間は過ぎるのがはやい。
君はまだそこにいるかい？
なんだ、いないのか。
僕は君の最後の客だったんだね・・・。


「あら、斎藤さん、誰かとお話し中？」
「だ～れだ？」
「え？」


問題：さて、斎藤さんが話しかけているのは誰でしょう？

海☆ミさん作

解答は12/4予定